インビザラインのアタッチメントとは？その役割やメリット、デメリットを解説
先生、インビザラインで矯正治療をしたいと考えています。
歯に「アタッチメント」というものを付けると言われたのですが、これって何ですか？
アタッチメントは、歯の動きをサポートするために使う矯正装置です。
今回は、インビザラインのアタッチメントの役割や種類、メリット、デメリットについてお話ししましょう！
アタッチメントの付け方や外し方、取れたときの対処法もご紹介しますよ！
インビザラインのアタッチメントとは
インビザラインのアタッチメントとは、歯に付ける小さな白い突起です。
アタッチメントの役割と種類について解説します。
インビザラインのアタッチメントの役割
アタッチメントは、マウスピースによる歯の動きをサポートして歯を正確に動かす役割があります。
歯に白い歯科用樹脂を直接盛り付けて作るもので、大きさは最大で米粒ほどです。矯正治療が終わったら外せる設計になっています。
マウスピースだけでもある程度歯を動かすことはできますが、アタッチメントを組み合わせることで、より複雑な歯の動きを実現することが可能となります。
インビザラインがほかのマウスピース矯正よりも比較的重度の症例に適応できるのは、アタッチメントを活用した治療計画が立てられるからです。
また、アタッチメントはマウスピースを歯に固定して密着度を高める役割もあります。
マウスピースと歯の密着度を高めることも歯を正確に動かすために大切なことです。
インビザラインのアタッチメントの種類
インビザラインのアタッチメントは、大きく分けて以下の2種類あります。
- 最適アタッチメント
- 通常アタッチメント
最適アタッチメント
最適アタッチメントとは、歯の動きに合わせてインビザラインのソフトウエアが自動的に設置するアタッチメントです。
マウスピースだけで動かすのが難しい歯の圧下、挺出、回転、歯の根のコントロール、抜歯したスペースの確保のような、複雑な動きをする歯の誘導に用いられます。
- オープンバイト用最適アタッチメント
- ディープバイト用最適アタッチメント
- 回転用最適アタッチメント
- ルートコントロール用最適アタッチメント
- アンカレッジ用最適アタッチメント
以上、5つの種類があります。
オープンバイト用最適アタッチメント
オープンバイト用最適アタッチメントは横向きの長方形をしており、上の前歯4本に設置されることが多いです。
前歯を歯茎から引っ張り出して（圧下）、上下の歯を噛み合わせるために使われます。
ディープバイト用最適アタッチメント
ディープバイト用最適アタッチメントは、バイトランプと言われるマウスピースの突起とセットで用いられることのあるアタッチメントです。
バイトランプで上の前歯を歯茎の中に押し込み（圧下）、反対に奥歯を歯茎の中から引っ張り出す（挺出）ことでディープバイトを改善します。
回転用最適アタッチメント
回転用最適アタッチメントは、犬歯と小臼歯に設置されることの多いアタッチメントです。
丸みを帯びた三角形のような形をしており、歯を回転させて捻れを治します。
ルートコントロール用最適アタッチメント
ルートコントロール用最適アタッチメントは、歯の根の動きをコントロールするためのアタッチメントです。
1本の歯に三日月型のアタッチメントが2つ付いているのが特徴です。
前歯のすきっ歯、歯の傾きを治すために用いられます。
アンカレッジ用最適アタッチメント
アンカレッジ用最適アタッチメントは、抜歯をして作ったスペースを保持するために用いられるアタッチメントです。
第一小臼歯（前から数えて4番目の歯）を抜歯したときに使用されます。
通常アタッチメント
通常アタッチメントとは、長方形、楕円形、側面が斜めになっている形の長方形をしているアタッチメントです。
歯科医師の判断によって必要に応じて設置されます。
インビザラインでアタッチメントを付けるメリット
インビザラインでアタッチメントを付けるメリットは、適応症例の幅が広がることです。
アタッチメントを付けることでマウスピース単体では難しい歯の動きができるようになるため、抜歯や外科処置が必要な難しい症例にも対応できる可能性が高くなります。
また、マウスピース単体で歯を動かすよりも治療期間が短縮できる可能性も高いです。
インビザラインでアタッチメントを付けるデメリット
インビザラインでアタッチメントを付けるデメリットは、食事や歯磨きのときの違和感が生じることです。
慣れるまでは食べ物がアタッチメントに引っかかって食事がしにくい、歯磨きのときに歯ブラシが劣化しやすいなどの不便を感じる場合があります。
ただし、ワイヤー矯正のような大きな装置ではないので、インビザラインのアタッチメントの方が圧倒的に違和感は少ないです。
インビザラインのアタッチメントの付け方と外し方
インビザラインのアタッチメントは、治療開始時に付けて治療終了時に外します。
アタッチメントの一般的な付け方と外し方を解説します。
インビザラインのアタッチメントの付け方
アタッチメントは、以下の手順で装着します。
- 歯の表面の汚れを歯科医院の機械（ブラシ）を使って落とす。
- 歯の表面がきれいになったら、歯に処理剤を塗布する。
- アタッチメントの窪みがついているマウスピース（アタッチメントテンプレート）に歯科用の樹脂を流し込み、歯に装着する。
- アタッチメントテンプレートの上から光を当てて歯科用の樹脂を硬める。
- アタッチメントテンプレートを歯から外し、余分な歯科用樹脂を除去して完了。
すべての工程を歯科医師または歯科衛生士が施術するので、自分で何かする必要はありません。
インビザラインのアタッチメントの外し方
インビザラインのアタッチメントは、基本的にレジンリムーバーという専用の器具を使って外します。
レジンリムーバーでアタッチメントを除去したあとは、アタッチメントの残骸が残っており歯の表面がざらついているので、専用の機械を使って研磨して歯の表面を滑らかにします。
インビザラインのアタッチメントが取れたときの対処法
インビザラインのアタッチメントはマウスピース着脱のときや食事のときなどに外れてしまうことがあります。
アタッチメントが取れたら、まずは歯科医院に連絡しましょう。基本的には、歯医者でアタッチメントを付け直すことになります。
まとめ
インビザラインのアタッチメントは、歯の複雑な動きをサポートするために用いる矯正装置です。
歯科用の白い樹脂でできており、大きさは米粒くらいの小さなものです。
アタッチメントを歯に付けることで複雑な歯の動きを実現できるため、抜歯や外科手術が必要な重度症例にも適応できる可能性があります。
ただし、歯科医師の方針によって、どのレベルの症例までを治せるかは異なります。
まずはカウンセリングを受けて、自分の歯並びをインビザラインで治せるか確認してみましょう。
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長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務
臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター
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