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過剰歯ってなに?治療法や対処法を解説
お口の悩み

過剰歯ってなに?治療法や対処法を解説

過剰歯があると歯並びや噛み合わせが悪くなる
過剰歯のせいで永久歯が生えてこない
大人になってから過剰歯があると言われた

このようなことを聞いたことはありませんか?

今回は、過剰歯とは何か、過剰歯が引き起こす可能性のあるトラブル、過剰歯の治療方法やタイミングについて詳しく解説します!

過剰歯って何?

過剰歯

過剰歯とは、通常の歯の本数よりも余分にある歯のことです。

人間の歯は基本的に本数が決まっており、乳歯が全部で20本、永久歯は28〜32本あるのが一般的です。

永久歯の本数にばらつきがあるのは、親知らずがある人とない人がいるためです。この本数よりも歯が多い場合は過剰歯があると診断されます。

過剰歯が現れる確率は男性9.3%、女性2.9%であり、男性の方が多い傾向があります。また、乳歯よりも永久歯に多くみられます。(日本矯正歯科学科より)

骨の中に埋まっている過剰歯もあるため、虫歯などの治療の際にレントゲンを撮影し、大人になってから過剰歯があることに気づくというケースもあります。

過剰歯は永久歯の成長や歯並びに悪い影響を与えることが多いため、一部を除いて抜歯するのが一般的です。

過剰歯が引き起こすトラブル

過剰歯は以下のようなトラブルを引き起こす可能性があります。

・歯並びや噛み合わせが悪くなる
・永久歯の根が溶ける
・嚢胞ができる
・細菌感染

歯並びや噛み合わせが悪くなる

過剰歯がほかの永久歯が生えるのを邪魔してしまうため、永久歯が曲がって生えてきたり、永久歯が生えないなどして歯並びや噛み合わせを悪くする可能性があります。

過剰歯が永久歯の放出を邪魔する場所にある場合は、永久歯に生え変わる前に抜歯するのがおすすめです。
事前に抜歯しておくことで歯並びや噛み合わせの悪化を少しでも減らすことができます。

永久歯の根が溶ける

過剰歯が永久歯の根に接している場合、その刺激で永久歯の根を溶かしてしまう可能性があります。

永久歯の歯の根が溶けると歯の神経が死んで、歯の寿命が短くなります

嚢胞ができる

嚢胞とは、白血球の死骸が固まった膿の袋です。

過剰歯の周りには嚢胞ができることがあり、大きくなると痛みや炎症の原因となります。

また、嚢胞が大きくなることでほかの永久歯の根を溶かしてしまうことがあるので注意が必要です。

細菌感染

過剰歯に近接する永久歯が虫歯になると、過剰歯にまで細菌感染を引き起こして強い痛や腫れを引き起こしてしまう可能性があります。

過剰歯の種類

矯正のコピー 12

過剰歯にはいくつかの種類があり、過剰歯が発生する場所や生える向きによって以下の3つに分けられます。

・正中過剰歯
・順性過剰歯
・逆性過剰歯

正中過剰歯

正中過剰歯は、上の中央の前歯の間にある過剰歯です。歯茎の中に埋まっている過剰歯は「埋伏正中過剰歯」と呼びます。

過剰歯のうち49.2%は正中過剰歯または埋伏正中過剰歯であるとの報告もあり、過剰歯の中では最もポピュラーな症例です。

6〜7歳ころに発見されることが多く、永久歯の前歯が生えるのを邪魔します。

正中過剰歯はすきっ歯(正中離開)の原因になることが多いため、発見次第早期に抜歯をすすめられることが多いです。

順性過剰歯

純正過剰歯は、ほかの永久歯と同じ向きで生えてくる過剰歯です。

歯茎を突き破って口内に向かって生えてくることが多いため、歯並びや噛み合わせ、ほかの永久歯へのリスクが少ない場合は、生えてきたタイミングで抜歯することが多いです

逆性過剰歯

逆性過剰歯とは、通常の永久歯とは逆向きに生える過剰歯です。

「過剰歯が生える」と言っても歯茎の中に向かって成長するため、歯茎を突き破って口内に生えてくることはありません。

最悪、過剰歯が副鼻腔や上顎洞を突き破り、副鼻腔炎や上顎洞炎を引き起こす可能性があります。

歯茎の中に埋まっているため、抜歯をするときは歯茎を切開する必要があります

そのため、ほかの永久歯に悪い影響を与えない位置にある場合は、抜歯せずに経過を見ることが多いです。

過剰歯の診断方法

過剰歯

過剰歯は、生えてきている場合は歯の本数や形を診て判断することができます。

歯茎の中に埋まっている埋伏正中過剰歯や逆性過剰歯の場合は、目視で確認できないため、レントゲンを撮影して診断を行います。

・中央の前歯に隙間ができてすきっ歯になっている
・乳歯ができたあと半年以上経過しても永久歯が生えない

このような症状がある人は過剰歯がある可能性が高いので、歯科医院で診察を受けるのがおすすめです。

過剰歯の治療法とタイミング

過剰歯は状態や歯の生え変わりを考慮する必要があるので、どのタイミングで治療するかは歯科医院で判断してもらいましょう。

基本的には、過剰歯がほかの歯に影響がない場合は抜歯を急ぐ必要はありません。

過剰歯の予防は可能?

矯正のコピー 14

過剰歯の原因は解明されていないため、予防するのは難しいでしょう。

過剰歯の原因として、遺伝や歯の素となる「歯胚:しはい」が多く作られたり分裂してしまったりして過剰歯になるという説がありますが、あくまで仮説となります。

私たちができることは過剰歯の有無を確認し、歯並びや噛み合わせ、ほかの永久歯へのリスクを抑えるために経過観察を行い、必要に応じて過剰歯を抜歯することです

永久歯が生え変わってからだと、歯並びや噛み合わせにトラブルが生じる可能性が高くなります。

できれば歯が生え変わる7〜8歳ころに歯科医院で定期検診を受け、レントゲンで過剰歯がないか確認してもらうのがおすすめです。

過剰歯があることを早めに確認できれば、将来的な歯並びや噛み合わせの悪化、永久歯の根が溶けるリスクなどを最小限に抑えることができます。

まとめ

過剰歯は通常よりも余分にある歯のことです。

・歯並びや噛み合わせが悪くなる
・永久歯の根が溶ける
・嚢胞ができる
・細菌感染

このようなリスクがあるため、過剰歯がある場合は歯科医院で必要に応じて抜歯などの対策を講じるのがおすすめです。

・中央の前歯に隙間ができてすきっ歯になっている
・乳歯ができたあと半年以上経過しても永久歯が生えない

このような症状がある人は過剰歯がある可能性が高いので、歯科医院で診察を受けてみましょう。

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長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務

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臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター