歯を白くする方法と歯の着色汚れの原因とは?
歯の着色汚れが気になります。白くする方法はありませんか?
着色汚れは、ホワイトニングや毎日のケアで改善が期待できます。
今回は、歯の着色汚れを落として白くする方法についてお話しします!
歯の着色汚れの原因
歯に着色が起こる原因は、以下のふたつに分けられます。
- 歯歯の表面の「エナメル質」という層に外から付着した色素
- 歯の内側にある「象牙質」という層の変色
外から付着した色素でエナメル質に着色が起こるものを「外因性」、加齢や服薬などの影響で象牙質に着色が起こるものを「内因性」と言います。ふたつのうち、歯の着色汚れは外因性の歯の黄ばみや黒ずみです。
着色汚れの原因となるのは、以下の3つです。
- 食べ物や飲み物
- タバコのヤニ
- プラーク(歯垢)
食べ物や飲み物
食べ物や飲み物に含まれるポリフェノールやタンニン、色素が原因で歯の黄ばみや黒ずみを引き起こします。
ポリフェノール、タンニン、色素は、始めに歯の表面を覆う「ペリクル」という透明な被膜と結合します。その後、時間の経過とともに歯に定着して少しずつ色が濃くなり、歯ブラシで落とせないくらいの頑固な黄ばみや黒ずみになります。
着色汚れが付きやすい食べ物・飲み物
以下の食べ物や飲み物には、着色の原因となるポリフェノール、タンニン、色素が多く含まれています。
- コーヒー
- カレー
- チョコレート
- お茶
- 赤ワイン
- 大豆製品
- バナナ など
タバコ
タバコのヤニは黒褐色の物質です。ヤニの色素がそのまま歯に固着して、黄ばみを悪化させます。また、ヤニは粘着性もあるので、歯の表面にくっついて煤のような着色汚れになることもあります。
プラーク
プラークは食べかすを素にして作られる、虫歯菌や歯周病菌などの細菌の塊です。
最初は薄いクリーム色をしていますが、時間が経つと濃い黄色やオレンジ、緑などに変色し、付着したプラークで歯が黄ばんで見えたり、変色したプラークの色素が歯に定着して歯ブラシで落とせない黄ばみになったりします。
歯の着色汚れを落として白くする方法
歯の着色汚れを落とすには、黄ばみや黒ずみのレベルに合わせて3つの選択肢があります。
- 軽度→自宅でのケア
- 軽〜中度→サロンでのケア
- 軽〜重度→歯医者でのケア
即効性と効果にも差があり、即効性と歯を白くする効果が最も低いのは自宅で行うケア、最も高いのは歯医者で行うケアです。
【軽度】自宅でのケア
着色汚れを落とす成分が配合された歯磨き粉や着色除去に特化した歯ブラシなどを使用して、自宅で着色汚れを落とします。エナメル質に染み込む前の軽度な着色汚れを少しずつ落とすことや、飲食のあとの着色汚れの防止に効果的です。
自宅でのケアは市販で購入できるものしか使えないため、使用できるホワイトニング成分や効果には限界があります。そのため、着色汚れを落として歯を白くすることが目的の場合は、効果を実感するまでに数ヶ月単位の時間がかかる場合があります。
【軽〜中度】サロンでのケア
美容サロンやセルフホワイトニング専門サロンでホワイトニング剤とホワイトニング成分を活性化させるライトを使用して、自分で行うホワイトニングです。
医療機関ではないため、歯科医師や歯科衛生士の在籍義務は無く、使用するホワイトニング剤の成分は歯医者で使われるものとまったく異なります。
サロンで使われるホワイトニング剤の主成分は、市販の歯磨き粉と同じポリリン酸ナトリウムや重曹、炭酸ナトリウムなどです。
基本的には着色汚れが着く前の歯の色に戻るだけなので、自宅でのケアよりも若干高い効果が期待できますが、歯医者のケアよりも歯を白くする効果は低いです。また、効果を実感するまでに3〜5回ほど施術を行う必要があります。
【軽〜重度】歯医者でのケア
歯医者でのケアは、医療行為として行うクリーニングやホワイトニングです。審美目的のため、ホワイトニングに健康保険は使用できませんが、クリーニングならお口の状態によっては健康保険が適用される場合があります。
クリーニング(PMTC)
クリーニング(PMTC)は、歯科医師または歯科衛生士が専用の機械を用いて、歯の表面の研磨による着色汚れの除去と、プラークが石化して歯磨きで落とせなくなった歯石の除去を行います。
専用の機械は医療機器に分類されるもので、着色汚れを1回で落とせるほどの高い効果があります。また、研磨を行うことで歯の表面に艶が出て、新しい着色汚れが着きにくくなります。
歯を白くする効果は自宅やサロンでのケアと同じで着色汚れが着く前の歯の色に戻るだけですが、1回で効果がある点で優れています。
ホワイトニング
歯医者のホワイトニングは、過酸化水素や過酸化尿素を使用したホワイトニング剤で歯を漂白して、歯の表面とエナメル質に染み込んだ着色汚れを白くします。
すべて歯医者で行うオフィスホワイトニングと、歯医者で処方されたホワイトニング剤とマウスピースを使用して自宅で行うホームホワイトニングなど、いくつかの種類があります。
自宅またはサロンで行うホワイトニングとの違いは、歯の漂白ができるかできないかです。自宅やサロンで行うホワイトニング成分は、歯の表面の着色汚れを落とす効果がありますが、歯を漂白する効果はありません。
一方、歯医者のホワイトニングは、歯の漂白により着色汚れを一掃して着色汚れが着く前の歯よりも白い歯にします。
効果が出るまでの時間は施術方法により異なりますが、オフィスホワイトニングは1日、ホームホワイトニングは14日ほどで効果が実感できます。
歯の着色汚れを予防する方法
歯の着色汚れを予防するには、日常のケアやちょっとした心がけが大切です。
- 飲食後の歯磨きをこまめに行う
- 歯磨きができないときはマウスウォッシュかガムを活用する
- 歯を傷つけないようにする
- 定期的に歯医者でメンテナンスする
歯磨きをこまめに行う
飲食物やタバコのヤニなどは水に溶けにくいため、歯ブラシで擦らないと落とせません。飲食後やタバコを吸ったあとは、できるだけ早めに歯磨きをすると着色汚れが着きにくいです。
歯磨きができないときはマウスウォッシュかガムを活用する
歯磨きができないときは、ホワイトニング効果のあるマウスウォッシュでうがいをするか、ガムを噛んで唾液を出すようにしましょう。
ホワイトニング効果のあるマウスウォッシュは、着色汚れの素を洗い流す効果があります。
マウスウォッシュが使えない場合は、ガムを噛むと唾液が着色汚れの素を洗い流してくれます。虫歯にならないようにキシリトールが高濃度で配合されているガムがおすすめです。
また、メタリン酸ナトリウムという食用のホワイトニング成分が配合されたガムなら、着色汚れを吸着する効果が得られます。
歯を傷つけないようにする
以下の方法で着色汚れを防止しようとすると、歯の表面を傷つけて余計に着色汚れが着きやすくなるので止めましょう。
- 【ダメ!】粗い研磨剤の歯磨き粉を高頻度で使用する
- 【ダメ!】重曹で歯を磨く
- 【ダメ!】イチゴやレモンの果汁で歯を磨く
いずれも研磨剤や酸で着色汚れごと歯の表面を削りとることになるため、歯のエナメル質が薄くなったり粗雑になったりして、着色汚れや黄ばみが目立つ歯になってしまいます。
定期的に歯医者でメンテナンスする
毎日のケアに加えて定期的に歯医者でクリーニングを受けると、着色汚れが歯に定着しにくくなります。
歯の着色汚れは正しい方法でケアしよう
歯の着色汚れは食べ物や飲み物、タバコのヤニやプラークによって起こります。間違えた方法で歯を傷つけると、余計に着色汚れが目立つようになるため、正しい方法でケアするように心がけましょう。
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365dentist総監修 歯科医師/勝屋友紀子
長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務
監修 歯科医師/Naomi
臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター