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奥歯抜けたままでも大丈夫?抜けた場合の対処方法
お口の悩み

奥歯抜けたままでも大丈夫?抜けた場合の対処方法

患者さん
患者さん

先生、奥歯が抜けてしまって歯医者から治療をすすめられています。
でも、痛みもないし、特に困っていることはありません。
治すのにもお金がかかるし、通院も面倒なので、奥歯が抜けたままでも大丈夫ですよね?

歯科医師
歯科医師

ちょっと待ってください!
痛みもなくて困っていないからといって、奥歯がない状態を放置するのは危険です!
今回は、奥歯抜けたままではいけない理由、奥歯が抜けた場合の対処方法についてお話しします。

大丈夫じゃない!奥歯が抜けたままではいけない6つの理由

奥歯 抜けたまま 大丈夫

奥歯がなくなると、以下のような悪い影響を与えることがあります。

  • 噛み合わせが悪くなる
  • 歯並びが悪くなる
  • 抜けた奥歯のところの歯茎が痩せる
  • ほかの歯の寿命まで短くなる可能性がある
  • 相手に与える印象が悪くなることがある
  • 顔のたるみや頬コケに繋がる

「痛くないし、日常生活で困ることもないから大丈夫」という人も、今は影響が出ていないだけで、少しずつ口や身体に悪い影響を与える可能性があります。

具体的にどのようなことが起こるのか、確認してみましょう。

奥歯が抜けたままではいけない理由①|噛み合わせが悪くなる

奥歯がなくなると、歯列全体の噛み合わせが悪くなります。

歯は空いているスペースに寄っていく性質があります。

抜けた奥歯を放置した場合は、

  • 抜けた奥歯の隣の歯が空いているスペースに倒れ込んで傾く
  • 抜けた奥歯と噛み合っていた歯(対合歯)が伸びてくる

このような感じで、奥歯が抜けて空いたスペースを埋めるように、残っている歯が動くのです。

歯が傾いたり、歯が伸びてきて噛み合わせの高さが狂ったりすると、歯列全体の噛み合わせは悪くなります。

悪い噛み合わせは、

  • 咀嚼機能の低下による消化不良
  • アンバランスな噛み合わせによる頭痛や肩こりの発生
  • 噛む刺激が少なくなることによる脳機能の低下 など

このような全身の不調に繋がります。

また、奥歯が抜けたあとのスペースを放置して噛み合わせが悪くなると、抜けた奥歯の補填をする治療が難しくなることもあります。

悪くなった噛み合わせを治す場合は矯正治療が必要になるなど、治療にかかる費用も労力も多くなるので、奥歯がない状態を放置するのは止めましょう。

奥歯が抜けたままではいけない理由②|歯並びが悪くなる

奥歯がない状態を放置すると、噛み合わせが悪くなるのと同じ理由で歯並びも悪くなる可能性があります。

奥歯が傾いた影響で前歯も傾いて出っ歯になるなど、見た目にも影響する場合があるので注意が必要です。

乱れてしまった歯並びは、奥歯の治療をしても元に戻りません。噛み合わせと同じく、治すには矯正治療が必要です。

奥歯が抜けたままではいけない理由③|抜けた奥歯のところの歯茎や骨が痩せる

奥歯が抜けると、奥歯を支える役目を失った歯茎や骨は痩せて細くなります。

歯茎や骨が痩せると、

  • インプラントで奥歯の補填をしようとしても骨の厚みや高さが足りなくて適応できない
  • インプラントをする前に骨を増やす処置が必要になる

など、治療の選択肢が減ってしまったり、追加の処置が必要になったりします。

奥歯が抜けたままではいけない理由④|ほかの歯の寿命まで短くなる可能性がある

歯は、1本1本の歯が噛んだときの力を分散して負担を分け合うようにできています。

そのため、奥歯が1本なくなっただけでも残っている歯が受ける負担は大きくなってしまいます。

歯にかかる負担が増えると、歯がすり減ったり、歯の神経に炎症が起きたりしやすくなるため、歯の寿命は短くなります。

奥歯1本がない状態を放置したために、連鎖的にほかの歯がダメになっていくケースも多いです。

ほかの歯を守るためにも、奥歯がないまま放置するのは止めましょう。

奥歯が抜けたままではいけない理由⑤|相手に与える印象が悪くなることがある

奥歯が抜けたままの状態を放置すると、相手に与える印象が悪くなることがあります。

「奥歯は見えないだろう」と思っていても、笑って大きく口が開いたときに見える可能性はあります。

海外では口の健康に関する意識が高く、虫歯、歯周病、口臭に罹ってないことが前提で、矯正やホワイトニングでプラスアルファのケアをするのが当たり前です。

歯がない人は虫歯や歯周病をケアできない人とみなされて「歯磨きや歯のケアをする時間もお金もない貧しい人」というネガティブなイメージを持たれることも少なくありません。

噛み合わせや歯並びのように健康と見た目に悪い影響を与えるだけではなく、相手に与える印象まで左右する可能性があるため、奥歯が抜けたままの状態でいることにメリットはないと言えるでしょう。

奥歯が抜けたままではいけない理由⑥|顔のたるみや頬コケに繋がる

奥歯が抜けたまま放置すると、噛み合わせや歯並びが悪くなった影響で顔がたるんだり頬がこけたと感じたりすることがあります。

頬のたるみや頬コケが起こる理由は、内側から頬を押し出していた奥歯がなくなって、頬が凹むことがあるからです。

元のお顔の脂肪量、皮膚の厚み、ハリによっては気にならないこともありますが、奥歯が抜けたあとに起こりうるリスクのひとつです。

奥歯が抜けたときの対処方法

奥歯 抜けたまま 大丈夫

奥歯がなくなった場合は、以下の方法で失った歯を補填するのが一般的です。

  • インプラント
  • ブリッジ
  • 入れ歯

失った奥歯を補填することで噛み合わせや歯並びの乱れを抑え、連鎖的に起こるほかの歯や見た目に起こりうるトラブルを防ぎます。

これらの治療は、奥歯がなくなったときにできるだけ早めに受けるのがベストです。

しかし「奥歯がなくなったのが何年も前だから今さら遅い」ということはありません。

奥歯がなくなってすぐの人よりは治療に時間と労力がかかる可能性が高いですが、治療をしなければ結果は悪い方に動くばかりです。

奥歯がない人は、まずは歯医者に行きましょう。

まとめ

奥歯 抜けたまま 大丈夫

奥歯がなくなると、以下のような悪い影響を与えることがあります。

噛み合わせが悪くなる
歯並びが悪くなる
歯茎が痩せて下がる
ほかの歯の寿命まで短くなる可能性がある
相手に与える印象が悪くなることがある
顔のたるみや頬コケに繋がる

「今は何も起きていないから大丈夫」と思っていても、奥歯がない状態を放置すると事態は悪化する一方です。

この記事を読んで、少しでも「マズいかな?」と思ったらまずは歯医者に行きましょう。

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長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務

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臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター