嘔吐反射とは?原因と対策がわかれば歯医者も安心!
先生…私、口の中を触られると「オエッ」となるんです。
怖くて歯医者に行けないんですが、なんとかなりませんか?
確かに、嘔吐反射が起きやすいと歯医者に行きにくいですよね。
嘔吐反射が起こりやすい人は、歯医者になかなか行けずに虫歯や歯周病が悪化することも少なくありません。
少しでも楽になれるように、嘔吐反射の原因を踏まえて対策をお話しします!
嘔吐反射とは
嘔吐反射とは、口の中に他人の指や器具が入ったときに反射的に吐きたくなる、もしくは実際に吐いてしまう反応のことです。
日常でも、うがいや歯磨きの最中に「オエッ」となることがあり、これも嘔吐反射によるものです。
嘔吐反射は、起きやすい人と起きにくい人がいます。
以下のようなことに心当たりがある人は、嘔吐反射が起きやすい可能性があります。
- 歯磨きやうがいをするときにオエッとなりやすい
- ネクタイやタートルネックなど、首に巻くものや首を覆うものが苦手
- Yシャツの一番上のボタンを閉めると息苦しい
- 逆流性食道炎と診断を受けた
嘔吐反射の原因
嘔吐反射の原因は、以下の2つに分けられます。
- 生理的な原因
- 心理的な原因
生理的な原因
嘔吐反射は、異物が喉の近くに触れたときに飲み込まないようにするために、人間が元から持っている反応です。
これは、誰にでも起こり得る「生理的な嘔吐反射」です。
生理的な嘔吐反射がどの程度の刺激で起こるのかは個人差があり、その日の体調に左右されることもあります。
歯医者で生理的な嘔吐反射が起こりやすいのは、お口の型取りをするときです。
喉の奥に型取り用の粘土が流れ込むことで、嘔吐反射が起こりにくい人でも、反射的に「オエッ」となることがあります。
心理的な原因
心理的な原因で起こる嘔吐反射は、極度の恐怖心や不安、緊張から起こるものが多いです。
- 過去に受けた歯科治療で恐怖心から吐き気がしたことがある。
- 歯科治療を受けると思うと緊張してしまい、口に触られると吐きそうになる。
- 歯科治療中に、ふいに嘔吐反射が起きて吐いてしまったことがある。
- 歯科治療中に嘔吐反射が起きて、歯科医師やスタッフに嫌な顔をされたことがある。
このような過去の歯科治療の経験から起こる嘔吐反射は「心理的な嘔吐反射」です。
基本的に「歯医者が怖い」という気持ちから起こることが多く、悪化すると、吐き気以外にも以下のような症状が出ることがあります。(歯科恐怖症・歯医者恐怖症)
- 歯医者に行こうとすると身体が固まって動けなくなる
- 歯科治療を受けると思うと異常に汗をかく
- 歯医者の椅子に座れない など
嘔吐反射への対策方法
嘔吐反射を軽減するには、以下の方法で対策するのがおすすめです。
- 歯医者に嘔吐反射が起きやすいことを伝える
- できるだけリラックスして鼻呼吸を意識する
- 嘔吐反射が起きたら我慢しない
- 嘔吐反射がある人に向けた設備が整っている歯医者を選ぶ
歯医者に嘔吐反射が起きやすいことを伝える
過去の歯科治療で嘔吐反射を起こした経験のある方は、施術の前にその旨を伝えておくのがおすすめです。
嘔吐反射は、治療用の椅子を倒して上向きになった体勢のときに起こりやすい傾向があります。
事前に嘔吐反射が起こりやすいと伝えておけば、少し椅子を起こした状態で治療してくれたり、口の中に指や器具を入れるときに注意してくれたりします。
できるだけリラックスして鼻呼吸を意識する
難しい場合もありますが、歯医者で治療を受けるときは、できるだけリラックスして鼻呼吸を意識するようにしましょう。
強い恐怖心や不安感があると、身体がこわばって嘔吐反射が起こりやすくなります。
ゆったりした音楽の流れる歯医者や、信頼のおける歯科医師の下で治療してもらうと、リラックスしやすいでしょう。
また、口で呼吸すると喉が開きやすく、不意に器具から出る水や唾が喉にいきなり流れ込むため、嘔吐反射が起こりやすいです。
鼻でゆっくり呼吸すると喉が閉じやすいので、嘔吐反射が起こりにくいです。
また、口呼吸よりも鼻呼吸の方が気持ちや身体をリラックスさせる副交感神経が働きやすくなるので、緊張感や恐怖心も和らぎます。
嘔吐反射が起きたら我慢しない
嘔吐反射が起きたら、我慢せず歯科医師やスタッフに知らせましょう。
治療中は声を出しにくく、喋ろうとすると喉が開いて余計に吐き気が強くなるので、手を挙げて知らせます。
嘔吐反射があると歯科医師が知っていれば、事情を察してくれるはずです。
嘔吐反射がある人に向けた設備が整っている歯医者を選ぶ
歯医者の中には、嘔吐反射が起こりやすい人や歯科恐怖症の人を専門に治療する歯医者があります。
- 嘔吐反射の起こりにくい大勢で治療してもらえる
- コンパクトな器具で治療してもらえる
- 上顎の麻酔による嘔吐反射の軽減
- 笑気ガス、静脈鎮静麻酔、全身麻酔を活用した無意識下での治療 など
嘔吐反射がある人でもスムーズに治療が受けられるノウハウを多く持っています。
嘔吐反射や歯科恐怖症を専門とする歯医者以外で笑気ガス、静脈鎮静麻酔、全身麻酔を扱う歯医者は限られているので、専門の歯医者の方が安心です。
嘔吐反射が起きにくくなるトレーニング
嘔吐反射は、体内に入る異物を感知するセンサーに敏感に反応する人ほど起こりやすいです。
つまり、嘔吐反射を引き起こす刺激に慣れるトレーニングをすることで、軽減できる可能性があるのです。
嘔吐反射が起きにくくなるトレーニングをご紹介します。
- 歯ブラシで手前から奥に向かって舌を優しく撫でて、嘔吐反射がどこで起きるか確認する。
- 舌を撫でたときに嘔吐反射が出たところを再び擦り、嘔吐反射が出そうになったら10秒ほど我慢する。
- 嘔吐反射がおこりにくくなったら、歯ブラシで舌を擦る範囲を広げていきます。
- 1〜3を毎日少しづつ繰り返し、嘔吐反射を引き起こす刺激に慣れるようトレーニングします。
嘔吐反射で歯医者に行けない人は対策してみよう
嘔吐反射は、生理的反応や心理的な原因によって、口の中に器具や術者の指が入ることで起こります。
歯医者に行くときは、嘔吐反射が起こりやすいことを伝え、鼻呼吸を心がけてリラックスしましょう。
難しい場合は、嘔吐反射や歯科恐怖症専門の歯医者を探してみるのもおすすめです。
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365dentist総監修 歯科医師/勝屋友紀子
長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務
監修 歯科医師/Naomi
臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター