後悔しないために知っておきたい舌側矯正(裏側矯正)の流れ!メリット・デメリット
「矯正はしたいけれど、周りにバレたくない…」
そんな思いを持つ方に注目されているのが、歯の裏側に装置を装着する舌側矯正(裏側矯正)です。
見た目が気になりにくいだけでなく、実は舌側矯正ならではの特徴がたくさんあります。一方で、技術料や調整の難しさなどが原因となり、費用やケア面でのデメリットも存在します。
この記事では、舌側矯正(裏側矯正)のメリットやデメリット、費用相場、治療の流れ、医院選びのポイントなどを詳しく解説します。ご自身のライフスタイルやご要望に合った矯正方法を見つけるため、ぜひ参考にしてください。
舌側矯正(裏側矯正)とは
舌側矯正とは歯の裏側に矯正器具を付けて、歯を動かしていく矯正治療法です。
裏側矯正、リンガル矯正ともいわれています。
この治療法の最大の特徴は、笑った時に矯正装置が見えないことです。
そのため、「矯正治療をしたいけれど見た目が気になる」という方に人気の治療方法です。
舌側矯正(裏側矯正)のメリット
矯正装置が見えにくい
表側に装置をつける一般的なワイヤー矯正と異なり、舌側矯正は装置が歯の裏側にあるため、笑ったときに矯正器具がほとんど見えません。
虫歯になりにくい傾向
歯の裏側は唾液が多く行き渡り、唾液の殺菌作用や静菌作用により虫歯菌の繁殖が抑えられやすいとされています。ただし、裏側は歯ブラシが届きづらいため、きちんとしたブラッシング指導が必須です。
舌癖を防ぎ、後戻りを予防
歯が前に出ている「上顎前突」や、上下の前歯が開いている「開咬」の方の場合、常に舌で前歯を押していたり、上下の歯と歯の隙間に舌を入れてしまったりという舌の癖が原因で歯並びがずれている場合が多いです。
舌の定位置は、口を閉じて上の前歯の付け根の少し後ろ、膨らんでいるところがスポットと呼ばれる舌の正常な置き場所です。リラックスした状態で舌が歯の裏を触っている、舌が歯と歯の間にあるなどスポット以外の場所にある場合、舌が歯を押して力をかけてしまっている可能性があります。
矯正治療を行いきれいな歯並びになったとしても、この舌癖を治さなければ再び舌が歯に力をかけてしまい、後戻りしてしまう可能性が高くなります。
舌側矯正(裏側矯正)では裏側に矯正装置が付いているので、舌で歯を押すことの防止となり、さらにスポットに舌を置くことを習慣づける訓練にもなります。
スポーツ時のリスク軽減
表側矯正だと、激しいスポーツで口の内側を傷つける場合があります。裏側矯正なら、装置が裏側にあるため衝突などで唇や頬を傷つけにくいのもメリットです。
食事中の見た目が気になりにくい
食事中に装置に食べ物が絡まっても、裏側にあるので周囲から見えにくく、会話や食事を楽しみやすいという利点があります。
舌側矯正(裏側矯正)の治療の流れ
1.相談・検査
歯科医師に相談。矯正治療を行うために必要な検査を行います。
2.診断
検査結果をもとに歯科医師が分析を行い診断します。
3.抜歯が必要な場合は抜歯
診断結果によって必要である場合は抜歯します。
4.オーダーメイドの舌側矯正装置製作のための型取り
舌側矯正の装置は複雑であるため、精密な型取りを行って模型をもとに舌側矯正装置を作製します。
5.矯正装置完成・装着
片顎から装着か、両顎一気に装着するかは歯科医院によって異なります。
6.月1回調整
通院して動きの確認や調整を行います。
通院頻度は診断結果により個人差があります。
7.治療終了・装置外す
矯正装置を外して保定装置装着します。
8.保定期間
通院頻度は1か月~数年おきへと徐々に間隔をあけていきます。
舌側矯正(裏側矯正)のデメリット
費用が高い
歯の裏側は個人差が大きく複雑な形状のため、オーダーメイドの装置が必要です。製作・装着ともに高度な技術を要するため、どうしても表側矯正より費用が高くなりがちです。
違和感や発音しづらさに慣れるまで時間がかかる
舌側に装置が当たりやすいため、サ行・タ行・ラ行などの発音がしにくくなることがあります。1〜2か月ほどで慣れるケースが多いですが、積極的に発音練習をするとスムーズです。
歯磨きが難しい
見えにくい部分に装置があるため、歯ブラシやデンタルフロスを使いこなすコツを習得する必要があります。特に磨き残しがあると虫歯・歯肉炎のリスクが上がるため、ケアは念入りに行いましょう。
装置が干渉して噛みにくいことがある
上下の装置が当たってしまい、噛みにくさを感じる場合があります。歯科医師による噛み合わせ調整で解決することが多いため、気になる場合は早めに相談してください。
対応可能な医院が限られる
高い技術力と経験が必要なため、舌側矯正を行う歯科医院は決して多くありません。医院選びの際には、必ず裏側矯正の実績や症例を確認しておきましょう。
舌側矯正(裏側矯正) vs 他の矯正方法の比較
比較項目 | 舌側矯正(裏側矯正) | 表側矯正 | マウスピース矯正 |
---|---|---|---|
見た目 | ◎(ほぼ目立たない) | △(ワイヤー・ブラケットが見える) | ○(透明素材で比較的目立ちにくい) |
費用 | 高め(80〜150万円程度) | 中程度(60〜100万円程度) | 症例によって幅広い(50〜100万円程度) |
装置の快適度 | 舌に当たりやすく、発音に慣れが必要 | 裏側よりは快適だが見た目が気になる | 取り外し可能だが自己管理が必要 |
治療期間の目安 | 1年半〜3年程度 | 1年半〜3年程度 | 1〜4年程度 |
対応可能な医院 | 少ない | 多い | 比較的多い |
- 表側矯正との違い
最大の違いは“見た目”ですが、費用面でも差が出やすいです。表側矯正は比較的リーズナブルになりやすい反面、ワイヤーやブラケットが目立ちやすいというデメリットがあります。 - マウスピース矯正との違い
マウスピース矯正は取り外し可能でメンテナンスしやすい一方、症例によっては適用できない場合があり、自己管理が必要になる点が難点です。舌側矯正は適用範囲が広い一方、費用面や発音での違和感などは考慮が必要です。
裏側矯正で後悔しないために気を付けること
裏側矯正が得意な歯科医院を選ぶ
舌側矯正は技術的難易度が高く、対応可能な医院・医師は限られます。実績の豊富な医院を選ぶために、HPや裏側矯正の症例数や治療例を確認するのがおすすめです。また、カウンセリング時に裏側矯正について詳しく質問をしてみるのも良いでしょう。
「なぜ裏側矯正を選びたいのか」を明確にする
費用や治療期間よりも「装置が目立たないこと」を優先したいのか、それとも「費用を抑えたいのか」など、自分が何を最重視するかを整理しておくとスムーズです。場合によってはマウスピース矯正や表側矯正の方が向いていることもあるため、歯科医師とよく相談しましょう。
ブラッシング指導をしっかり受ける
裏側矯正は装置へのアクセスが難しく、磨き残しが発生しがち。クリニックで丁寧なブラッシング指導を受け、ワンタフトブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどを適切に使いこなしましょう。虫歯が増えてしまっては、せっかくの矯正治療も台無しになりかねません。
(4) 発音練習を行う
初期のうちはサ行、タ行、ラ行などの音が上手く発音できない場合があります。意識的に発音練習を行うことで、早く装置に慣れて自然に話せるようになります。日常会話の中で意識するだけでも十分トレーニングになります。
適切な通院ペースを守る
矯正治療は定期的に装置を調整し、歯の動きを確認する必要があります。忙しさや距離を理由に通院を怠ってしまうと、治療期間が長引いたり十分な成果が得られなかったりする恐れがあります。自宅や職場から通いやすいクリニックを選ぶのも重要です。
9. よくある質問(Q&A)
Q1. 舌側矯正と表側矯正、どちらが早く終わりますか?
- 治療期間は個人差が大きく、どちらが早いとは一概に言えません。ただし、医院によっては「舌側矯正のほうが若干時間がかかる」と説明する場合もあります。実際には矯正医の技術や患者さんの歯並びの状態に左右されるため、カウンセリングで詳細を確認しましょう。
Q2. 裏側矯正でも抜歯は必要ですか?
- 叢生(ガタガタ)や前歯の突出度が大きい場合は、表側矯正同様に抜歯が必要なケースがあります。逆に抜歯を行わない非抜歯矯正が可能な症例もあるため、検査結果を踏まえた上で歯科医師と相談してください。
Q3. 矯正中に虫歯になったらどうなりますか?
- 矯正中に虫歯が見つかった場合、早めの治療が必要です。裏側矯正でも、部分的にブラケットを外して虫歯治療を行い、再装着することが多いです。虫歯を放置すると治療期間がさらに延びることもあるので、こまめに定期検診を受けましょう。
Q4. 舌側矯正の費用は一括で払わなければいけないの?
- 多くの矯正歯科では、分割払いやデンタルローンの選択が可能です。高額な治療費を一度に支払うのは難しい場合、カウンセリング時に相談してみるとよいでしょう。
Q5. 矯正が終わったらもう通院はしなくていい?
- 装置を外して保定装置を付け始めたあとも、定期的に医院でメンテナンスを受ける必要があります。保定終了の判断も含め、歯科医師の指示に従って通院を続けましょう。
自分に合った矯正治療方法をみつけましょう
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