舌の口内炎を治すには?原因と治し方を紹介!
舌の口内炎が痛いのですが、どうして口内炎はできるんですか?
口内炎は、舌を噛んでしまったり、矯正装置を舌で触ったりする物理的な刺激や栄養不足、ストレス、ウイルスの影響などが原因で起こります。
今回は、舌の口内炎の原因と治し方についてお話しします!
舌の口内炎の原因
舌にできる口内炎には7つの種類があり、それぞれ原因が異なります。
- アフタ性口内炎(潰瘍性口内炎)
- カタル性口内炎(外傷性口内炎)
- ウイルス性口内炎
- 真菌性口内炎
- アレルギー性口内炎
- ニコチン性口内炎
生活習慣の乱れや全身疾患が原因|アフタ性口内炎(潰瘍性口内炎)
口内炎の中では最もよくみられる口内炎です。
体調不良やビタミンB2を中心とする栄養不足、ストレス、睡眠不足などの生活習慣の乱れといった原因が明瞭でないもの、
またはベーチェット病やクローン病などの全身疾患によって発生すると考えられています。
通常は2週間以内に自然治癒しますが、繰り返し口内炎ができる場合は、
全身疾患が原因の可能性があるため、医科を受診することをおすすめします。
症状としては、2〜10mmくらいの大きさの円形もしくは楕円形の白い潰瘍ができるのが特徴です。
口内炎の縁は赤いラインで縁取られています。
また、ひとつだけできることもあれば、複数の小さい口内炎が数個まとまってできることもあります。
外部からの刺激が原因|カタル性口内炎(外傷性口内炎)
カタル性口内炎は、主に矯正用のマウスピースやワイヤー、入れ歯、むし歯で穴が空いた部位などが舌や口の中に当たる物理的な刺激、薬品の刺激や火傷などの外部からの刺激が原因で起こる口内炎です。
症状の特徴としては、はじめに水ぶくれができますが、すぐに潰れて潰瘍となります。
潰瘍部分への物理的な刺激や熱い飲み物や食べ物によって、口内炎が改善するまで痛みが出ます。
ウイルスが原因|ウイルス性口内炎
ウイルス性口内炎は単純ヘルペス、ぺルパンギーナ(夏風邪)や手足口病の原因となるコクサッキーAなどのウイルスが原因で起こる口内炎です。
水ぶくれのような口内炎が割れて、痛みを伴う潰瘍となります。
ぺルパンギーナや手足口病などの全身疾患を発症している場合は、
発熱や倦怠感などの全身症状とともに、病気の原因となるウイルスが原因で口内炎を形成します。
真菌が原因|カンジダ性口内炎
カンジダとは、口内に常に存在する真菌(カビ)の一種です。
カンジダはどの口の中にも存在するため、通常であれば口内炎などのトラブルを引き起こすことはありませんが、日和見感染や免疫力の低下などによって口内炎を発症させることがあります。
症状としては、口の中に白い斑点や苔のようなものの付着がみられます。
アレルギーが原因|アレルギー性口内炎
金属や薬、食べ物などのアレルギー反応のひとつとして起こる口内炎です。
赤い斑点(紅斑)や舌表面の皮がただれたようになる「びらん」が起こり、さらに悪化すると潰瘍となります。
喫煙習慣が原因|ニコチン性口内炎
慢性的な喫煙によってニコチンや熱に晒された口内の抵抗力の低下、口内の乾燥、口内細菌のバランスの変化によって起こる口内炎です。
将来的にがん化する恐れがあるため、注意が必要です。
基本的に口内炎による痛みはありませんが、がん化するとびらんや潰瘍などがみられます。
舌の口内炎の治し方
舌に口内炎ができたときは、市販薬を使用するか病院を受診することで改善できます。
ただし、すべての方法がすべての口内炎に同じように効果があるわけではないので、治し方とともに効果がある口内炎の種類も確認しておきましょう!
市販薬を使用する
市販の塗り薬やパッチ、飲み薬などを使用して口内炎の炎症を抑えて治す方法です。
時間の経過とともに自然治癒する場合もありますが、市販薬を使用することで痛みの軽減と治癒の促進が可能です。
【治せる口内炎の種類】
・アフタ性口内炎(潰瘍性口内炎)
・カタル性口内炎(外傷性口内炎)
ドラックストアなどで市販されているのは、口内炎の炎症と痛みを緩和するステロイドや非ステロイド性のアズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルレチン酸が主成分として配合された塗り薬、身体の内側から口内炎の炎症を抑えるトラネキサム酸が配合された飲み薬です。
市販薬で治らないこともあるので注意!
市販薬を使用してもアフタ性口内炎が繰り返しできる場合は、ベーチェット病などの全身疾患が原因となっている可能性があり、医科の受診が必要です。
また、矯正中や入れ歯を使用している場合にできるカタル性口内炎は、矯正器具や入れ歯の調整が必要な場合があります。
この場合は市販薬を使用するだけでなく、歯科を受診しましょう。
医科や歯科を受診する目安
- 1週間ほど市販薬を使用したのに治らない
- 口内炎が大きくなっている
- 繰り返し口内炎ができる
- 同時にたくさん口内炎ができる
- 白い苔のような斑点が口中にできる
- 小さい水ぶくれが口だけでなく唇や皮膚にも多発している
病院に行く
口内炎の種類や原因はさまざまあり、見分けがつきにくいものです。
病院を受診すれば口内炎の原因に応じた対策を考えてくれるので、早く改善できる可能性があります。
【治せる口内炎の種類】
・アフタ性口内炎(潰瘍性口内炎)
・カタル性口内炎(外傷性口内炎)
・ウイルス性口内炎
・真菌性口内炎
・アレルギー性口内炎
口内炎の専門は耳鼻咽喉科とされていますが、歯科ならレーザーを使用した口内炎治療が可能です。
口内炎にレーザーを照射することで、痛みを和らげて口内炎の治りを早くすることができます
ウイルスや真菌が原因の場合は、原因となるウイルスや菌の活動を抑えるための内服薬や外用薬を使用したりします。
また、アレルギー性口内炎はアレルギーの原因となる物質を排除する必要があるため、金属のブラケットや被せ物などが原因の場合はブラケットや被せ物の材質を変更する必要があります。
禁煙
【治せる口内炎の種類】
・ニコチン性口内炎
なかなか難しいことですが、ニコチン性口内炎の場合は禁煙をするしか方法がありません。
がん化する恐れがある口内炎のため、禁煙外来なども活用して禁煙することをおすすめします。
舌の口内炎を予防する方法
舌の口内炎は以下の方法で予防することができます。
- 生活習慣の改善
- ビタミンB群を摂取する
- 消化に優しい食事を心がける
- 矯正装置や入れ歯、むし歯を舌で触らない
生活習慣の改善
睡眠不足やストレス、身体の疲れは口の粘膜の抵抗力を下げるため、外部からの刺激やウイルス、菌などの影響に負けて口内炎ができやすくなります。
規則正しい生活で睡眠の時間を十分に確保するようにすると、身体を休めつつ自律神経を整えることができるので、ストレスの軽減も図れます。
ビタミンB群を摂取する
ビタミンB群の中でも特に、ビタミンB2やビタミンB6は口の粘膜のバリア機能向上と新陳代謝促進の役割があります。そのため、食事やサプリメントなどで積極的に摂ると、口内炎ができにくく治りやすい環境を作ることができます。
ビタミンB2やB6が含まれるおすすめの食べ物
【ビタミンB2】
・牛乳
・卵
・乾燥ワカメ
・アボカド
・納豆 など
【ビタミンB6】
・マグロの赤身
・カツオ
・サーモン
・ささみ
・バナナ
・さつまいも
・赤パプリカ
・チーズ
・ヨーグルト など
消化に優しい食事を心がける
暴飲暴食や香辛料などの刺激の強い食べ物、アルコールの過剰摂取などは消化不良を引き起こします。消化不良が続くと舌などに口内炎ができやすくなるため、消化に優しい食事を心がけましょう。
矯正装置や入れ歯、むし歯を舌で触らない
矯正装置や入れ歯の使い始めたときの違和感やむし歯の穴が気になって、舌で積極的に触ってしまうと口内炎ができやすいです。
気になっても、舌で触らないようにするのがベターです。
また、矯正装置や入れ歯は、歯科医院での装着や調整の際に口をモゴモゴと動かしたり舌で触ってみたりして、尖っている部分がないかどうか確認しておくといいでしょう。
舌の口内炎は予防と原因に応じた対策を心がけよう
舌にできる口内炎の原因は、生活習慣の乱れやストレス、矯正装置や入れ歯の刺激、ウイルスや菌、全身疾患などさまざまです。
口内炎予防のための生活と食習慣を心がけ、口内炎ができたときは原因に応じて市販薬や病院を上手く活用しましょう。
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365dentist総監修 歯科医師/ゆきこ
長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務
監修 歯科医師/Naomi
臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター