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セラミックは絶対ダメ!といわれる理由は?成功するための正しい矯正治療とは
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セラミックは絶対ダメ!といわれる理由は?成功するための正しい矯正治療とは

歯並び、歯の色、形をセラミックの被せ物で改善する「セラミック治療」は、矯正治療と比べて短期間できれいな歯並びと白い歯になれるといわれる治療です。

しかしその一方で「セラミック治療は絶対ダメ!」という歯科医師がいるのも事実です。

今回は、セラミックは絶対ダメ!といわれる理由、成功するための正しい矯正治療についてお話しします。

セラミック治療が選ばれる理由とその落とし穴

セラミック 選ばれる理由

セラミック治療は、審美性と機能性が高い被せ物を使った治療です。

虫歯で失った歯の見た目と噛む機能を回復するために行われる場合と、歯並びや歯の色、形を改善するため健康な歯に対して用いられる場合があります。

セラミックは自然な歯の色や透明感を再現しやすく、金属アレルギーの心配がない点が魅力です。
また、耐久性が高くて変色しにくいため、長期間美しい状態を保つことができることから、多くの人に選ばれている治療です。

しかし、セラミック治療には落とし穴があります。
歯並びや歯の色、形を治すために行うセラミック治療は、被せ物をするために健康な歯を削ったり、歯の神経を取ったりする必要があることです。

歯は、削るほど寿命が短くなります。また、歯の神経を取ってしまうと歯が脆くなり、これも歯の寿命を縮める要因となります。
「セラミックは絶対ダメ!」と言われるのは、このためです。

健康な歯に対してセラミック治療を行う場合は、治療後に得られる歯の審美性とメリットに対して、歯の健康や寿命に影響が出るという落とし穴が存在することをきちんと考慮することが大切です。

絶対ダメ?セラミック治療のメリット

セラミック 絶対ダメ

セラミック治療には、以下のようなメリットがあります。

・治療期間が短い
・天然歯に近い自然な仕上がり
・耐久性がある
・金属アレルギーの心配がない
・臭いや汚れがつきにくい

治療期間が短い

セラミック治療は、歯を削ってセラミックを被せるだけで終了します。
治療期間の目安は1〜3ヶ月なので、早く白くてきれいな歯に変えることができます。

歯並びの改善を目的にして矯正治療を行った場合は1〜3年ほどの治療期間がかかります。
治療期間だけを考えれば、セラミック治療の方が圧倒的に短い期間で治療を終わらせることができるでしょう。

天然歯に近い自然な仕上がり

セラミックは天然歯に非常に近い見た目を持つため、自然な仕上がりが期待できます。

また、歯の色や形を周りの歯やなりたい雰囲気に合わせて調整できるのも魅力です。

耐久性がある

セラミックは耐久性がある素材です。
適切なケアと歯科医院でのメンテナンスを行えば、金属、硬質レジン、ハイブリッドレジンの被せ物と比べて長持ちします。

また、変色しにくいため経年劣化が起こりにくく、長期間にわたり美しい状態を保てます。

金属アレルギーの心配がない

セラミックは身体に優しい素材で、金属アレルギーの心配がありません。

また、金属の被せ物は金属イオンが溶け出して歯茎の黒ずみを引き起こすことがありますが、セラミックは金属を使用していないため、そのような心配はありません。

臭いや汚れがつきにくい

ハイブリッドセラミックや硬質レジンの白い被せ物は、臭いや汚れを吸着しやすいため、経年劣化による変色が起こりやすいです。

しかし、セラミックの場合は表面が滑らかで臭いや汚れが付着しにくいため、きれいな状態が長持ちしやすいです。

絶対ダメ?セラミック治療のデメリット

セラミック治療には、メリットがある一方で歯の健康や費用に関するデメリットも存在します。

セラミック治療が絶対だめと言われる理由は、主に以下のようなデメリットが存在するからです。

・健康な歯の寿命が短くなる可能性がある
・保険適用外の治療となる
・ランニングコストが高い

健康な歯の寿命が短くなる可能性がある

健康な歯にセラミック治療を施す場合は、歯を一回り小さくなるように削る必要があります。
また、歯の神経を抜かなくてはいけない場合もあり、健康な歯の寿命を大きく損なう可能性があるため注意が必要です。

保険適用外の治療となる

セラミック治療は歯の見た目を治すために健康な歯に行う治療であり、虫歯の治療であっても審美性と機能性を追及した高価な素材での修復となるため、治療は保険適用外となります。

セラミック治療の相場は1本あたり10万円以上であるため、治療費用は高くなります。

ランニングコストが高い

セラミックは修理が基本的にできない被せ物です。
万が一破損した場合は新たに治療をやり直す必要があり、セラミックを作り直す際も全額自己負担での治療となります。

セラミックは人工物のため、丁寧にメンテナンスをしても10年ほどで交換が必要になる可能性が高いです。
破損や寿命による再治療の費用を考慮すると、ランニングコストが高い治療と言えるでしょう。

セラミック治療に代わる矯正治療

矯正のコピー 17

セラミック治療は審美性が高い一方で、健康な歯を削ったり神経を抜いたりするリスクがあり、歯の寿命を損なう可能性があります。

また、破損や再治療の費用が高く、維持するためのランニングコストもかかります

これに対して矯正治療は、歯並びを整えるために必要なスペースを確保するための抜歯を行うことはありますが、何本もの健康な歯の寿命を大きく損なうことはありません。

歯の形や色を変える必要があるケースを除いて、歯並びを改善するためにセラミック治療を検討するなら、矯正治療の方が健康な歯を生かした治療ができるためおすすめです。

治療の予後を考えても、天然歯のまま歯並びを改善できる矯正治療の方がメンテナンスがしやすく、歯の寿命も長く維持できるでしょう。

まとめ

歯並び、歯の色、形をセラミックの被せ物で改善するセラミック治療は、矯正治療と比べて短期間できれいな歯並びと白い歯になれるといわれる治療です。

しかし、歯を削る必要があるセラミック治療は、歯の健康や寿命を損なう可能性があります。

治療期間は長くなりますが、天然歯を健康なまま生かせる矯正治療も検討し、メリット・デメリットを考慮して治療方針を決めるのがおすすめです。

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この記事の監修者

  • 365dentist総監修
    歯科医師/ゆきこ

    長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務

  • 歯科医師/Naomi

    臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター