矯正ブラケットやワイヤーが外れたらどうする?応急処置や対処方法
先生、矯正ブラケットが外れてしまいました。
どうしたらいいですか?
矯正ブラケットが外れてすぐに受診できない場合は、歯医者に連絡したうえで、矯正用ワックスでワイヤーに固定したり、ワイヤーをニッパーや爪切りで切ったりして応急処置を行うのが一般的です。
今回は、矯正ブラケットやワイヤーが外れたときの応急処置や対処法についてお話しします!
矯正ブラケットやワイヤーが外れたときの対処法
矯正ブラケットやワイヤーが外れたときは、以下の順番で対処するのが一般的です。
- まずは歯医者に連絡する
- 歯医者を受診、もしくは歯科医師の指示を受けて自分で応急処置を行う
ワイヤー矯正に使われるブラケットやワイヤーは、一つひとつの装置がお互いにバランスを取り合って、歯を誘導する力をかけています。
そのため、ブラケットやワイヤーが外れたまま放置してしまうと、後戻りしたり歯が思わぬ方向に動いてしまったりすることがあるので注意が必要です。
ブラケットやワイヤーは矯正終了時に外せる仕様になっているため、何らかの原因で外れることは珍しくありません。
ブラケットやワイヤーが外れたからといって焦る必要はないので、まずは歯医者へ連絡して、すぐに受診できない場合は歯科医師の指示の下、応急処置を行いましょう。
応急処置を行ったあとは、基本的に外れた装置を付け直してもらう必要があるので、歯医者と相談して通院できるタイミングで受診しましょう。
歯医者に連絡する際は、
- いつ外れたのか
- どこのどんな装置が取れたのか
- 痛みや違和感がないかどうか
の3点を伝えると、歯医者の対応が比較的スムーズです。
矯正ブラケットやワイヤーが外れたときの応急処置
ワイヤー矯正では、さまざまな装置が歯についています。外れた装置によって対処法が異なるので、以下のパターンごとにそれぞれ解説します。
- 矯正ブラケットが外れたとき
- 矯正ワイヤーが外れたとき
- 結紮用のワイヤーが外れたとき
ただし、装置の種類や治療の都合、状態によっては行わない方がいい場合もあるので、基本的には歯科医師の指示を受けたうえで行うようにしましょう。
矯正ブラケットが外れたとき
矯正ブラケットは、歯についている銀や白、透明な色をしている装置です。
一つひとつの歯に歯科用の接着剤で固定されており、歯から外れると、ぽろっと口の中に落ちてきたり、ワイヤーと歯面の間で宙吊りの状態になったりします。
ブラケットが口の中に落ちてきた場合
ぽろっと口の中に落ちてきた場合は、水で洗ってからティッシュなどで水分を拭き取って保管し、歯医者に行くときに持参しましょう。
歯医者によっては、ブラケットを再利用することがあります。
ブラケットがワイヤーと歯面の間で宙吊りになっている場合
ブラケットがワイヤーと歯の間で宙吊りになっており、カタカタ動いたりして気になる場合は、歯科用のワックスでブラケットをワイヤーに固定しましょう。
矯正ブラケットが外れたときの歯科用ワックスの付け方
- 歯科用ワックスをブラケットが覆えるくらいの大きさにちぎります。
- 固定したいブラケットとその周辺のワイヤーの水分を、ティッシュやガーゼで軽く抑えるようにして乾かします。
- ワイヤーの上からブラケットを覆うように歯科用ワックスをくっつけ、ワイヤーとブラケットを一体化させます。
矯正ワイヤーだけが外れたとき
矯正ワイヤーが外れたときは、状況に応じて以下のように応急処置をします。
- 矯正ブラケットに差し込んで付け直す
- 矯正用ワックスで固定する
- 爪切りやニッパーでワイヤーを切る
矯正ブラケットに差し込んで付け直す
矯正ブラケットが歯についている場合は、矯正ブラケットの溝にワイヤーを横から差し込んで、付け直せるかどうか試してみましょう。
差し込めない場合は無理にいじらず、ほかの応急処置を行います。
矯正用ワックスで固定する
ワイヤーの上から歯科用ワックスを被せて、ワイヤーをブラケットに固定します。
矯正ワイヤーが外れたときの歯科用ワックスの付け方
- 歯科用ワックスをブラケットが覆えるくらいの大きさにちぎります。
- 固定したいワイヤーとブラケットの水分を、ティッシュやガーゼで軽く抑えるようにして乾かします。
- ワイヤーの上からブラケットを覆うように歯科用ワックスを被せ、ブラケットにワイヤーを固定します。
爪切りやニッパーでワイヤーを切る
爪切りや小さいニッパーで、外れた部分のワイヤーを切って取り除きます。
唇や粘膜などを傷つけないように注意して行いましょう。
ワイヤーを切るのが難しく、頬や歯茎に当たって痛いときは、ガーゼを頬や歯茎の間に挟んでワイヤーが刺さらないようにします。
結紮用のワイヤーが外れたとき
結紮用のワイヤーとは、ブラケットにワイヤーをくくりつけるための細いワイヤーです。
結紮用のワイヤーはブラケットの横でねじってカットし、端をブラケットに通したワイヤーの下に潜りこませて、頬に当たらないようにしてあります。
しかし、結紮用のワイヤーは細いため曲がりやすく、歯磨きや食べかすを落とす際にブラケットに通したワイヤーの下から飛び出してしまうことがあります。
この場合は、爪楊枝や爪の先で結紮用ワイヤーの端を押し込んで、ブラケットに通したワイヤーの下に戻します。
この際、爪楊枝を歯茎に指したり、指にワイヤーが刺さったりしないように気をつけましょう。
難しい場合は、歯科用ワックスを被せてカバーします。
矯正ブラケットやワイヤーが外れたときにかかる料金
矯正ブラケットやワイヤーが外れたときにかかる料金は、歯医者によって異なります。
矯正治療が自費診療であることが理由です。
一般的には無料で付け直してもらえることが多いようですが、追加料金がかかる場合もあるので、治療前のカウンセリングでよく確認しておきましょう。
外れた矯正ブラケットやワイヤーを1週間以上放置するデメリット
基本的には定期的な診察日まで4〜5日ほどであれば、矯正ブラケットやワイヤーが外れたままでもトラブルになることは少ないです。
しかし、1週間〜10日以上放置すると、歯の後戻りや予想外の動きによって治療期間が長引く可能性があるため、注意しましょう。
トラブルを防ぐためには、次の診療日が近くても歯医者に連絡を入れておくのがおすすめです。
矯正ブラケットやワイヤーが外れたら歯医者に連絡しよう
矯正ブラケットやワイヤーは、外れてしまうと歯を動かす力のバランスが崩れて歯が動かなかったり、後戻りしたりすることがあります。
まずは歯医者に連絡して指示を仰ぎ、歯医者を受診するか応急処置を行いましょう。
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365dentist総監修 歯科医師/ゆきこ
長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務
監修 歯科医師/Naomi
臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター