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インプラントの治療期間はどのくらい?短かくする方法はあるの?
インプラント

インプラントの治療期間はどのくらい?短かくする方法はあるの?

インプラント治療は、他の歯に影響することなく失った歯を再現することができる良い治療です。しかしインプラント治療は健康保険が使用できないことに加えて、治療期間が失った歯を補う他の治療と比べると、長くなってしまうことがあります。

インプラントの基本的な構造

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一般的にインプラントというのは、インプラント体という顎の骨に埋め込むチタン製のネジと、アバットメントと呼ばれるインプラントと被せ物(上部構造)をつなぐ土台部分、上部構造で構成されています。インプラントは従来チタン製のものがほとんどでしたが、最近では骨とより結合しやすくするために他の材質のインプラントも出てきています。アバットメントメントや上部構造については、チタンやジルコニアと呼ばれる人工ダイヤモンドで作製されることが多いです。

インプラント治療の基本的な手順

歯を失ったところに、インプラントを埋め込む際に、まずは十分な骨の量がないといけません。歯周病をはじめとする様々な理由で骨がない場合は、人工的に骨を造成することを併用しながらインプラント体を埋め込みます。一次手術ともいわれます。

インプラントを埋め込んだ後は、インプラントと骨が結合(オステオインテグレーション)するまで、数ヶ月待つ必要があります。インプラントと骨がオステオインテグレーションしたら、上部構造の作製にかかります。まずインプラントにアバットメントを樹立させるために、インプラントが埋まっているところの歯肉を切り、インプラントの天井部を露出させてアバットメントメントを立てます。二次手術ともいわれます。その後上部構造の型取りをして、上部構造を装着します。

インプラントの一般的な治療期間

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インプラント治療で一番時間がかかるのは、先に述べた通り、インプラントと骨が結合する、オステオインテグレーションを得るための時間です。これを加味すると、インプラント治療の一般的な治療期間は、インプラントを埋め込むための十分な骨が存在すれば、下顎で3ヶ月前後、上顎は5ヶ月前後かかります。

下顎の方が骨の密度が大きいため、インプラントと骨がオステオインテグレーションする期間が基本的には短くなります。インプラントを埋め込む骨の量が少ない場合は骨を造成する手術が必要となり、造成した骨が定着する期間も必要になってしまうので、通常の期間に加えて数ヶ月から半年程度かかることもあります。

インプラントの治療にかかる時間

インプラントの治療にかかる時間は行う治療項目ごとに変わってきます。

インプラントを骨に埋め込む治療→1時間から2時間程度

インプラントを埋め込む部分に骨を作る治療→1時間から3時間程度

インプラントを骨に埋め込む治療と、骨を作る治療を併用する場合→2時間から4時間程度

インプラントにアバットメントを立てる治療→30分程度

アバットメントに上部構造を装着する治療→30分程度

インプラント治療は、外科処置になると時間がかかります。これは、外科処置は慎重に行わないと神経や血管を傷つけてしまうからです。アバットメントを立てたり、上部構造を装着する治療も、本数が多くなると時間が長くなることがあります。

インプラント治療期間を短くする方法

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インプラント治療において、オステオインテグレーションに要する期間が長いので、どうしても治療期間が長くなってしまいます。この期間を短くするために、インプラントの表面性状に様々な工夫をすることで、インプラントと骨が結合する期間が従来よりも短くなってきている傾向があります。

使用するメーカーや製品によって骨との結合期間が異なるため、インプラント治療を受ける前にこの結合期間が一体どの程度かかるのか、事前に歯科医院に確認することをお勧めします。また、インプラントと骨の結合を高めるための機器や材料もどんどん開発されています。これらのものは海外製のものや、厚労省が未承認のものも含まれるため、使用する場合、または使用することを提案された場合は、必ず安全性や有効性を歯科医院に確認しましょう。

さらにインプラントと骨がオステオインテグレーションしているか否か、客観的に測定できる機器も開発されています。これにより、短い期間でもオステオインテグレーションが確立されていれば、より早く上部構造の作製に取りかかることも可能です。

インプラント治療期間が長いことによる弊害

インプラント治療の治療期間が長くなることでの最大の問題点は、歯を抜いた後、傷が治るまでインプラントを骨に入れることができない、骨とインプラントがオステオインテグレーションする期間中に歯がそこに存在しないことだと考えられます。

奥歯であればまだ目立ちませんが、前歯であれば審美的な問題が出てきます。また、奥歯であっても十分に食べ物を咬むことができない咀嚼障害や、歯がない部分から息がもれて発語しづらくなる発音障害が起こることもあります。この問題点を解決するものが、抜歯即時埋入インプラントや、即時荷重インプラントです。

抜歯即時埋入インプラント

歯を抜くと同時にインプラントを埋め込む治療方法です。歯を抜いて後、抜いた場所の傷が治るまでインプラントを埋め込めないという従来の考え方を一新するものですが、すべてのケースに適応されるものではありません。抜く歯の感染が大きい場合や、インプラントを埋め込む場所の骨が十分に存在しない場合は適応外となります。

即時荷重インプラント

インプラントを骨に埋め込んだ後、すぐにインプラントに上部構造を装着(仮歯の場合もあり)する方法です。従来インプラント治療は、骨とインプラントがオステオインテグレーションするまで数ヶ月かかり、早期に上部構造を装着することはタブーとされていましたが、インプラント自体の改良により、選択するインプラントやインプラントを埋め込む状況により、適応されます。

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インプラント治療は、治療期間が一般的には数ヶ月単位になり、骨を人工的に増設する場合は、さらに治療期間がかかることもあります。インプラント自体の質の向上や、技術の革新が進み、治療期間が短くなる傾向にはあるので、インプラント治療を受ける場合は、歯科医院でよく説明を受けるようにしましょう。

image執筆  歯科医師/issy

国立歯学部卒業後、東京医科歯科大学歯学部附属病院で研修、現在勤務医として一般歯科、矯正歯科に携わっている。

日本口腔インプラント学会所属