ホワイトニングの痛みと対処法・知っておきたいポイント
「美しく白い歯になりたい!」そのような時に、有効なのがホワイトニングです。昨今、ホームホワイトニングなども普及したため、より身近なものになりました。一方で、ホワイトニングの痛みに対する心配の声も聞こえてきます。今回はホワイトニングの痛みの原因や対処法について解説します。
ホワイトニングは痛い?
ホワイトニングは、美しく白い歯を手に入れるのに有効な方法ですが、一方で痛いという声を聞いて不安を感じている方もいらっしゃることでしょう。こちらでは、痛みの度合いや痛みを感じる方の割合などについて解説します。
ホワイトニングで痛みを感じる割合は?
ホワイトニング後に痛みを感じる人が一定数いるのは事実です。一般的に、ホワイトニングの施術を受けた約2割程度の人が痛みを感じることがわかっています。
痛みの強さはどれくらい?
痛みの感じ方は様々です。「痛い」と感じる人もいれば「むず痒い」と感じる人もいるようです。
すべての人が痛みを感じないのはどうして?
薬剤の濃度や種類、量などによって痛みの度合いに違いが出ます。そのため、すべての治療においてホワイトニングは痛いとはいえないのが実情です。痛みの感じ方は個人差が大きいといえるでしょう。
痛みの原因とは?
ホワイトニングで痛みを感じる主な原因は、以下のとおりです。
虫歯
虫歯があると、ホワイトニングで痛みを感じる可能性が高くなります。虫歯が進行すると、歯のエナメル質を溶かしたところに穴があき象牙質が剥き出しになります。それにより、薬剤が歯の内部まで浸透して痛みが発生するというわけです。
歯周病
歯周病は、歯を支える骨が溶けてしまう病気です。症状が進行すると、歯茎が下がって歯の根元の象牙質が露出します。それにより、ホワイトニングの薬剤による刺激で歯ががしみて痛みが出ます。
知覚過敏
知覚過敏がある人も、ホワイトニングで痛みを感じる場合が多いようです。知覚過敏は、多くの場合、歯周病や加齢などによって歯の根元部分の象牙質が露出したことで起こります。また、歯ブラシをする時に、強い横磨きのクセがある方も知覚過敏のリスクが高まります。
知覚過敏の症状がある方がホワイトニングをする場合、象牙質が露出している部分から薬剤が浸透し強い痛みを感じます。
歯にひびや割れがある
エナメル質が割れたりひび割れたりしていると、ホワイトニングの薬剤がしみて痛みが出る可能性があります。歯ぎしりをする方や食いしばりのクセがある方は、知らず知らずのうちにエナメル質が傷つき欠損していることがあります。
何らかの理由でエナメル質の損傷や欠損があると、その亀裂からホワイトニング材がしみることで痛みを感じていると考えられます。
ホワイトニングジェルの濃度が高い
ホワイトニング時に使用するジェルは、十分な安全性が認められている薬剤なので使用すること自体に問題はありませんが、高濃度の薬液を使用する場合は痛みを感じることが多いでしょう。
「早く」「より白く」といった願いを叶えようとすると、どうしても強い薬液で短期間のうちにホワイトニングを進めたくなってしまいます。ですが、高濃度の薬液を使用することで歯の痛みが増長してしまい、ホワイトニングを続けられなくなってしまう可能性もあります。焦らず、じっくり取り組むことで緩やかに白く美しい歯を実現するのがおすすめです。
痛みを和らげる方法
ホワイトニングで痛みを感じたときの対処法は、以下のとおりです。
歯磨きやうがいをする
痛みを感じたら、まずは歯磨きやうがいを試してみましょう。ホワイトニング後は、お口の中に使用したジェルが残っている可能性があるためです。うがいや歯磨きで洗い流すことで、痛みが軽減することがあります。
甘いものや冷たいものなどの刺激物を避ける
ホワイトニングをしてから24時間程度は、知覚過敏を起こしやすいとされています。甘いものや冷たいもの、辛みのある刺激物などは避けましょう。
鎮痛剤を飲む
痛みが続く場合は、市販の鎮痛剤を飲んでもよいでしょう。ただし、規定医療の鎮痛剤を飲むことは大変危険です。薬剤の多量接種は、肝機能や腎機能に害を及ぼす場合があるため、服用には十分な注意が必要です。必ず用法用量を守って服用しましょう。
歯科医院を受診する
我慢できない強い痛みを感じる場合や痛みが長びく際は、迷わず歯科医院を受診しましょう。ホワイトニングをしてから24時間程度は痛みを感じやすいとされていますが、強い症状が長時間続く場合には、何か別の要因があるかもしれません。早急に原因を究明し治療を施す必要があるでしょう。
痛みを予防するために
ホワイトニング前に行っておくことで痛みを予防する方法をご紹介します。
虫歯・歯周病の治療
虫歯や歯周病がある場合は、早めに治療することが必要です。虫歯や歯周病があると、そこから薬液が歯の内部まで浸透してしまうため、強い痛みを感じやすいからです。また、虫歯が進行して詰め物や被せ物を行う場合、ホワイトニングを行った際に色差ができてしまうため、見た目にも悪影響を及ぼします。虫歯や歯周病が進行し、歯の神経が壊死すると通常のホワイトニングが実施できなくなる可能性があります。虫歯や歯槽膿漏は、早期発見・早期治療をしておくとよいでしょう。
知覚過敏のケア
知覚過敏のある人や知覚過敏の心配がある人は、日頃のケアを心掛けるとよいでしょう。具体的な方法としては、知覚過敏用の歯磨き粉を使用するのがおすすめです。硝酸カリウムが配合されていることにより歯の神経の過敏反応を抑えることができます。また、フッ素ジェルを使用するのも有効です。フッ素にはエナメル質を強くする性質があるので、象牙質を守り刺激が達することを防ぐ効果を期待できます。
丁寧なホームケア
ホワイトニングの効果を十分に得るには、日頃のホームケアが大切です。虫歯や歯周病は、歯磨きを正しく行うことで予防することが可能です。また、知覚過敏用の歯磨き粉を使う、フッ素入り歯磨き粉で歯を強くするなどといったことも効果があるでしょう。
定期的な歯科検診
歯の健康を守るためには定期的に歯科検診を受けることも有効です。歯科医院への定期的な通院は、歯の健康状態を守ることにつながります。また、クリーニングや歯磨き指導を受けることもできます。正しいブラッシングの方法を学べることから、ホームケアの効果も向上しやすくなります。定期検診で痛みの原因にしっかりと対処してからホワイトニングを行うことで、痛みを最小限に抑えた施術を受けることができるでしょう。
まとめ
ホワイトニングが痛いかどうかには個人差があります。施術を受けた人の2割ほどが痛みを感じるといわれていますが、それには様々な要因が関係していることがわかっています。多くの場合、ホワイトニングで痛みを感じる人は、エナメル質にダメージがある、あるいは高濃度の薬剤でエナメル質が弱ってしまったケースなどが該当します。そのため、痛みを感じずホワイトニングをするためには、日頃から定期検診や丁寧なホームケアを行うことが最も大切で有効です。こちらのコンテンツを参考に、ぜひ痛みなく美しく白い歯を手に入れてください。
『関連記事:「【2024年最新版】ホームホワイトニングの費用相場とおすすめの方法」』
365dentist総監修 歯科医師/ゆきこ
長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務監修 歯科医師/Naomi