歯磨きシートの選び方と正しい使用法・シートタイプの歯磨き剤
歯磨きシートという口内専用のウェットティッシュがあるのをご存じですか?市販されているものには、キシリトールが配合されているものや低刺激のノンアルコールタイプなど、さまざまな種類があります。使用することで、簡易的に口臭や口腔内の汚れを除去できます。こちらのコンテンツでは、歯磨きシートの選び方、歯磨きシートの正しい使用法、シートタイプの歯磨き剤のメリットなどについて解説します。
歯磨きシートの選び方
容量で選ぶ
携帯タイプ
フィルムで包装された少量タイプです。通常1パッケージに10〜15枚程度のシートが入っています。形状がコンパクトなため、ランチの後など外出先でサッと取り出して使うことができます。
大容量タイプ
フィルムタイプ
携帯タイプが1パッケージ10〜15枚なのに比べ、大容量のフィルムは80〜100枚程度のシートが入っています。自宅での日常使いのほか、防災用の備蓄用としても重宝します。
ボトルタイプ
大容量タイプはフィルム包装タイプのほかに、ボトルタイプもあります。ボトルが自立するため、スタンドしたまま保存や使用ができるので、頻繁に使用する場合に便利です。
成分で選ぶ
薬液配合
キシリトールなど口腔内をスッキリさせる成分が配合されています。それにより、汚れの除去だけでなく口臭を防ぐ効果も期待できます。また、緑茶ポリフェノールやヒアルロン酸など保湿成分が配合されている商品も人気です。
ノンアルコール
できるだけ低刺激のものを使いたい方は、ノンアルコールの歯磨きシートがおすすめです。主成分が純水のものなどが市販されています。
素材で選ぶ
化学繊維
市販品の多くは、レーヨンやポリプロピレンなどの化学繊維がメイン素材となっています。近年では品種改良が進み、化学繊維であっても肌触りの柔らかいものも市販されています。
天然コットン
より肌に優しい素材を使いたい方は、天然コットンのものを選ぶとよいでしょう。肌への摩擦が軽減されます。
清掃効果で選ぶ
歯磨きシートには、研磨剤が入っているもの、汚れの再付着の防止効果があるもの、凸凹メッシュ仕様で汚れを落とす効果が高いものなど多種多様な種類があります。大人の方が使用する際には、用途に併せて清掃効果の高いものを使用するのがよいでしょう。ただし、刺激が強いことがあります。そのため、乳幼児への使用は避けましょう。大人の方が使う場合にも、異常を感じた際には直ちに使用を中止し、医師へ相談しましょう。
形で選ぶ
シート型
シート状のものを指に巻きつけて清掃を行います。慣れないうちは少し扱いが難しいと感じることがあるかもしれません。何度か試しているうちにコツがつかめてくるでしょう。
指サック型
指型になっているため口腔内での動作性に優れています。歯だけにとどまらず、歯肉や舌の清掃やマッサージも同時に行えるメリットもあります。
歯磨きシートの正しい使用法
手順
1)シートを取り出す。
2)指に巻き付ける。
3)歯面またはお口の中全体の汚れを拭き取る。
使用上の注意点
お口の内
- 舌や歯茎などの粘膜部分を強くこすり過ぎないように注意しましょう。
- シート使用後は、水うがいの必要はありません。
- ブラッシングのような清掃効果はありません。
- 簡易的な清掃用具としてご使用ください。
- 口中の異常を感じた時には使用を中止し医師に相談しましょう。
お口以外
- お口の中の清掃以外には使用しないようにしましょう。
- 傷部位への使用は避けましょう。
- 一度使用したシートは処分しましょう。
- 唇や口周りの皮膚に発疹やかゆみ等の症状が出たら使用を中止し医師に相談しましょう。
お子さんへの使用
- 乳幼児に使用する場合は刺激のあるものは避けるようにしましょう。
- 使用時に飲み込まないように気をつけましょう。
- お子さんやご高齢の方が使用する際には周りの方が十分気を配りましょう。
品質管理
- 使用後はシートが乾燥してしまわぬようシールをしっかりと閉めましょう。
- 開封後はできるだけ早めに使用しましょう。
- 袋内の清潔を保つため一度取り出したシートは戻さないようにしましょう。
- カバンの中などで強く圧迫されると液漏れをする恐れがあります。
- 水に溶けないためトイレに流さないよう気をつけましょう。
- 乳幼児の手の届く場所には置かないように気を付けて保管しましょう。
- 品質の劣化をまねくため高温の場所や直射日光のあたる場所に放置しないように気をつけましょう。
シートタイプの歯磨き剤のメリット
大人の方
何といっても、外出先でも素早くお口の中を清潔にできるのが歯磨きシート最大のメリットと言えるでしょう。歯ブラシや歯磨き粉を用いたケアが難しいシーンでも、歯磨きシートなら手軽に口腔内ケアができます。また、水を使わずに汚れを落とせるため、防災グッズとしても備えておくとよいでしょう。非常食や簡易トイレ、防寒具などと併せてまとめておくと安心です。
お子さん
体調不良の時のお助けグッズ
普段は、お利口さんに歯磨きをさせてくださるお子さんでも、体調のすぐれない時には歯ブラシでのブラッシングを嫌がることがあります。伝染性の疾病の場合、長ければ完治まで数週間かかるものもあります。そのような時に、ずっと歯磨きをしないのは危険です。
なぜなら、虫歯になるほかに、お口の中の菌が身体に害を及ぼす危険があるからです。体調が優れない時には、通常よりも体力が低下しています。そのため、新たな感染症を引き起こすことがあります。二次的な疾病を引き起こしてしまわぬよう、歯磨きシートを上手に活用するのがおすすめです。
眠ってしまった時も安心
生えはじめの歯は柔らかいため、口内環境を良好に保ち、細やかにケアをしてあげることが重要です。もしも、お子さんが遊び疲れて眠ってしまっても大丈夫。歯磨きをし損ねてしまった時には歯磨きシートが重宝します。そのような時のために、常備しておくとよいでしょう。
清潔にケアできる
歯磨きシートは、使い捨てのため清潔に使えるのが魅力です。大人用もありますが刺激が強いため、必ず赤ちゃん専用の歯磨きシートを使いましょう。
使用は生後6カ月頃から
赤ちゃんの前歯が生えはじめる目安は、生後6カ月頃。前歯は奥歯と違いシャベル状で前方面と後方面の2面から構成されています。そのため、歯ブラシでこするよりもシートを用いた方が効果的に歯をきれいにできます。コツは、親指と人差し指で優しくつまむように動かすことです。
オーラルケアの習慣をつける
歯磨きシートは、歯ブラシによる本格的な歯磨きを始める前の練習にピッタリです。歯磨きシートでお口の中をきれいにする習慣がついていると、歯の清潔を保てるだけでなく、歯ブラシでの清掃に移行しやすいのも嬉しいポイントです。
まとめ
歯磨きシートは、手軽にお口の中を清潔にできるケアグッズです。災害時にも重宝するため、備えておくとよいでしょう。こちらのコンテンツを参考に、ご自身やご家族様にピッタリの歯磨きシートを探してみてください。
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365dentist総監修 歯科医師/ゆきこ
長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務監修 歯科医師/Naomi
臨床研修終了後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター