マウスピース矯正とは?ワイヤー矯正との違いについて歯科医師が解説!

マウスピース矯正 ワイヤー矯正 違い マウスピース矯正

最終更新日 2023年11月19日

患者さん
患者さん

「マウスピース矯正」という、ワイヤーを使わない矯正治療があるって聞きました。

ワイヤー矯正とは何が違うんですか?

歯科医師
歯科医師

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正とは形状が大きく違う矯正装置を使って、歯並びや噛み合わせを整えます。

今回は、マウスピース矯正について、ワイヤー矯正との違いを解説します!

マウスピース矯正とは?

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明なマウスピースを装着して歯を動かす矯正装置です。

  • 目立つ矯正装置を使いたくない人
  • 矯正装置を気にせずしっかり歯磨きをしたい人
  • 歯を抜かないで矯正したいと考えている人

におすすめの矯正方法です。

マウスピース矯正とワイヤー矯正の違い

マウスピース矯正

マウスピース矯正とワイヤー矯正には、4つの違いがあります。

  • 矯正装置の形状
  • 適応可能な症例のレベル
  • 得意な歯の動かし方
  • 痛みの感じ方

矯正装置の形状

マウスピース矯正とワイヤー矯正は、装置の形状が異なります。

素材も違うため、装置をつけたときの見た目や自分で着脱できるかが異なります。

マウスピース矯正の形状

マウスピース矯正は、透明で歯を包むような形をしています。

部分矯正、全体矯正問わず、奥歯まですべての歯を覆う形のマウスピースです。

素材は透明なプラスチックでできているため、装置が歯によく馴染んで目立ちません。

また、必要なときに自分で着け外しできるので、矯正中も矯正前とほとんど同じ感覚で食事や歯磨きができます。

ワイヤー矯正の形状

ワイヤー矯正は、銀色や白色のブラケットとワイヤーを歯に固定して歯を動かします。

素材は金属、セラミック、プラスチックなど、いくつかのバリエーションがあり、素材によって装置の目立ちやすさが異なります。

歯の表側にワイヤーをつける場合は、装置の凹凸感が気になりやすく、金属のブラケットやワイヤーを用いる場合は、特に目立ちます。

また、装置は自分で着け外しできないため、食事や歯磨きには、やや気を使う必要があります。

適用可能な症例のレベル

マウスピース矯正とワイヤー矯正では、適応できる症例のレベルが異なります。

マウスピース矯正で適応可能な症例のレベル

マウスピース矯正は、いくつかのマウスピース矯正ブランドがあり、ブランドごとに治せる症例のレベルが異なります。

軽度症例や部分矯正のみに対応したマウスピース矯正ブランドは、全体矯正が必要な中度〜重度症例には適応できないことが多いです。

一方、インビザラインのような全体矯正に適応できるマウスピース矯正ブランドは、アタッチメントやゴム掛けなどを治療計画に組み入れることで、抜歯や外科手術(骨切り)を伴う重度症例にも適応できる場合があります。

ワイヤー矯正で適応可能な症例のレベル

ワイヤー矯正は、軽度〜重度までほとんどすべての症例に適応可能な矯正装置です。

世界的に長く用いられている矯正装置なので症例数が多く、抜歯や外科手術、矯正用インプラントなどを組み入れた治療計画に柔軟に対応できるためです。

得意な歯の動かし方

マウスピース矯正とワイヤー矯正には、それぞれ得意な歯の動かし方があります。

マウスピース矯正が得意な歯の動かし方

マウスピース矯正は、

  • 奥歯を後ろに動かす
  • 歯を歯茎の中へ押し込む動き(圧下)
  • 歯列を横に広げる動き

が得意な矯正装置です。

これにより、抜歯をしなくても奥歯を後ろに動かして前歯を引っ込めるためのスペースをある程度作れるので、軽度の出っ歯や受け口を非抜歯で治せる可能性があります。

また、奥歯の圧下が必要な開咬の治療も得意です。

ワイヤー矯正が得意な歯の動かし方

ワイヤー矯正は、

  • 歯の回転
  • 細かい動き
  • 歯の平行移動

が得意な矯正装置です。

そのため、抜歯や外科手術をして、前歯を大きく平行移動する必要がある重度症例に向いています。

また、歯の捻れやガタつきが大きい症例も、マウスピース矯正よりも早く改善できる可能性があります。

歯科医師
歯科医師

双方の得意な歯の動かし方は、それぞれの装置の苦手な歯の動かし方です。

そのため、ひとつの症例にマウスピース矯正とワイヤー矯正の両方を用いてお互いのデメリットを補う「コンビネーション治療」が行われることもあるんですよ!

痛みの感じ方

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正よりも小刻みに歯を動かす力を掛けるため、歯が動くときの痛みが少ないです。

また、マウスピースの表面は滑らかなので、口の中を傷つけにくい形をしています。

ワイヤー矯正で感じることの多い、ブラケットの角やワイヤーの端が当たるような痛みはありません。

マウスピース矯正の治療の流れ

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、以下の流れで進みます。

  1. カウンセリング
  2. 精密検査
  3. 歯の3Dスキャン
  4. 治療計画の作成・シミュレーション
  5. マウスピースの作成
  6. 治療開始

ワイヤー矯正と違うのは、口の中を3Dスキャンできるカメラで撮影して、歯形を取ることです。

3Dスキャンしたデータを元に矯正治療のシミュレーションを行うため、治療前にきれいになった自分の歯並びを確認することができます。

治療開始後は、2〜3ヶ月前後に1回、歯医者に通院してマウスピースの適合確認を行います。

マウスピース矯正の費用と期間

マウスピース矯正

マウスピース矯正の費用と治療期間の目安は、以下の通りです。

費用

  • 部分矯正→10〜70万円ほど
  • 全体矯正→80〜100万円ほど

期間

  • 部分矯正→5ヶ月〜1年6ヶ月ほど
  • 全体矯正→1〜2年ほど

ただし、矯正は自費診療のため、費用治療期間は症例のレベルや歯医者によって異なります。

カウンセリングの際に、治療中の通院やマウスピースの作り直しに追加費用がかかるのかを確認しておくといいでしょう。

マウスピース矯正はワイヤー矯正とは異なる矯正方法

マウスピース矯正

マウスピース矯正はワイヤー矯正とは異なり、

  • 矯正装置が目立たない
  • ワイヤー矯正で苦手な歯の動かし方ができる
  • 矯正中の痛みが少ない

のが特徴です。

特に、マウスピース矯正の装置が目立ちにくいこと、ワイヤー矯正では難しい歯の動かし方をすることで、抜歯をしないで出っ歯や受け口を治せる可能性があることは、大きなメリットと言えるでしょう。

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長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務

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臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター

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