歯のマニキュアってなに?市販品と歯医者での違いは?
先生、歯を白くできる「歯のマニキュア」について知りたいです!
分かりました!
今回は、歯のマニキュアについてお話ししましょう。
市販品と歯医者の違いも解説しちゃいますよ!
歯のマニキュアとは?
歯のマニキュアは、歯の表面をコーティングして、歯を白くしたり艶を出したりするものです。
コーティングの際に歯を削る必要はありません。
歯医者で行うものと市販品があり、歯医者で行うものは「ホワイトコート」とも呼ばれています。
「歯を白くする」というと、ホワイトニングを思い浮かべる方も多いかと思いますが、歯のマニキュアとホワイトニングはまったく異なります。
簡単に解説すると、両者には以下の違いがあります。
- 歯のマニキュア→歯をコーティングするだけなので、歯そのもの色は変わらない
- ホワイトニング→歯を漂白するので、歯そのものが白くなる
ホワイトニングは歯そのものを白くできるのが最大のメリットですが、実は、歯の状態によっては「白くできない歯」というのが存在します。
一方、歯のマニキュアは歯を樹脂でコーティングするため、白くできない歯がほとんどありません。それにより、以下のような効果が期待できます。
- 自分の好きな歯の白さにできる
- ホワイトニングで白くできない歯も白くできる
- 虫歯予防に効果的
- 歯と人体に影響がほとんどなく安全性が高い
- 副作用による痛みがない
自分の好きな歯の白さにできる
歯のマニキュアには、爪に塗るジェルネイルのように、豊富なカラーバリエーションがあります。
そのため、事前に好きな色を選んで、自然な白さから芸能人のように人工的な白さまで、お好みの歯の色にすることができます。
ホワイトニングは天然歯を漂白するため、歯の白さにも限界があります。
ホワイトニングだけで満足する白さにならなかった場合は、歯のマニキュアの方がより白くできる可能性があります。
ホワイトニングで白くできない歯も白くできる
歯のマニキュアは歯をコーティングして白くするため、天然歯はもちろん、ホワイトニングの効果が期待できない歯まで白くできます。
ホワイトニングは、歯の表面を覆うエナメル質の色素を漂白して歯を白くします。
そのため、変色の原因がエナメル質ではない以下のような歯は、白くできません。
神経の死んだ歯
テトラサイクリン歯
歯科用樹脂・銀歯・セラミックなどの被せ物や詰め物の色
これらの歯を白くしたい場合は、通常であれば歯を削って被せ物をしたり、被せ物や詰め物を外して作り替えたりする必要があります。
歯を削ると歯の寿命は短くなる可能性があります。歯を削らずにこれらの歯を白くしたい場合は、歯のマニキュアがおすすめです。
虫歯予防に効果的
歯のマニキュアでコーティングした面は、虫歯菌に侵される心配がありません。
ただし、マニキュアと歯の境目、コーティングできない歯の裏側・歯と歯の間が虫歯になるリスクは変わりません。
歯と人体に影響がほとんどなく安全性が高い
歯医者で行われる歯のマニキュアは、虫歯治療にも使われている歯科用の樹脂が主成分なので、口に入れても安全です。
マニキュアをつけるときに歯を削る必要もなく、塗り直しが必要なときや元の歯の色に戻したいときは、専用の器具できれいに外すことができます。
そのため、人体にも歯にもほとんど影響がなく、安全性が高い施術です。
市販品の歯のマニキュアの場合は、国内で販売されている商品であれば、日本基準での安全性が保証されており、歯磨きで簡単に落とせるため安心です。
ネットで購入する海外製のものは、日本基準での安全性が確認されていない場合があるので注意しましょう。
副作用による痛みがない
歯のマニキュアは、歯の上に樹脂を塗って固めるだけなので、痛みが出ることはありません。
ホワイトニングは歯を漂白する際に歯の神経に刺激を与え、副作用として術中や術後に痛みが出ることがあります。
痛みは一時的なもので、歯に悪い影響を与えるものではありませんが、ホワイトニングの痛みが心配な方は、歯のマニキュアが向いているでしょう。
市販品と歯医者の歯のマニキュア(ホワイトコート)の違い
市販品と歯医者の歯のマニキュアの違いは、
- 白さの持続時間
- 費用
の2つです。
白さの持続時間
- 市販品→1〜2日
- 歯医者→1〜3ヶ月、種類によっては5年ほど持続するものもある
市販品の歯のマニキュアは、主に「セラック」という樹脂が使われています。
セラックは歯磨きや食事の際に歯を擦ると剥がれてしまうため、持続時間はかなり短いです。
飲食や歯磨きをしないで写真撮影の間だけ用いるなど、短時間で応急的に歯を白くしたいときに向いています。
歯医者の歯のマニキュアは、虫歯治療にも使われる樹脂をしっかりと光で固めて歯に接着するので、持続時間が長いです。
種類によっては、メンテナンスを行えば5年ほど持続する歯のマニキュアもあります。
費用
- 市販品→数千円
- 歯医者→1歯あたり1,000〜20,000円前後
持続時間と比例して、市販品よりも長持ちする歯医者の歯のマニキュアの方が高額となります。
また、歯医者の歯のマニキュアは数ヶ月〜年単位で持続しますが、食事や歯磨き、噛み合わせにより、剥がれたり変色したりすることがあるため、きれいな状態を保つためのランニングコストがかかります。
剥がれたり変色したりしたときは、塗り直しやクリーニングなどのメンテナンス費用が必要となり、除去する際も別途費用がかかります。
歯のマニキュアの注意点
歯のマニキュアには、いくつかの注意点があります。
特に、術後の注意点や仕上がりに関する注意点をよく考えて、施術するかどうかを決めるといいでしょう。
歯のマニキュアができない人がいる
以下の方は、歯のマニキュアができないので注意しましょう。
- 虫歯がある方、または治療中の方
- 歯周病などで歯茎の状態が悪い方
- 噛み合わせにより、強い力がかかってすぐに外れてしまう恐れのある方
- 矯正治療中の方
- 歯ぎしり防止用や矯正用などのマウスピースを使用している方
- アクリルモノマーに対してアレルギーのある方
術後の注意点
- 術後12〜24時間は着色しやすいので、色の濃い食べ物を避ける必要がある。
- 硬い食べ物で剥がれたり、ヒビが入ったりするため、歯のマニキュアを塗ったところで硬いものを食べないよう注意する。
- 白さを維持するには、定期的なメインテナンスや塗り直しが必要。
仕上がりに関する注意点
- 歯の上に樹脂を盛り付けるため、歯に厚みが出たように感じることがある。
- 歯の裏側にはつけられない。
- 歯の根元や歯と歯の間の細かいところにはつけられないため、元の歯の色によっては歯に縁取りができたように見えることがある。
- 歯科用樹脂・銀歯・セラミックなどの被せ物や詰め物の上につける場合、天然歯と比べると剥がれやすい傾向がある。
歯のマニキュアで理想の歯の色に
歯のマニキュアには、歯医者で行うものと市販品があります。
持続時間が長くて、色のバリエーションが豊富なのは歯医者の歯のマニキュアです。
一方、市販品は手軽に購入して化粧品感覚で取り入れることができます。
あなたの目的に応じて、使い分けるといいでしょう。
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365dentist総監修 歯科医師/勝屋友紀子
長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務
監修 歯科医師/Naomi
臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター