こどもの口臭の原因は?こどもの口臭からわかること。
先生、こどもの口からうんちのような臭いがします。
口臭だと思うんですけど、原因は何でしょう?
こどもの口臭は、口の中だけでなく身体や心の問題のバロメーターです。
今回は、こどもの口臭の原因、こどもの口臭からわかることについてお話しします。
こどもの口臭の主な原因
こどもの口臭は、
- 口の中が原因で起こる口臭
- そのほかの身体と心が原因で起こる口臭
の2つに分けられます。
こどもの口臭の原因①|口の中の問題
こどもの口臭が気になったら、まず考えるのは口の中の問題です。
口の中の問題から発生する口臭は、
- 歯磨き不足
- 虫歯
- 歯肉炎
- 口呼吸によるドライマウス
- 生理現象による一時的なもの
が考えられます。
歯磨き不足
歯磨きが十分にできていないと、歯についた歯垢(プラーク)が原因で口臭を引き起こすことがあります。
歯垢は、口臭の匂いの素を作り出す口内細菌の塊です。
食べ物に含まれる糖分などをエサにして不快な臭い物質を作り出すため、歯垢がたくさんついていると口臭が発生します。
虫歯
虫歯が進行して歯の神経に到達すると、歯が腐って口臭となります。
歯肉炎
歯肉炎になると原因となる歯周病菌が活発になり、口臭の元になる臭い物質を作り出します。
口呼吸によるドライマウス
ドライマウスとは、口の中が乾いている状態を指します。
ドライマウスだと口の臭い物質が揮発しやすくなるため、口臭が発生しやすいです。
口呼吸をしている人は唾液の分泌量が正常であっても口の中が乾いてしまい、ドライマウスによる口臭を引き起こす場合があります。
口呼吸の原因はさまざまです。なかには出っ歯や受け口で物理的に口を閉じられないなど、歯並びが原因になることもあります。
生理現象による一時的なもの
生理現象とは、身体のメカニズムによって起こる変化です。
口臭に関係するものでは、起床時や緊張時の唾液分泌量の低下が挙げられます。
寝て起きたあとや緊張を感じているときは、唾液の量が減って口が乾いて口臭が強くなることがあります。
基本的には、身体が活動状態に入ったり、緊張状態が緩和されたりすると唾液の量が戻って口臭もおさまります。
そのため、口の中が原因で起こる口臭の中では唯一、心配する必要のない口臭です。
こどもの口臭の原因②|そのほかの身体と心の問題
口以外の身体や心の問題が原因で口臭が発生することもあります。
身体や心の問題で起こる口臭には、
- 鼻・喉の病気
- 風邪などの感染性の病気
- 内臓の病気
- 糖尿病
- ストレス
- 食べ物・飲み物による一時的なもの
があります。
鼻・喉の病気
アレルー性鼻炎、喘息、副鼻腔炎(蓄膿症)、アデノイドの肥大によって口呼吸が習慣化し、連鎖的にドライマウスによる口臭を引き起こすことがあります。
また、副鼻腔炎の場合は鼻水が喉に流れ込むことで口臭が発生することもあります。
風邪などの感染性の病気
風邪などの細菌やウイルスに感染して起こる病気に罹っているときは、口臭が発生する場合があります。
細菌性やウイルス性の病気に罹っている間は身体の免疫力が下がり、口臭の臭いを発生させる口内細菌が活発になりやすいからです。
また、発熱によって唾液の分泌量が少なくなり、口が乾きやすくなることも口臭がする原因となります。
内臓の病気
胃腸炎のような消化器系の病気に罹っているときは、口臭が発生することがあります。
消化不良によって胃の中で発酵した食べ物の臭いが、呼気や体臭として身体の外に排出されるためです。
糖尿病
糖尿病の人はドライマウスになりやすいため、口臭が起こりやすくなります。
また、糖尿病の人の体内で発生しやすいアセトンが呼気に混ざることで、甘酸っぱいような臭いの口臭がすることもあります。
糖尿病は、肝臓でインスリンを分泌する細胞が壊れてしまうことで起こる1型糖尿病、生活習慣や肥満などが原因で起こる2型糖尿病のイメージがあります。
こどもが糖尿病になるイメージはあまりありませんが、1型糖尿病の場合はこどもでも発症することの多い病気です。
口臭のほかに多飲、多尿、体重減少、疲労のような症状が見られる場合は、糖尿病の可能性があります。
ストレス
ストレスがかかると身体の交感神経が働いて唾液の分泌量が減るため、ドライマウスによる口臭が起こりやすくなります。
食べ物・飲み物による一時的なもの
にんにくやネギのような臭いの強い食べ物の臭いが口や呼気に混ざると、口臭がすることがあります。
また、糖分の多い食べ物や飲み物を飲んだあとは、糖分を餌にして口内細菌が活発化するので口臭が発生しやすいです。
これらは一時的なものであるため、食べ物の臭い物質の代謝が終わったり、歯磨きをしたりするとおさまります。
こどもの口臭の種類からわかること
こどもの口臭からは、こどもの口内環境や体調、心の状態がわかる場合があります。
これは、口臭の原因によって臭いの種類が違う特徴があるからです。
例えば、以下のような特徴が挙げられます。
- ドブ、卵や魚が腐ったような臭い
- 歯磨き不足
- 虫歯
- 歯肉炎
- 口呼吸によるドライマウス
- 生理現象による一時的なもの
- ストレス
- 鼻・喉の病気
- 腸内環境の乱れ
- うんちのような臭い
- 腸内環境の乱れ
- 便秘
- 酸っぱい臭い
- 胃の不調
- 甘酸っぱい匂い
- 糖尿病
- 糞尿の臭い(アンモニア臭)
- 肝機能、腎機能の低下
こどもの口臭は口内環境の悪化、体調不良、ストレスのサインになることがあるので注意しましょう。
こどもの口臭対策方法
こどもの口臭対策には、
- 正しい方法で歯磨きを行う
- 鼻呼吸を意識する
- 歯医者で定期的にチェックを受ける
- 身体の不調がある場合は小児科や耳鼻科を受診する
などが有効です。
特に口臭は口の中が原因で起こるものが多いため、毎日の歯磨きは欠かさないようにしましょう。
また、1〜6ヶ月に1回のペースで歯医者の定期検診を受けるようにするのがおすすめです。
正しい歯磨きの方法やこどもが上手に歯磨きをするためのコツについてアドバイスをもらえるので、口臭対策だけでなくこどもの健康を守ることにも繋がります。
まとめ
こどもの口臭の原因は、
- 歯磨き不足やドライマウスなど、口の中の問題が原因のもの
- 鼻や喉の病気、ストレスなど、身体と心の問題が原因のもの
の2つあります。
どんな臭いがするかによって、口内環境や身体の不調がわかることもあります。
こどもの口臭が続く場合は口や身体に問題が起きている可能性があるため、歯医者や小児科などを受診してみましょう。
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365dentist総監修 歯科医師/ゆきこ
長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務
監修 歯科医師/Naomi
臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター