ガムの効果は?美容効果もあるって本当?
先生、ガムを食べると歯にいいって聞いたんですけど、どういうことですか?
ガムを食べることは、よく噛むことに繋がります。
実は「噛む」ということは、お口にいい効果をもたらしてくれるんですよ。
今回は、ガムの効果についてお話しします!
ガムの効果・効能
ガムを噛むことで、以下の効果が期待できます。
- 虫歯予防効果
- 美容効果
- 脳の発育促進と認知症予防
- 消化を助ける
- がん予防
ガムの効果・効能①:虫歯予防効果
ガムで虫歯予防効果が期待できる理由は2つです。
- 唾液分泌が促進される
- ガムに虫歯予防成分が含まれていれば、虫歯予防効果が期待できる
唾液分泌が促進される
唾液には虫歯予防に対して以下のような役割があります。
- 歯の汚れを洗い流す「自浄作用」
- 酸性に傾いた口内を中性に戻す「緩衝作用」
自浄作用により、虫歯の原因となる食べかすや歯の汚れを洗い流します。
また、緩衝作用により口の中で虫歯菌が歯を溶かすために作った酸を中和して、歯が溶けないようにします。
ただし、歯についている汚れが多いと唾液の自浄作用や緩衝作用が負けて虫歯になってしまうので、食後の歯磨きは必須です。
ガムに虫歯予防成分が含まれていれば、虫歯予防効果が期待できる
特定保険食品に認定されているガムの中には、虫歯予防効果のある成分が含まれるものがあります。
虫歯予防効果が期待できるガムの成分は、3つです。
- キシリトール
- リカルデント
- POs-Ca(ポスカ)
これらの成分は、虫歯予防効果がある成分です。
ガムを噛むことによる唾液分泌量の増加にプラスして、歯質強化や虫歯菌の活動抑制などの作用により、虫歯予防効果のアップが期待できます。
キシリトール
白樺をもとに作られる成分で、自然界でもイチゴなどの食べ物に含まれています。
砂糖とは違い、虫歯にならない甘味料として有名です。
- 歯を溶かす酸を作らせない
- ミュータンス菌の活動を抑える
- 唾液の分泌を促進する
- 歯の再石灰化を促進
以上の4つの効果で虫歯を予防できると世界の研究で認められています。
虫歯菌を弱らせつつ、歯を溶かす要因を排除、おまけに歯質強化もしてくれるなんて、とても万能ですね!
リカルデント
牛乳をもとに作られる成分です。
キシリトールのような甘味料ではなく、リカルデントに含まれるリン酸カルシウムで、溶け出した歯の成分をもとに戻す「再石灰化」を促進します。
虫歯菌の活動抑制効果はありませんが、歯の再石灰化の能力はキシリトールよりも強いのが特徴です。
※牛乳由来のため、乳製品にアレルギーがある方は使用できません。
POs-Ca(ポスカ)
ポスカは、馬鈴薯でんぷん由来のリン酸オリゴ糖カルシウムです。
リン酸オリゴ糖カルシウムは唾液に溶けこんで、唾液の緩衝作用を強化します。
また、再石灰化を促すだけでなく、歯の結晶成分と同じ形で再石灰化することで歯質強化を図り、虫歯を予防します。
ガムの効果・効能②:美容効果
ガムを噛むことで、以下のような美容効果も期待できます。
- 顎の発育を促す
- 姿勢が安定しやすくなる
- カロリーコントロールを助ける
顎の発育を促す
ガムを噛むと口周りの筋肉をよく使うことになります。
そのため、成長期にあるお子さまの顎の発育を助けます。
顎の発育が促されて噛み合わせや顎のバランスが良くなると、顔立ちにも良い影響を与えることがあります。
姿勢が安定しやすくなる
人間は日々、地球の重力により下方向に引っ張られており、それに抗って立ち、姿勢を保つための「抗重力筋」というものがあります。
口周りでは食べ物を噛むときの「咀嚼筋」が抗重力筋のひとつに含まれており、咀嚼筋が動くことが姿勢を良くすることに関係していると考えられています。
ガムを噛むことで咀嚼筋が使われるため、噛む効果により姿勢が安定しやすくなる可能性があります。
カロリーコントロールを助ける
ガムを噛むと満腹中枢が刺激されるため、食前にガムを噛むことで食欲を抑えて、カロリーコントロールを助けることができます。
ガムの効果・効能③:脳の発育促進と認知症予防
噛む刺激は、脳を刺激して血流を良くします。
脳が活性化されると、お子さまの脳の発育を促したり、認知症を予防したりする効果が期待できます。
ガムの効果・効能④:消化を助ける
ガムを噛む刺激で胃腸の動きが活発になるので、消化が良くなります。
ガムの効果・効能⑤:がん予防
唾液に含まれる酵素「ペルオキシダーゼ」には、食品の発がん性を抑える作用があります。
ガムの効果を得るには?1日何個まで?
ガムの効果を得るには、1日3回・1回2粒が目安です。
タイミングとしては、食後できるだけ早めがベストです。
1回20分ほど噛むと唾液が十分に出て、食後に酸性に傾いた口内を素早く中性に戻してくれます。
ただし、ガムを噛めば歯磨きをしなくて良いわけではありません。
虫歯の根本的な原因となる歯の汚れは、ガムを噛んでも落とせないため必ず歯磨きは行いましょう。
また、ガムの噛みすぎはトラブルのもとになることがあるため、注意が必要です。
ガムの噛みすぎは逆効果なので注意!
ガムを噛みすぎると、顎の関節や歯、口周りの筋肉に負荷がかかり、以下のようなトラブルを引き起こすことがあります。
- 顎関節症
- 歯のすり減り
- 筋肉の緊張による頭痛
- 筋肉の発達によるエラ張り
歯のすり減りは知覚過敏の原因にもなります。
また、ガムを片側だけで噛む癖があると、片方の筋肉や顎の骨だけが発達して、左右非対称なフェイスラインになる恐れもあります。
過剰にガムを強い力で何回も噛むことで起こるので、食べすぎないようにだけ気をつけましょう。
ガムを噛むといい効果がたくさん得られる
ガムは「噛む」ことと、ガムに含まれる「成分」によって、虫歯予防効果や美容効果が期待できます。
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365dentist総監修 歯科医師/勝屋友紀子
長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務
監修 歯科医師/Naomi
臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター