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親知らず抜歯後に隣の歯が痛いのはなぜ??歯科医師が丁寧に解説
口腔外科

親知らず抜歯後に隣の歯が痛いのはなぜ??歯科医師が丁寧に解説

親知らずは前から数えて8番目の歯です。

日本人の場合、顎が小さいことから、横向きに生えてきたり、斜めに生えてきたりします。

こうなると親知らずが虫歯になりやすく、感染する可能性も高くなるため、抜歯の適応となります。

親知らずを抜歯すると親知らずの隣の歯が痛くなることは、一定の確率で起こります。

親知らずを抜いたのに、なぜ隣の歯が痛くなってしまうのか不安になってしまいますよね。

しかし、これには理由があります。

この記事では、その理由と解決方法を紹介していきます。

image執筆  歯科医師/issy

歯学部卒業後、東京医科歯科大学歯学部附属病院で研修、現在勤務医として一般歯科、矯正歯科に携わっている。

日本口腔インプラント学会所属

・親知らずの抜歯後に隣の歯が痛い理由

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隣の歯に力がかかった痛みの場合

親知らずに限らず、抜歯をする際にはヘーベルというドライバーの様な道具を使用します。

ヘーベルは歯と歯肉の間に入れて徐々に力をかけ、歯を脱臼させます。

力をかける時にどうしても隣の歯にも力がかかってしまうため、隣の歯が打撲の様な状態になることがあります。

さらに稀ではありますが、歯にヒビが入る場合があります。

抜歯中は麻酔が効いているので痛みを感じませんが、

麻酔が切れると痛みが出る可能性があります。

感染による痛みの場合

親知らずの抜歯後は抜歯したところが傷口になるため、感染により腫れたり痛んだりします。

実際には抜歯したところが感染して痛みが出ているわけですが、体が隣の歯が痛いと感じる場合があります。

これは関連痛といい、親知らずの歯の神経と隣の歯の神経は繋がっているため、

実際の痛みの原因のある場所と、痛いと感じるところが異なることがあるためです。

隣の歯の神経が過敏または炎症を起こしている場合

親知らずが深く横向きに埋まっている場合は、親知らずを抜歯すると隣の歯の根が露出する場合があります。

根が露出しても血液で満たされ、歯を支える骨がある程度できれば問題ありませんが、

骨ができないと、隣の歯の根の部分がしっかりと歯肉に覆われないため、

最初は知覚過敏に似た症状が出ます。

さらに状態が悪いと最悪の場合、根の先端から神経が細菌感染し、神経が炎症を起こす可能性があります。

・隣の歯が痛い状態はいつまで続く?

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隣の歯に力がかかった痛みの場合

ただの打撲の様な状態であれば、長くとも数週間程度で痛みが取れることが多いです。

ただし、ヒビが入った場合は一定の痛みが続くことがあります。

感染による痛みの場合

感染による痛みの場合は、1週間から2週間くらいで治ることがほとんどです。

ただし、稀に重篤化すると痛みが長く続くこともあります。

隣の歯の神経が過敏または炎症を起こしている場合

隣の歯の神経が過敏または炎症を起こしている場合は、

歯科医院で適切な処置を受ければすぐに痛みが取れることが多いです。

・隣の歯が痛いのはしばらくすると治癒する?

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隣の歯に力がかかった痛みの場合

ただの打撲の様な状態であれば、歯と骨の間にある歯根膜が炎症を起こしているので、

時間が経過すると治癒することが多いです。

ただし、ヒビが入った場合は治癒することはありません。

感染による痛みの場合

感染による痛みの場合は、歯科医院で適切な処置を受ければ数日で治癒します

隣の歯の神経が過敏または炎症を起こしている場合

隣の歯の神経が過敏になっている場合は、歯科医院で知覚過敏の処置により治癒する可能性があります。

知覚過敏の処置を行ってもあまり症状が変化しない場合や、神経の炎症を起こしている場合は、

神経を抜く処置で治癒します。

・痛みを和らげる方法・治療方法を紹介!

薬

隣の歯に力がかかった痛みの場合

痛みを和らげる方法としては、まずは鎮痛剤をしっかり処方してもらい、飲むことが重要です。

また、打撲の様な状態になってしまった歯で固いものを食べないようにすることも大切で、

歯を安静にすることが治癒を促進させます。

ヒビが入っている場合は残念ですが、基本的には抜歯対応になります。

感染による痛みの場合

感染による痛みの場合は、まずは鎮痛剤や抗生物質が処方されることが多いです。

感染の度合いが強い場合には、麻酔をして機械的に抜歯した場所を掻爬して、

感染部分を取り除きます。

また、レーザーを感染部分に当てて、創傷治癒を高めることもあります。

緊急性が高く、かつ炎症が全身に広がる可能性がある場合は、入院して点滴になる場合もあります。

隣の歯の神経が過敏または炎症を起こしている場合

隣の歯の神経が過敏になっている場合は、知覚過敏用の刺激遮断材料が使用されます。

それを塗布することにより、症状が治まる場合は問題ありませんが、

症状が治らない場合は最悪神経を抜く処置に移行します。

神経が炎症を起こしている場合は可逆性であれば鎮痛剤等で様子を見ることもありますが、

不可逆性であればすぐに神経を抜く処置となります。

まとめ

親知らずの隣の歯が痛くなるのは、

・親知らずを抜歯する際に隣の歯に力をかけることによるもの

・感染によるもの

・隣の歯の神経が過敏または炎症を起こしているもの

大きく3つに分かれます。

自然に治癒していくことや薬で治癒することも多いですが、

最悪の場合、隣の歯の神経を抜く処置が必要になることもあります。

親知らずが横向きに生えている場合や、

骨の深い場所に存在している場合は、

親知らずの隣の歯が痛くなる確率が上がるため、事前に歯科医師とよく相談することをおすすめします。