【歯科医師解説】キシリトールは本当に歯に良いの?

IMG 2017 予防歯科
患者さん
患者さん

「キシリトール」ってよく聞きますけど、本当に歯に良いんでしょうか?

歯科医師
歯科医師

はい!キシリトールは虫歯予防に効果的な歯に良い成分です。キシリトールの安全性と虫歯予防効果は、世界の研究で証明されています。

今回は、虫歯予防に効果的なキシリトールについて解説します。

キシリトールとは

キシリトール

キシリトールは、白樺や樫の木、トウモロコシの芯などから採れる天然の甘味料です。

  • 砂糖と同じ甘さなのに虫歯の素にならない
  • 自然界では果物や植物などに含まれる
  • 身体の代謝により、人の肝臓でも1日15gほど生成される
  • 摂取後の血糖値の上昇が緩やか
  • カロリーは砂糖の60%くらい

といった特徴があります。

日本では1997年4月に食品添加物として認定され、身体に安全かつ虫歯予防効果がある糖類として、タブレットやガムに使用されるようになりました。

医療現場では、輸液に含む糖にキシリトールが使用されており、身体への安全性が証明されています。

虫歯予防効果に関しては世界保健機関(WHO)や 国連食糧農業機関(FAO)が認めており、日本でもさまざまな機関で、キシリトールがどのようなメカニズムで虫歯予防効果を発揮するのかが研究され、明らかにされています。

歯科医師s
歯科医師s

ちなみに、キシリトールには冷却作用があるので、肌に触れるとひんやりする寝具や化粧品などに活用されることもあります。

患者さん
患者さん

万能!食べるだけじゃないんですね!

キシリトールの虫歯予防効果

キシリトールでピカピカの歯

キシリトールは、以下の4つの効果で虫歯を予防します。

  • 歯を溶かす酸を作らせない
  • ミュータンス菌の活動を抑える
  • 唾液の分泌を促進する
  • 歯の再石灰化を促進

歯を溶かす酸を作らせない

虫歯の原因となる「ミュータンス菌」は、食べ物などで口に入ってきた糖類をエサにして生きています。

糖類にはいくつか種類があり、ミュータンス菌は糖を分解したあとの副産物として、歯を溶かす酸を作ります。酸で歯が溶ける現象が「虫歯」です。実は、糖の種類によってミュータンス菌が作り出す酸の量は違います。

ミュータンス菌が糖から酸を作り出す量を「酸産生能」といいます。砂糖や水飴のような酸産生能が高い糖は、ミュータンス菌に取り込まれると歯を溶かす酸をたくさん作るため、摂取による虫歯リスクが高いということになります。

キシリトールは糖の中では珍しく、酸産生能がありません。そのため、ミュータンス菌のエサになっても酸を作らず、虫歯になりません。

また、ミュータンス菌は食事だけでなく、歯に残った歯垢の中にある糖からも酸を作り出します。キシリトールは歯垢の中にある糖を分解する酵素の働きを抑えてアルカリ性のアンモニアの濃度を上げることで、歯垢の中からも酸を作らせず、できてしまった酸までも中和して、虫歯の素を徹底的に排除します。

ミュータンス菌の活動を抑える

キシリトールには酸産生能がないため、ミュータンス菌がキシリトールを取り込んでもエネルギーとならず、逆にキシリトール代謝のためのエネルギーを消費することになります。

そのため、ミュータンス菌はキシリトールを取り込むほど、活動エネルギーを失って増殖できなくなります。

ミュータンス菌が増殖すると、酸を作り出す活動が活発になって虫歯リスクが高くなるため、キシリトールでミュータンス菌の増殖を抑えることは虫歯予防に効果的です。

唾液の分泌を促進する

唾液には歯についた汚れを洗い流す作用や、食後に酸性に傾いた口内を中和する作用があります。

酸は歯を溶かして虫歯を作る原因です。キシリトールの甘みは唾液腺を刺激して分泌を促し、唾液の力で酸を中和することで虫歯を予防します。

歯の再石灰化を促進

キシリトールは唾液などに含まれるカルシウムと結合して、歯の再石灰化を促します。ミュータンス菌が作る酸は少しずつ歯を溶かし、それが積み重なって虫歯の穴となります。歯の再石灰化が起こると溶けた歯の成分が戻るので、虫歯で歯に穴が開くのを予防できます。

患者さん
患者さん

キシリトール、ミュータンス菌に容赦がないですね…

虫歯予防に効果的なキシリトールの取り入れ方

キシリトール 使い方

キシリトールで虫歯予防を効果的に行うには、以下のポイントを守りましょう。

  • 1日3回、50%以上キシリトールが配合されたタブレットやガムを食べる
  • 3ヶ月以上続ける
  • キシリトールと一緒に含まれる糖をチェックする

1日3回、50%以上キシリトールが配合されたタブレットやガムを食べる

キシリトールで虫歯予防効果を得るためには、1日3回、毎食後に50%以上の濃度でキシリトールが配合されたガムやタブレットを食べるようにすると良いでしょう。1回に摂取する量は5〜10gくらいが目安です。

食事をするとさっそく、口内のミュータンス菌は食べ物に含まれる糖をエサにして、酸を作ります。食後にキシリトールを摂取すると、酸の量を減らしながら中和できるので、歯が溶けるのを防止できます。

ガムやタブレットタイプは、比較的長い時間キシリトールを口内に留めておけるのでおすすめです。

また、キシリトールはできるだけ高濃度のものが望ましいです。市販のキシリトール製品の配合量は30〜70%、歯科医院専売のキシリトール製品は90〜100%の濃度があります。

歯科医師
歯科医師

同じメーカーから同じ名前で販売されているキシリトールタブレットやガムでも、市販と歯科医院専売で濃度が違うものもあるので、チェックしましょう。

3ヶ月以上続ける

キシリトールを1回摂取しただけでは、虫歯予防効果が長持ちしません。キシリトールの摂取は3ヶ月以上、継続しましょう。

虫歯の原因となるミュータンス菌は、酸の生産が多いものと少ないものに分けられます。口内のミュータンス菌のそれぞれの割合は、酸の生産が多いミュータンス菌が90%、酸の生産が少ないミュータンス菌が10%くらいです。

虫歯予防には、ミュータンス菌の総量を減らしつつ、酸の生産が少ないミュータンス菌の割合を増やすのが効果的です。効果が出るまでには3ヶ月くらい時間がかかります。

キシリトールと一緒に含まれる糖をチェックする

100%キシリトールではないガムやタブレットを摂取するときにチェックしたいのが、一緒に含まれる糖類の有無です。

酸産生能のないキシリトールを摂取しても、ともに含まれる糖類の酸産生能が高ければ、意味がなくなってしまうからです。

パッケージをみて「シュガーレス」表記のあるものや成分表に「糖類0g」と書いてあるものを選びましょう。

キシリトール摂取の注意点

キシリトール

キシリトールは安全で虫歯予防に効果的な成分ですが、摂取する際に気をつける点が2つあります。

  • 歯磨きは必須
  • 稀にお腹がゆるくなることがある

歯磨きは必須

キシリトールには高い虫歯予防効果がありますが、虫歯の素となる歯垢を落とせるものではありません。

歯垢がたくさんあれば、酸が作られる量は増えます。酸の量に対してキシリトールの力が上回っているうちは虫歯になりにくいですが、バランスが崩れて酸の力が強くなると、あっという間に虫歯になってしまいます。

歯垢は歯に貼り付いているので、歯ブラシで擦らないと落とせません。キシリトールを摂取していても、歯ブラシは必ず行いましょう。

お腹がゆるくなることがある

キシリトールには、大腸の水分量を増やす作用があります。摂取したときにお腹がゆるくなることがあるため、このような兆候があるときは摂取量を少なくしましょう。

キシリトールを使って美味しく虫歯を予防しよう

きれいな歯の人

キシリトールは身体に安全で虫歯予防に効果的な成分です。摂取後の血糖値の上昇もゆるやかで、カロリーも砂糖の60%程度と低いため、糖尿病がある方でも安心して取り入れることができます。

365dentistでは、お口のお役立ち情報を発信しています!

LINEを活用した歯科医院選びのお手伝いや歯科についてさまざまな方とお話できるオープンチャットもありますので、良ければ遊びに来てくださいね!

関連記事:歯磨き粉に含まれてるフッ素の効果とは?危険って本当?

関連記事:矯正と虫歯の関係

n10g4rn9 l03ypdEdkwpnkGLSbrpzM1zEliFJxqwjryrSAB25AeORlOrnS5iKK nUYXrnh9jZas1Ze40WJvxRSr4iXtJ365dentist総監修 歯科医師/勝屋友紀子 

長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務

UyRZkXPjQvAn5BK9ai6vfhAEgYGCePrS3Id158EZKuev 2TIlSXaZPkxY9dJ 3vCTCm7hqIEw6AzmlpdiuMD8H 9aD01UftplKrgMtn7dmYe監修 歯科医師/Naomi

臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター

コメント

You cannot copy content of this page