前歯が大きいと矯正が必要?

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最終更新日 2022年1月27日

「前歯が大きい」というと、上の真ん中にある2本の歯を指す方が多いでしょう。

この歯は口を開けたときに1番目立つところにあるため、前歯が大きいことが気になりやすいです。

大きい前歯でお悩みの方に、矯正が必要なのか、大きい前歯を小さくするにはどうすればいいかについてお話しします。

前歯が大きいと矯正が必要なの?

大きい前歯を改善するために矯正が必要かは、症例によって異なります。

前歯が大きい症例には、以下の3つのパターンが挙げられます。

  • 歯並びが原因で前歯が大きく見える
  • 前歯そのものが大きい、またはほかの歯が小さい
  • 歯並びと歯の大きさの両方が原因で前歯が大きい

ご自身がこの3つのどれに当てはまっているかが、前歯を小さくするために矯正が必要かどうかのキーポイントになります。

歯並びが原因で前歯が大きく見える

出っ歯(上顎前突)や歯並びの凹凸で隣の歯が隠れていることなどが原因で、遠近的に前歯が大きく見えているパターンです。

歯の位置関係によって感覚的に前歯が大きく見えるだけで、前歯そのものが大きい訳ではありません。

この場合は、前歯が大きく見える原因が歯並びの悪さにあるため、矯正をすると前歯の大きさも改善できます。

前歯そのものが大きい、またはほかの歯が小さい

矯正は歯並びを整えるもので、歯の大きさや形は変えられません。そのため、前歯が大きい原因が歯の大きさにある場合は、矯正は必要ありません。

前歯の平均的な大きさは、以下が目安です。

  • 横幅の長さ→男性が約8.6mm、女性が約8.5mm
  • 縦の長さ→約10〜11mm

この大きさよりも前歯が大きい場合は、歯そのものが大きいといえます。

また、前歯が平均的な大きさでも、ほかの歯が小さいと前歯が大きく目立つ場合もあります。

前歯を小さくするには歯を削るか、ほかの歯との大きさのバランスとるために、被せ物をして歯の大きさを変えることになります。

歯並びと歯の大きさの両方が原因で前歯が大きい

この場合は矯正と併用して歯を削るか被せ物をするなど、前歯の大きさを整えるための処置が必要になります。

最終的に前歯を小さくすることが目的で矯正をする場合は、カウンセリングの段階で矯正医にその旨をきちんと伝えましょう。

矯正計画に前歯の大きさの改善も含めておかないと、矯正が終わった段階で前歯を小さくしたときにすきっ歯になってしまったり、噛み合わせや歯並びが乱れたりする原因となります。

大きい前歯を小さくする方法

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大きい前歯を改善するには、以下の3つの方法があります。

  • 矯正をする
  • 被せ物をする(セラミック矯正)
  • 前歯を削る

矯正をする

歯並びが原因で前歯が大きく見えている場合は、矯正をすることで前歯を小さくできます。

矯正は大きく分けて、ワイヤー矯正とマウスピース矯正のふたつの装置を使った方法があります。

ワイヤー矯正

歯の表か裏側にブラケットという四角い装置とワイヤーを着けて、歯を動かします。

ワイヤーが形状記憶になっており、ワイヤーが元の形に戻ろうとする力で歯が動きます。

歯の凹凸が多くて骨格的に問題のある、抜歯や顎骨を切る処置が必要な症例に向いている装置です。

慣れるまでは食事や発音に大きな違和感がありますが、軽度から重度の出っ歯・歯列不正が原因の前歯の大きさの改善までほぼすべてに対応できます。

費用
  • 部分矯正(前歯のみ)→約8〜55万円
  • 全体矯正→約60〜150万円

費用に開きがあるのは、治療前の歯並びの状態や使用するブラケットとワイヤーの素材、装置を着ける位置、治療範囲の違いによるものです。

ブラケットとワイヤーの素材と種類のバリエーションとしては、以下の3つが代表的です。

  1. 金属のブラケットとワイヤーを歯の表に着ける
    →口を開けたときに圧倒的に目立ちます。
  2. 白いブラケットとワイヤーを歯の表に着ける
    →歯に馴染む色の装置を使用するため、金属性の装置よりは目立ちません。
  3. 歯の裏側にワイヤーを着ける
    →歯の表には一切装置が着かないので、口を開けたときにほぼ見えません。

1〜3の順に費用は高くなる傾向があり、治療中に装置が目立ちにくいものほど費用がかかります。

治療期間
  • 部分矯正(前歯のみ)→約3〜7ヶ月
  • 全体矯正→約1〜3年

治療期間は、歯を動かす範囲と量が大きいほど長くなる傾向があります。

マウスピース矯正

透明で歯にピッタリと沿う形状のマウスピースを定期的に交換しながら、歯を動かします。

マウスピースは現状の歯並びよりもほんの少しだけ歯並びが整った形に作られています。これを規定の時間より長く装着すると、マウスピースに合うように歯が動くため、歯並びがきれいになります。

マウスピース矯正の特徴は、自分でマウスピースの取り外しができることと非常に目立ちにくいことです。

慣れるまでマウスピース装着中の違和感は多少ありますが、食事や歯磨きの際に装置を取り外せるので、矯正前とほぼ同じように食事と歯磨きができます。

また、透明度の高い素材でできているので、他人と会話をしてもほとんど目立たず、矯正をしていることを気づかれにくいです。

費用
  • 部分矯正(前歯のみ)→約10〜70万円
  • 全体矯正→約80〜100万円

マウスピース矯正にはいくつかのメーカーがあり、メーカーと取り扱う歯科医院、症例、治療範囲によって費用に差が出ます。

治療期間
  • 部分矯正(前歯のみ)→約5ヶ月〜1年半
  • 全体矯正→約1〜3年

マウスピース矯正は、矯正医から指示された通りにマウスピースの使用時間などを自己管理する必要があります。

マウスピースの着け忘れや装着時間の不足が続くと歯が動かないため、治療期間が長引きます。

被せ物をする(セラミック矯正)

歯をひと回り削って、上から被せ物をして前歯の大きさを改善します。歯そのものの大きさが原因で前歯が大きい症例に有効です。

被せ物をする段階で、ある程度の歯のガタつきを修正して歯並びをきれいにできることから「セラミック矯正」とも呼ばれます。

歯の頭の部分を人工の歯に置き換えるため、歯の大きさだけでなく、色や形も選べるのが最大のメリットです。

ただし、歯を大きく削るため、場合によっては歯の神経を抜く必要があり、歯の寿命が短くなる危険があります。

また、被せ物の劣化や変色、破損、歯肉退縮による不適合などが起こる可能性もあります。

費用

1本あたり4〜10万円以上

被せ物の素材によって費用は異なります。被せ物の種類は、以下の3つが代表的です。

  1. ハイブリット
    →セラミックとプラスチックの混合です。プラスチックが含まれるので、変色の可能性があります。
  2. ジルコニア
    →ジルコニアは人工ダイヤモンドのことです。強度が高いですが、天然歯のような透明度が再現しにくく、色のバリエーションも少ないです。
  3. オールセラミック
    →審美性が高く、色のバリエーションも豊富です。天然歯に近くて審美性の高い素材です。強度を増やすためにジルコニアをベースにする場合もあります。

1〜3の順で費用は高くなり、審美性や強度が向上します。

治療期間

約1〜3ヶ月

前歯を削って被せ物をするだけなので、矯正よりも短期間で完了します。

前歯を削る

健康に影響のない範囲で歯を削って、被せ物をせずに完了する方法です。矯正をする際に、歯を並べるスペースを作るために行われることもあります。

「矯正治療のため」といった名目がない場合、健康な歯を削るのは良くないと考える歯科医師もいるため、単体での施術を推奨されることは少ないでしょう。

費用

健康な歯を削る処置は一般的ではないため、施術する歯科医院によって費用は異なります。

矯正と併用して行う場合は、矯正費用の中に含まれることがあります。

治療期間

歯を削るだけなので、即日完了します。

前歯を矯正で小さくするならまずは歯科医師に相談してみましょう

前歯を小さくするには、前歯が大きい原因が何かを正しく見極める必要があります。

前歯の大きさを矯正で改善できるか知りたい方は、まずは歯科医院のカウンセリングに行ってみることをお勧めします。

同じような境遇の人がいないか相談するなら匿名参加できるオープンチャットで相談してみましょう😊

また、都内で信頼出来る医院をお探しの方は歯科医師による無料カウンセリング、紹介サービスを行っている365dentist公式ラインもお勧めです。

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長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務

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臨床研修終後、都内審美歯科勤務。歯科医師/歯科ライター

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