リテーナーしてるのに後戻りするのはなぜ?また矯正は必要?
先生、リテーナーをしているのに後戻りしてしまいました。
また矯正は必要ですか?
分かりました!
今回はリテーナーをしているのに後戻りする原因、対策、予防方法についてお話しします。
リテーナーをしているのに後戻りする原因
リテーナーをしているのに後戻りする原因は、以下の5つです。
- 装着に関する指示を守っていない
- リテーナーの破損・変形
- 口周りの癖
- 口周り以外の癖
- 親知らず
装着に関する指示を守っていない
リテーナーの装着に関する指示を守れていない場合は、リテーナーをしていても歯並びが後戻りする可能性があります。
リテーナーは、歯科医師の指示通りに使用する必要があります。
- 1日の装着時間は守っているが、毎日使っていない
- 毎日使っているが装着時間が足りない
このようなケースで後戻りすることは多いです。
リテーナーの破損・変形
リテーナーを歯科医師の指示通りに使用しているにもかかわらず歯が後戻りする場合は、リテーナーの破損や変形も原因として考えられます。
- つけ外しの際にリテーナーに変な力がかかっている
- 熱いお湯で洗っている
- 歯ブラシで強く擦っている
- 専用ケースに保管していない など
このようなことが原因でリテーナーが壊れたり変形したりすることがあります。
口周りの癖
歯並びは、舌と唇の圧の影響を受けて変わります。
そのため、矯正治療で歯並びと噛み合わせを整えても舌と唇の癖が治っていない場合はリテーナーをしていても歯が後戻りすることがあります。
口周り以外の癖
頬杖、片噛み、うつ伏せ寝など、口周り以外の癖で歯並びや噛み合わせが乱れることがあります。
頬杖やうつ伏せ寝のように頬の外からかかる不適切な力、片方の歯だけで噛む癖があると、舌や唇の癖と同じように歯並びに影響を与えて、後戻りを引き起こす場合があるので気をつけましょう。
親知らず
親知らずは、10代後半から歯列の一番後ろに生える歯です。
生えるといっても、歯茎からは出てこずに骨の中で横向きに埋まっていたり、一部分だけ斜めに生えてきたりすることの多い歯です。
親知らずは、生えるときに歯列全体をドミノ式に前に押し出すことがあり、これによって歯並びや噛み合わせが乱れることがあります。
矯正後の人も例外ではなく、リテーナーで歯を抑える力よりも親知らずが歯列を押す力が強くなると、歯並びや噛み合わせが悪くなることがあります。
リテーナーをしているのに後戻りした場合の対処法
リテーナーをしているのに後戻りした場合は、以下の方法で対処することが多いです。
- リテーナーで後戻りを修正する
- リテーナーを作り直す
- 再治療を行う
どの方法で対処するのがベストかは歯科医師の診断が必要になるため、後戻りが気になった時点で早めに歯医者に相談するようにしましょう。
リテーナーで後戻りを修正する
リテーナーを装着してみて激しい痛みやズレがない場合は、歯科医師の指示通りにリテーナーを使用すると後戻りを修正できる場合があります。
ただし、この方法で後戻りを修正できるのはズレがごくわずかな場合のみです。
- リテーナーを装着したときのずれが大きい
- リテーナーがはまらない
- リテーナーをつけると痛い
このような場合は、無理矢理リテーナーをつけると歯の後戻りを修正できないどころか、歯や歯茎にダメージを与える可能性があるので危険です。
リテーナーを作り直す
歯の後戻りが進まないように、リテーナーを作り直して現状をキープする方法です。
歯の後戻りが再治療をするほどではない場合は、新しいリテーナーを歯科医師の指示通りに装着して後戻りを防ぎます。
再治療を行う
歯の後戻りが大きい、審美的にも気になるという場合は、再治療をすることになります。
再治療には別途費用がかかることがあるので、費用の確認をしておきましょう。
リテーナーをしているのに後戻りしないための予防策
「リテーナーをしているのに歯の後戻りが起こる」という現象を防ぐには、以下のようなことを心がけましょう。
- リテーナーの装着に関する指示を守る
- リテーナーの扱い方に注意する
- 歯並びを乱す癖を改善する
- 親知らずを抜歯する
リテーナーの装着に関する指示を守る
後戻りを防ぐには、リテーナーの装着に関する指示をきちんと守ることが大切です。
リテーナーの装着パターンとしては、
- はじめのうちは1日20時間以上装着。少しずつ装着時間を少なくしていき、最終的に就寝時のみにする
- 最初から就寝時のみ など
このように、さまざまなパターンがあります。
リテーナーの装着時間や装着期間は、口の状態や歯科医師の考え方によって異なります。
歯の後戻りを防ぐために、歯科医師の指示をしっかりと守るようにしましょう。
リテーナーの扱い方に注意する
リテーナーの扱い方によっては、変形や破損による歯の後戻りを引き起こす可能性があります。
リテーナーの着脱方法、洗浄方法、保管方法に関する指示はきちんと守り、雑に扱わないようにしましょう。
また、リテーナーの種類によっては定期的な調整が必要なものがあります。
調整が必要なリテーナーの場合は、歯科医師の指示通りに通院してチェックを受けるようにしましょう。
歯並びを乱す癖を改善する
- 舌を前に突き出す癖
- 舌のポジション
- 唇の圧
- 口呼吸
- 頬杖
- 片噛み
- うつ伏せ寝 など
このような癖は、歯並びに悪い影響を与えます。
特に舌や唇の癖は、矯正後の歯並びに大きく影響を与えることがあるので、矯正中から治すように意識しましょう。
親知らずを抜歯する
親知らずは矯正後の歯並びを乱す可能性があります。
矯正後のレントゲンを診て親知らずが骨の中に埋まっている、斜めに生えているような場合は、早々に抜歯を検討しましょう。
まとめ
歯並びは、リテーナーを使っていても以下のような原因で後戻りすることがあります。
- 装着に関する指示を守っていない
- リテーナーの破損・変形
- 口周りの癖
- 口周り以外の癖
- 親知らず
後戻りが起こってから原因を取り除いても、後戻りをする前の歯並びに戻すには基本的に再治療が必要です。
リテーナーを使っていても歯が後戻りする可能性があることを理解して、リテーナーの装着を確実に行い、歯並びを乱す可能性がある癖の改善、親知らず抜歯の検討などを合わせて行うといいでしょう。
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365dentist総監修 歯科医師/ゆきこ
長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務
監修 歯科医師/Naomi
臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター