後悔しないために知っておきたい舌側矯正(裏側矯正)の流れ!メリット・デメリット
歯並び悪いから矯正治療したいけれど、あの見た目が気になるから踏み出せないんです。
見た目が気になるなら、舌側矯正(裏側矯正)という治療方法もありますよ。
聞いたことはあるけど…どんな治療方法なんでしょう。
詳しく教えてもらえませんか?
もちろん!では今回は、矯正を検討している方には知ってもらいたい
舌側矯正(裏側矯正)の流れやメリット、デメリットを解説します。
舌側矯正(裏側矯正)とは
舌側矯正とは歯の裏側に矯正器具を付けて、歯を動かしていく矯正治療法です。
裏側矯正、リンガル矯正ともいわれています。
この治療法の最大の特徴は、笑った時に矯正装置が見えないことです。
そのため、「矯正治療をしたいけれど見た目が気になる」という方に人気の治療方法です。
まさに、私の悩みを解決してくれそうですね。
では次に舌側矯正(裏側矯正)の治療の流れを見ていきましょう。
舌側矯正(裏側矯正)の治療の流れ
1.相談・検査
歯科医師に相談。矯正治療を行うために必要な検査を行います。
2.診断
検査結果をもとに歯科医師が分析を行い診断します。
3.抜歯が必要な場合は抜歯
診断結果によって必要である場合は抜歯します。
4.オーダーメイドの舌側矯正装置製作のための型取り
舌側矯正の装置は複雑であるため、精密な型取りを行って模型をもとに舌側矯正装置を作製します。
5.矯正装置完成・装着
片顎から装着か、両顎一気に装着するかは歯科医院によって異なります。
6.月1回調整
通院して動きの確認や調整を行います。
通院頻度は診断結果により個人差があります。
7.治療終了・装置外す
矯正装置を外して保定装置装着します。
8.保定期間
通院頻度は1か月~数年おきへと徐々に間隔をあけていきます。
以上が一般的な舌側矯正(裏側矯正)治療の流れです。
普通の矯正治療との違いはどこですか?
表側矯正治療の流れとの大きな違いは、オーダーメイドの矯正装置作製がある点です。
表側の矯正治療の場合は、歯科医師が直接歯にブラケットとよばれる装置を付けてワイヤーを通していきます。
舌側矯正(裏側矯正)の場合、歯の裏側は見えにくく、形も複雑なため、事前に歯型をとって模型上で矯正装置を製作してから、歯に装着していきます。
舌側矯正(裏側矯正)のメリット5つ
まずは舌側矯正(裏側矯正)のメリットから聞きたいです!
1.矯正装置が見えないから気づかれにくい
舌側矯正(裏側矯正)の場合、矯正装置を歯の裏側に付けます。そのため、笑っても矯正治療をしていることを気づかれる心配はありません。
矯正治療をしたいけれど、表側で目立つ歯の矯正装置は周囲の視線が気になるという方、
人前に出る仕事や営業職のため矯正器具が目立つと困ってしまうというような方にはおすすめの治療方法です。
2.虫歯になりにくい
歯の裏側は唾液の分泌が活発です。そのため食べ物が口の奥へ流れやすくなり、歯と矯正装置の間に食べかすが残りにくくなる傾向があります。
虫歯をつくる細菌がこの唾液の静菌作用や殺菌作用によって増殖しにくいため、虫歯になりにくいのです。
とはいえ、歯の裏側は鏡で見ながら歯磨きを行うのが難しいため、歯磨きを上手に出来ないと虫歯になるリスクは高まります。
矯正治療を開始するときには歯科医師、歯科衛生士にしっかりとブラッシング指導を受けて毎日の歯磨きも忘れずに行う必要があります。
3.舌癖防止で後戻りを防ぐ
歯が前に出ている「上顎前突」や、上下の前歯が開いている「開咬」の方は、
常に舌で前歯を押していたり、上下の歯と歯の隙間に舌を入れてしまったりという舌の癖が原因で歯並びがずれている場合が多いです。
舌の定位置は、口を閉じて上の前歯の付け根の少し後ろ、膨らんでいるところがスポットと呼ばれる舌の正常な置き場所です。
リラックスした状態で舌が歯の裏を触っている、舌が歯と歯の間にあるなどスポット以外の場所にある場合、舌が歯を押して力をかけてしまっている可能性があります。
矯正治療を行いきれいな歯並びになったとしても、この舌癖を治さなければ再び舌が歯に力をかけてしまい、後戻りしてしまう可能性が高くなります。
舌側矯正(裏側矯正)では裏側に矯正装置が付いているので、舌で歯を押すことの防止となり、さらにスポットに舌を置くことを習慣づける訓練にもなります。
4.スポーツをしていても安心
表側に矯正装置を付けていると、激しいスポーツによる怪我や、装置が外れてしまうリスクが高くなります。
舌側矯正(裏側矯正)の場合は裏側に矯正装置が付いているので、スポーツによって口の中を傷つけてしまうような心配は少ないです。
5.食事の時に見た目が気にならない
誰かと食事をするときに表側に矯正装置が付いていると、食べ物が器具に絡まるのが気になって会話ができないという方もいます。
舌側矯正(裏側矯正)の場合はもし食べ物が絡まってしまっても、裏側で見えないため安心して食事や会話が楽しめます。
見た目が気にならないこと以外にもいいことありますよ。
舌側矯正のデメリット5つ
舌側矯正(裏側矯正)のデメリットも知って検討したいです!
1.費用と時間がかかる
舌側矯正(裏側矯正)は表側矯正に比べて費用が高くなります。
歯の裏側は形が複雑なので、患者さん一人一人に合わせたオーダーメイドの矯正装置をつくって取り付ける必要があります。
その器具をつくるのには手間や技術、時間がかかるために費用が高くなります。
また、歯の裏側は見えにくい部分であり、矯正器具の装着、調節にも高度な技術と時間が必要です。
そして歯の動きも表側矯正とは違うため、少し治療期間が長くなります。
2.慣れるまで違和感、発音がしにくい
今まで歯に付いていなかったものを装着するので、どんな矯正装置も初めは違和感があります。中でも舌側矯正(裏側矯正)は舌が当たりやすいため、そう感じやすいかもしれません。
発音に関しては、舌を歯の裏側にあてて発音する言葉、日本語では特に、サ行、タ行、ラ行の言葉に影響が出やすいです。
装置を装着してから1~2か月ぐらいで慣れていつも通りの発音で会話ができるようになってくるでしょう。積極的に発音の練習をすることで早く慣れてきます。
3.歯磨きが難しい
歯の裏側に矯正装置が付いているので表側はいつも通り磨けますが、裏側は少し練習が必要です。
虫歯予防のためにも矯正治療を始める際には歯科医師、歯科衛生士に指導を受けて上手に歯磨きが出来るようになりましょう。
4.食事がしにくい、痛みがある
こちらも他の方法での矯正治療中にもあり得ることです。特に矯正装置を装着したて、調整後は食事が噛みにくい、痛みが出るということもあります。
しかし数日~1か月程度で慣れてくるでしょう。
舌側矯正(裏側矯正)の場合上下の装置が当たって噛みにくいということも出てくるのでその際は歯科医師が噛み合わせの高さ調整を行ってくれます。
5.対応できる歯科医院が少ない
舌側矯正(裏側矯正)は特殊な技術が必要であるため、どの矯正歯科医院でも行っている治療方法ではありません。舌側矯正(裏側矯正)を考えている方は歯科医院検索にも気を付けましょう。
どんな治療にもデメリットはあります。歯科医院に行って矯正の説明を聞く際もチェックしてくださいね。
裏側矯正で後悔しないために気を付けること
裏側矯正が得意な歯科医院を選ぶ
裏側矯正は特殊な技術が必要となるため、治療を行える歯科医院、歯科医師が限られています。
そのため裏側矯正で治療を考える場合は、まず裏側矯正の治療が可能な歯科医院を探す必要があります。
できれば、他の矯正治療方法も対応可能な歯科医院で相談を行うことをお勧めします。
そうすることで裏側矯正を含むどの治療方法があなたに最適であるか比較しながら相談にのってくれるでしょう。
なぜ裏側矯正をしたいのか考えておく
裏側矯正は前項目で説明したように、メリット・デメリット両面あります。
あなたがなぜ矯正治療を行いたいのか、どのような点を優先したいのか(目立ちにくさ、安さなど)
をしっかり考えておくと良いでしょう。
裏側矯正は費用や治療期間よりも、目立ちにくさを優先したいという方にはおすすめの治療方法です。
自分に合った矯正治療方法をみつけましょう
今回は舌側矯正(裏側矯正)についてメリットとデメリットを紹介しました。
矯正治療の方法はいくつか種類があります。
希望する治療方法や予算、自身の生活スタイルを見直してみてどのような矯正治療が合うか考えてみましょう。
舌側矯正も選択肢に入れて歯科医院探しをしてみようと思います!
またいつでも聞いてくださいね。
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執筆歯科医師 Naomi
臨床研修終後、都内審美歯科勤務
歯科医師/歯科ライター/