夜になると歯が痛い!ストレスが原因?対処方法は?
先生、夜になると歯が痛いんです。
虫歯ですか?
虫歯も考えられますが、夜になると歯が痛くなるのは、もしかしたらストレスが原因かもしれません。
今回は、夜になると歯が痛いストレス症状についてお話しします!
夜になると歯が痛いストレスの症状は?
夜になると歯が痛いストレスの症状には、以下のようなものがあります。
- 歯がズキズキと痛い
- 歯ぐきが腫れてズキズキと痛い
- 歯が浮く感じがする
- 虫歯治療したところが再び痛み出す
- 特定の歯ではなく、全体的に歯が痛い
歯の痛みは、実際に虫歯などの問題がなくても起こる場合があり、歯ぐきは色が悪くなってくすんで見えることが多いです。
1本だけ特定の歯が痛むこともありますが、ストレスによる歯の痛みでは、歯が全体的に痛むこともあります。
痛みの程度も状況によってさまざまで、痛み止めが必要なくらい痛む場合もあります。
ストレスで夜になると歯が痛む原因
ストレスで夜になると歯が痛い原因は、ストレスにより、以下のようなことが起こるからです。
- 身体の抵抗力の低下
- カテコールアミンの増加
- 脳の不具合
- 歯ぎしりや食いしばりによるダメージ
これらが関連して、歯の痛みを引き起こします。
身体の抵抗力の低下
ストレスが酷くなると、寝不足になったり疲れやすくなったりして、身体の抵抗力が下がります。
身体の抵抗力が下がると、虫歯菌や歯周病菌への耐性が少なくなるため、病状が悪化して痛みが出ることがあります。
カテコールアミンの増加
ストレスがあると、脳からカテコールアミンという神経伝達物質が分泌されます。
カテコールアミンは、交感神経を活性化させて心拍数や血流を増加させ、ストレスから身体を守る働きがあります。
しかし、歯の周りの血管の血流が増加することで歯の内圧が高まり、痛みを引き起こす場合があります。
脳の不具合
強いストレスを感じると、脳の痛みを伝えるシステムに異常が起こります。
これにより、過去にあった虫歯の痛みを脳が思い出してしまい、間違った痛みの情報が伝わり、歯の痛みを引き起こすことがあります。
歯ぎしりや食いしばりによるダメージ
歯の根の周りには歯根膜というクッションがあり、歯ぎしりや食いしばりによる負担を分散して、歯や歯の周りの組織を守る役割があります。
ストレスで日中や夜間に歯ぎしりや食いしばりを繰り返すようになると、歯根膜に炎症が起き、歯の痛みを引き起こすことがあります。
夜になると歯が痛いストレスの治し方は?
虫歯や歯周病などの異常がないにも関わらず、夜になると歯が痛い場合は、以下の方法で対処しましょう。
- ゆっくり休む
- 痛みを和らげるための応急処置をする
- 歯医者を受診する
- 心療内科を受診する
ゆっくり休む
ストレスが原因で歯が痛い場合は、ゆっくり休んで身体の抵抗力を回復することが大切です。
身体の抵抗力が回復すると、自然と歯の痛みは治まります。
痛みを和らげるための応急処置をする
夜に歯が痛くて眠れないときは、
- 痛みのある場所を冷やす
- 痛み止めを飲む
- 頭の位置を高くする
ことで、痛みを和らげるための応急処置をしましょう。
痛みのある場所を冷やす
濡れたタオルや保冷剤を包んだタオルを、痛みのある場所に当てて冷やします。
痛みがあるときは炎症が起きているため、冷やすと少し楽になる可能性があります。
ただし、保冷剤を直接当てると冷えすぎて血流が悪くなりすぎてしまい、痛みが悪化することもあるので、冷やし過ぎないようにしましょう。
痛み止めを飲む
市販の痛み止めで大丈夫なので、痛み止めを飲んで様子を見ましょう。
ただし、ストレスによる歯の痛みの場合、心の問題が関係していることも多く、痛み止めが効きにくい場合もあります。
頭の位置を高くする
横になることで頭の血流が良くなると、歯の痛みが出やすいです。
夜寝ているときに歯が痛くなった場合は、一度身体を起こしてみると痛みが和らぐことがあります。
患部を冷やしたり痛み止めを飲んだりして落ち着いたら、タオルなどで枕を高めにして横になりましょう。
歯医者を受診する
- 痛みが強くて眠れない
- 痛み止めが効かない
- 日中も歯が痛い
- 歯ぐきが腫れて血が出る
という場合は、歯医者へ行きましょう。夜間であれば夜間診療の歯医者を探すといいでしょう。
虫歯や歯周病が進行しているか、ほかのトラブルが起きている可能性があります。
ストレスによる歯の痛みは、実際に虫歯や歯周病などのトラブルとは無関係であることも多いです。
しかし、夜は日中よりも歯の周りの血流が増加して歯の内圧が高くなりやすいことから、日中は感じない虫歯などの痛みが夜に現れることはよくあります。
夜の歯の痛みが続く場合は、早めに歯医者を受診しましょう。
ストレス以外でも夜になると歯が痛むことがある
ストレス以外でも、実際に起こっている歯のトラブルにより、夜だけ歯が痛むことがあります。
- 歯の神経の炎症
- 歯の根の炎症
- 親知らず周りの炎症
歯の神経の炎症
歯の神経に炎症が起きていると、夜間に歯の内圧が高まったときに痛みが出ることがあります。
「歯髄炎(しずいえん)」といって、進行した虫歯、歯のヒビから侵入した細菌、歯ぎしりや食いしばりによるダメージによって、歯の神経に炎症が起きてズキズキと痛みます。
歯の根の炎症
過去に歯の神経を抜いた歯や、歯髄炎により歯の神経が死んでいる歯の根元に膿の袋ができて、炎症を起こすことがあります。
「根尖性歯周炎(こんせんせい歯周炎)」といって、病状が急速に悪化した場合に、急性症状として夜に歯がズキズキと痛むことがあります。
親知らず周りの炎症
親知らずの周りに起こる「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」という症状です。
親知らずは歯磨きがしにくいため汚れが溜まりやすく、歯ぐきに埋まっていることもあるため、歯ぐきに炎症が起きやすい部位です。
親知らず周りに起こる炎症は痛みが激しい傾向があり、歯の周りの血流が増加する夜間に我慢できないくらい痛むことがあります。
心療内科を受診する
歯医者で虫歯や歯周病などのトラブルがないことを確認して、それでも夜になると歯が痛む場合は、心のケアが必要かもしれません。
- 虫歯や歯周病などのトラブルがない
- 痛み止めが効かない
- 特定の歯ではなく、全体的に歯が痛い
といった場合は、心療内科を受診してみましょう。
ストレス?夜になると歯が痛いときは歯医者へ
ストレスによる歯の痛みか実際に虫歯や歯周病が起きているかは、自分で区別しにくいです。病状が悪化する前に、まずは歯医者を受診しましょう。
365dentistでは、歯科医師運営のオープンチャットや歯科コラムで、あなたのお口の健康のお手伝いをしています。
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365dentist総監修 歯科医師/勝屋友紀子
長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務
監修 歯科医師/Naomi
臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター