マウスピース矯正にも失敗はある!?失敗例と成功させるために必要なこと

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最終更新日 2023年4月28日

透明で目立ちにくく、いつでも取り外せるのが特徴のマウスピース矯正。

メリットの多いマウスピース矯正ですが、時には自分の思ったような歯並びにならず失敗することも。せっかく高いお金をかけて治療を受けたのに失敗するなんてイヤですよね。

そこで今回はマウスピース矯正の失敗例とその対策についてご紹介。マウスピース矯正をお考えの方はぜひ参考にしてみてくださいね。

マウスピース矯正の失敗例

マウスピース矯正にかぎらず、矯正治療は本人が納得できなかった、失敗するケースがあります。以下は矯正治療の結果に満足できなかった方の主な訴えです。

× 失敗例その1.「かみ合わせがおかしくなってしまった」

マウスピース矯正を終えたのに、かみ合わせがしっくりこない、かみ合わせがおかしくなるケースがあります。多いのが奥歯が上下でしっかりかみ合わなくなる失敗です。また、表面上は一応かみ合っているように見えるものの、本来あたるべきポイントでかみ合わせがあたっておらず、違和感が残ってしまうケースもあります。

× 失敗例その2.「顎関節症になってしまった」

マウスピース矯正に多い失敗のひとつに「治療後に顎関節症になってしまった」というケースがあります。これはマウスピース矯正は従来のブラケット矯正(ワイヤー矯正)と異なり、マウスピースが奥歯のかみ合わせ部分(臼歯の咬合面)まで覆ってしまうため、マウスピースを装着している期間は通常とはちがうかみ合わせの状態が続きます。

このことから、必要以上の力が一部の歯にかかってしまい、顎関節症になるケースがあります。失敗例その3.のケースでもかみ合わせがおかしくなることで顎関節症を発症してしまう場合もあります。

× 失敗例その3.「歯並びの良い口ボゴになってしまった」

マウスピース矯正、ブラケット矯正にかぎらず、歯を抜かずに行う非抜歯矯正で見られる失敗に「歯並びは良くなったのに口ボゴ」というケースがあります。

これは、本来であれば抜歯をしなければならない症状なのに非抜歯で無理に矯正をしてしまったことが原因です。歯が並ぶスペースが足りていないため、前に傾斜して並べた結果、口元が前に突き出やすくなります。

× 失敗例その4.「歯と歯の根元にすき間ができてしまった」

マウスピース矯正 ブラックトライアングル

矯正後に前歯と前歯の根元部分に黒いすき間(ブラックトライアングル)ができてしまうケースがあります。ブラックトライアングルは歯を動かしたことが原因で歯を支えている歯槽骨の吸収が進んで歯ぐきが下がってしまい、前歯と前歯の根元にすき間ができてしまうことが原因です。

矯正治療では強い力を歯にかけるため、どのような場合でも歯槽骨の吸収は発生します。歯槽骨の吸収が起きても骨が健康であれば骨芽細胞が新しい歯槽骨を作るのですが、歯周病など、何らかの原因で歯槽骨が作られないと骨の吸収ばかりが進んでしまい、ブラックトライアングルができやすくなります。

× 失敗例その5.「矯正の効果が見られずに治療が終わってしまった」

治療を終えても歯並びが改善されていない、もしくは、矯正の効果がほとんど見られないケースがあります。

マウスピース矯正は基本的に1日に20時間以上マウスピースを装着する必要があります。しかし、定められた装着時間を守らないと矯正の効果が薄れたり、期間などで契約していた場合、まったく矯正の効果が見られないまま契約期間が終了してしまうこともあります。

マウスピース矯正で失敗しないためには?

◎矯正の専門の先生がいる歯科医院で治療を受ける

近年では一般歯科でマウスピース矯正を行うところも増えていますが、歯列矯正は高い専門性と技術を必要とする治療です。マウスピース矯正もワイヤー矯正も術者である歯科医師の技量と知識、経験が治療結果を左右します。

日本矯正歯科学会の認定医以上の先生であれば矯正に関して最低5年は勉強しています。ですので、歯を動かすメカニズムや限界についても一通り把握した上で診断ができる先生が多いです。

ただし、それはあくまでワイヤー矯正に関してです。

マウスピース矯正に関してはまだ歴史が浅く、国家試験にも出ませんし、認定医試験でも扱われません。

マウスピース矯正で失敗しないためには、基本の診断が出来てなおかつマウスピース矯正の経験症例の多い歯科医院を選ぶことが必要になります。

◎定められた装着時間をしっかり守る

マウスピース矯正は1日につき、基本20時間以上の装着時間が定められています。矯正治療をスムーズに行うためには装着時間をしっかり守ることが重要です。

◎ブラケット矯正も選択肢に入れる

ブラケット矯正と異なり、インビザライン以外のマウスピース矯正は治療を適用できる症例が軽度~中程度の不正咬合に限られます。(インビザラインは重度の不正咬合にも適用可能)

マウスピース矯正はまだ歴史が浅く、歯の状態によっては途中でワイヤーの助けが必要になったり最終的な微調整でマウスピース以外の装置を使った方がキレイに仕上がることもあります。

医院を選ぶときはマウスピースのみでなく他の装置の治療も対応できるクリニックを選ぶのがベストだと思います。

【まとめ】

矯正治療は歯科医師との信頼関係を築くことが大切です

マウスピース矯正の失敗例と失敗しないためのポイントについてご説明しました。

どんな物事もそうですが、「100%かならず成功する」ものはありません。矯正治療も失敗することはあります。

矯正治療で失敗しないためには上でお伝えしたポイントに注意するとともに、治療を受ける患者さん自身と歯科医師が信頼関係を築くことが大切です。カウンセリングでしっかり気になることは説明してもらいましょう。

そして、何かが起こってしまった際、親身になってベストな対処をしてくれそうな誠実な先生を見つけましょう。

経験豊富で誠実な先生が分からない、という方は歯科医師ネットワーク内でおすすめの先生をご紹介することも出来ますので、公式ラインに話しかけてみて下さい☺️

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長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務

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臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は非常勤歯科医師/歯科ライター

日本歯科審美学会会員/インビザドクター

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