気になる口臭の原因と対策
口臭ってどんなときになにが原因で臭うのですか?
口臭がすると不潔な印象を与えてしまうことがあるので、気になりますよね。
口臭にはたくさんの種類があります。今回は、気になる口臭の原因と対策をご紹介します!
口臭の原因
口臭の原因には、以下のようなものがあります。
- 唾液分泌量の減少
- 食べ物や飲み物
- タバコ
- 歯や舌の汚れ
- 人口の歯や入れ歯の劣化
- 口の病気
- 内蔵などの身体の病気
- 心理的な問題
唾液分泌量の減少
口臭は唾液分泌量の減少によって発生することがあります。
唾液が減って口が乾くと、口内細菌が作り出すメチルメルカプタン、硫化水素、ジメチルサルファイドという3つの臭い物質が揮発して臭いやすくなるためです。
唾液分泌量の減少は身体のメカニズム、女性ホルモンバランスの変化、加齢、薬の副作用、身体の病気など、さまざまな理由で起こります。
いずれも日ごろの歯磨きが不十分だと、口内細菌が増えて口臭の素がたくさん作られるので、発生する口臭は強くなります。
身体のメカニズム
寝起き、緊張しているとき、空腹のときは身体のメカニズムによって唾液分泌量が減少し、口が乾いて口臭が強くなります。
身体のメカニズムによって誰にでも起こる口臭なので、水分補給や歯磨きなどですぐに改善します。
女性ホルモンバランス
生理、妊娠、思春期、更年期には、女性ホルモンの分泌量に変化が現れます。はっきりとした相関性は分かっていませんが、女性ホルモンのバランスが変化するタイミングで唾液の分泌量が減って口が乾きやすくなるため、口臭が起こると考えられています。
加齢
加齢による口周りの筋力の低下や身体の水分量の減少、ホルモンバランスの変化によって唾液の分泌量が減少し、口臭が発生しやすくなることがあります。
薬の副作用
薬の中には、唾液の分泌量を低下させる副作用を持つものがあります。以下の薬を服薬している人は口が乾きやすいので、口臭が発生しやすいです。
- 睡眠薬
- 抗うつ薬
- 抗てんかん薬
- 降圧剤
- 抗ヒスタミン薬
- パーキンソン病治療薬 など
身体の病気
身体の病気によって起こる口臭は、症状のひとつとして唾液分泌量の減少を引き起こして口から臭いを発生させるものと、身体の代謝異常や膿によって肺からくる息が臭うものがあります。
唾液分泌量の減少による口臭を引き起こす身体の病気には、以下のようなものがあります。
- シェーグレン症候群
- 糖尿病
- 脳血管障害
- 更年期障害
食べ物や飲み物
臭いの強い食べ物や舌に絡みつきやすい食べ物や飲み物は、歯や舌に付着した臭い成分が口臭になったり、口内細菌の活発化や口の乾燥による口臭を発生させたりします。
また、食べ物や飲み物の成分が身体の中で分解されて、体外に排出されるときに息が臭くなることもあります。
【口臭が起こりやすい食べ物】 甘いお菓子、ニンニク、ニラ、ネギ、玉ねぎ、納豆、チーズなどの乳製品、ブロッコリー・キャベツなどのアブラナ科の野菜 など
【口臭が起こりやすい飲み物】 アルコール、コーヒー 、牛乳、砂糖の入った飲み物 など
タバコ
タバコに含まれるタールには粘着性があり、歯や舌、肺にこびりついて臭いを発生させます。そのため、喫煙習慣がある人は口から出る口臭だけでなく、鼻から出る息からもタールの臭いがするようになります。
歯や舌の汚れ
歯の汚れや歯石、舌の上に汚れが付着していると、口臭が発生します。
歯や舌に付着する汚れは、口臭の臭いの素を作り出す細菌の塊(プラーク・歯垢)です。汚れの量が多くなるほど作られる臭いの素の量も多くなるため、歯磨きをサボるのが習慣化していると口臭が強くなります。
人口の歯や入れ歯の劣化
人口の歯や入れ歯の劣化によって口臭がすることがあります。
入れ歯に使われるレジンは臭いを吸着しやすい性質があり、口臭の臭い成分を吸収してしまうことがあります。使用年数が長くなって起こることもありますが、日ごろのお手入れが不十分だと早い段階で入れ歯が臭くなる可能性があります。
吸収された臭いは取れないため、臭いを防いで長く入れ歯を使うには、洗浄剤や歯ブラシを使った毎日のお手入れを欠かさないことが大切です。
また、被せ物と歯茎のラインが合わなくなったり、被せ物に穴が空いたりすると、隙間に汚れが溜まって口臭がすることがあります。
口の病気
虫歯、歯周病、口腔がんによって口臭がすることがあります。
虫歯
虫歯が進行して歯の神経が侵されると、歯の神経が腐って臭いを放つようになります。
歯周病
歯周病になると歯と歯茎の間にある溝(歯周ポケット)の中で、強烈な臭いがするメチルメルカプタンという臭い物質が大量に作られます。本人は臭いに慣れてしまって気づかないことも多いですが、口を開けて呼吸しただけで隣の人に臭いが届くくらい強い口臭がします。
口腔がん
舌や頬粘膜にがんがあると、がん細胞が臭うなどして口臭が発生することがあります。
内蔵などの身体の病気
病気が原因で口臭が発生することがあります。口から発生する口臭とは臭いが異なり、病気ごとに特徴があります。
肉が腐ったような臭い
- 蓄膿症(副鼻腔炎)
- 咽頭炎
- 喉頭炎
- そのほか呼吸器系・消化器系の病気
いずれも炎症によるタンパク質の腐敗(膿)などが原因で、腐った肉のような臭いがします。
甘酸っぱい臭い
- 糖尿病
- 無理なダイエット
身体の中でアセトンが作られるため、アセトン特有の甘酸っぱい臭いがします。
腐った卵の臭い
- 胃炎
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍 など
消化不良により食べ物や飲み物が発酵し、硫化水素が発生して口臭となります。
魚が腐った臭い
- トリメチルアミン尿症(魚臭症)
- 肝機能障害
トリメチルアミンは肝臓で分解される成分です。トリメチルアミン尿症や肝機能障害があると、肝臓でトリメチルアミンを分解できないため、体外に排出されるときに口臭にトリメチルアミンの臭いが混ざる可能性があります。
アンモニア臭
- 尿毒症
- 腎機能の低下
- 肝機能の低下
アンモニアが体内で分解できない場合、口臭にアンモニアの臭いが混ざることがあります。
心理的な問題
ストレスが原因で口が乾いて口臭が発生したり、口臭のイメージが悪いことを気にし過ぎて、口臭がないのにあると思い込んだりする場合があります。
口臭を予防する方法
口臭を予防するには、口臭の2大原因である歯や舌の汚れと口の乾燥を防ぐことが大切です。
このふたつを基本として、そのほかの原因に応じた対策を行いましょう。原因がよく分からない場合は、歯科医院でアドバイスをもらうのがおすすめです。
- 歯磨き
- 口を潤わせる
- 禁煙
- 歯科医院を受診する
- 医科を受診する
歯磨き
歯磨きは、口内で口臭の臭いの素を作る細菌の活動を抑えるのに非常に効果的です。歯磨きがきちんとできていないと歯や舌に汚れが溜まり、虫歯や歯周病による口臭も引き起こします。
入れ歯の方は、洗浄剤や義歯ブラシで食後に入れ歯を洗浄し、舌に付着した汚れを歯ブラシで優しく擦るなどしてきれいにしましょう。
口を潤わせる
口臭を引き起こす大きな原因のひとつは口の乾燥です。口の乾燥が気になったら、以下の方法で口の中が潤うようにしましょう。
- ガムを噛んで唾液の分泌を促す
- 唾液腺マッサージで唾液の分泌を促す
- 水分を補給する(砂糖の入った飲み物やコーヒー、アルコールは口を乾燥させるのでNG)
禁煙
タバコは口臭を引き起こします。タバコそのものが原因のため、できれば禁煙をするのがおすすめです。
難しい場合はタバコを吸ったあとは歯磨きを行い、定期的に歯科医院のクリーニングを受けるなどして、ケアを怠らないようにしましょう。
歯科医院を受診する
歯科医院を受診することで、口臭の原因を取り除いて予防できます。
- 歯科医院のクリーニングで口臭の原因となる歯石を取る
- 被せ物や入れ歯の確認や作り直し
- 虫歯や歯周病があれば治療してもらう
医科を受診する
身体の病気によって口臭が起きている場合は、医科を受診して病気を治療する必要があります。
服薬によって唾液分泌量が減少して口臭が起きている場合は、薬の種類を変えられるか担当医師に相談してみるといいでしょう。
口臭の原因は沢山ある
口臭にはたくさんの原因があります。口臭がしたら日ごろの歯磨きや口に問題があるが、全身に何かの変調が起きているサインなので、見逃さないようにしましょう。
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365dentist総監修 歯科医師/勝屋友紀子
長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務
監修 歯科医師/Naomi
臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター