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矯正前に親知らずは抜くべき?親知らずと歯並びの関係【歯科医師が解説】
抜歯

矯正前に親知らずは抜くべき?親知らずと歯並びの関係【歯科医師が解説】

歯科医師
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この記事では以下の内容が書かれています。参考にしてください

・親知らずを抜歯するのはどんなときか

・矯正で親知らずを抜歯するのはどんなときか

・親知らず抜歯後の注意点

・親知らず抜歯の費用

・抜歯した親知らずの活用法

親知らずという言葉を聞くと、厄介なものというイメージを抱く人が日本人には多いと思います。

矯正治療を始める際に、親知らずの状態は確認すべき重要ポイントの1つです。

状態によっては親知らずを抜くこと(抜歯)を勧められる可能性があります。

親知らずとは?

親知らずは10代から20代に第2大臼歯(12歳臼歯)の後ろに生えてくる歯です。

かなり奥にある歯なので自分で清掃することが難しいです。

よって親知らずと歯肉の間に汚れがたまりやすく、歯周組織に炎症を起こすと歯周病になり、汚れの中にいる細菌が酸を出して歯を溶かすと、虫歯になってしまうこともあります。

矯正治療の有無に関係なく、痛んだり、腫れたりすることが他の歯よりも可能性が高い歯が親知らずです。通常は上下左右で4本存在しますが、人によって4本とも存在する人、2本しかない人、1本もない人など様々です。

矯正治療を始めるにあたって、この親知らずの状態と生え方が問題になってきます。

どんな時に親知らずを抜歯するの?

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親知らずの生え方による抜歯

まずは親知らずがどのように生えているかが問題です。

一般的に日本人は顎が小さいため、親知らずが斜めや横に生えてくることが多いです。

斜めや横に生えていて、隣の第2大臼歯を押している可能性がある場合、汚れがたまりやすく矯正治療に影響が出る場合は、矯正治療の前に抜歯が必要となります。

親知らずが骨の中に完全に埋まっていて、矯正治療に影響がない場合は、そのままとする場合が多いです。

場合によっては歯肉を破って生えて来ず、一生骨の中に埋まったままということもあります。

また親知らずがしっかり生えていて、反対の顎の歯としっかりと噛み合っている場合は、矯正治療の対象として抜歯せず治療に組み込むことがあります。

後方移動のための親知らずの抜歯

矯正治療において、歯を目的の位置に動かしたり、理想の歯列を手に入れるためにスペースを作らなければなりません。

スペースを作るためには

・歯列弓を拡大してスペースを作る

・便宜抜歯をしてスペースを作る(ディスキング)

・歯の両端を少し削る

・臼歯を後方に移動する

以上4種類の方法によってスペースを作ります。

臼歯を後方に移動する際に親知らずが邪魔になっている場合は、例えしっかりと親知らずが生えていても抜歯する場合があります。特にインビザライン矯正においては臼歯の後方移動はよく行います。

矯正治療前の親知らず抜歯診断

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矯正治療前に親知らずが抜歯適応か否かを判断するには、視診や通常のレントゲン写真だけでは不十分な場合もあります。

正確に判断するには歯科用のCTを撮影する必要があります。

歯科用のCTは従来のレントゲン写真と異なり、親知らずの位置を3次元的に捉えることができます。

これによって矯正治療前に抜歯すべきか否か精度を高く診断することが可能で、また抜歯が必要であれば難易度の評価もすることが可能です。

歯科用のCTはどこの施設でもあるものではないので、受診予定の医院がCT完備かどうか調べてから受診されることをお勧めします。

親知らずを矯正治療の前に抜く場合の注意点

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矯正治療に先立って親知らずを抜歯する必要がある場合は、少し注意が必要です。

下顎の親知らずの場合は横向きに生えていたり、斜めに生えていると歯肉を切開したり、歯を分割して抜歯する必要があります。

また下顎の親知らずの根の先端が神経や血管に近接している可能性があります。

上顎の親知らずは上顎洞という副鼻腔の一つに近接している場合があるので、抜歯の際に上顎洞に穴が開く可能性があります。

よって難しい親知らずの抜歯は経験がある歯科医院でないと、その医院で抜歯することが難しいです。特に矯正専門の歯科医院で矯正する場合はほぼ100%抜歯が得意な医院や病院の口腔外科を紹介されます。

親知らず抜歯後の注意点

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痛みや腫れ

親知らずを抜歯した後の注意点でまず大切なことは、痛みや腫れが発生してしまう可能性があることです。

簡単な親知らずの抜歯では痛みや腫れが出ることは少ないですが、難しい抜歯の場合は痛みや腫れが出てしまう可能性が高いです。

当然痛み止めや腫れ止めのお薬が処方されますが、それを服用したとしても1週間くらいは痛みや腫れが続くと考えておいた方が良いです。

抜歯後の穴

次に大切なことは抜いた後にできる穴です。

親知らずを抜歯すると当然歯が生えていた場所に穴が空きます。

穴は月日とともに歯肉が盛り上がってきますが、少なくとも1ヶ月程度は穴が空いたままです。

するとそこに食べカスや汚れが入りやすく、感染の原因になってしまいます。

無理に歯ブラシを当てたりすると歯肉を傷つけてしまい逆効果になるため、食べカスが入った際は軽いうがい程度に留めることも大切です。

親知らずの抜歯費用

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親知らずを抜く際にはその目的によって健康保険の適応か適応外かが変わってきます。

矯正治療をするにあたって抜歯するのであれば、通常の便宜抜歯同様に健康保険の適応外となり、全額自己負担です。

自己負担の場合の費用は5千円~2万円程です。

対して虫歯や歯周病がひどく、親知らずを抜く場合は健康保険の対象となります。

費用は3割負担で2~3千円です。

親知らずの活用方法

親知らずの一つ手前に生えている歯を第2大臼歯といいます。

第2大臼歯は特に虫歯になることが多く、また見えにくい場所のため、知らない間に虫歯が大きくなっていることが多いです。

第2大臼歯の虫歯が大きく、保存することが難しい場合は、第2大臼歯を抜歯して既に萌出している親知らずを寄せて歯列に組み込んだり、歯肉の中に埋まっている親知らずを牽引して歯列に組み込むことがあります。

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まとめ

親知らずの状態は必ずと言って良いほど矯正治療前に確認しておくことをお勧めします

場合によっては矯正治療前に抜歯が必要になる可能性もありますし、矯正治療後の理想的な歯列に親知らずを組み込むこともあります。

親知らずについて、経験者に相談したい方は是非オープンチャットに遊びに来て下さい?

image執筆  歯科医師/issy

国立歯学部卒業後、東京医科歯科大学歯学部附属病院で研修、現在勤務医として一般歯科、矯正歯科に携わっている。

日本口腔インプラント学会所属