すきっ歯は矯正で治す?すきっ歯をごまかす方法はあるの?
歯とはの間に隙間があって気になります。
矯正で治す以外にすきっ歯をなくす方法はありますか?
すきっ歯は見た目にも気になる方が多いですよね。
今回は、すきっ歯を治す方法を矯正とそのほかの方法に分けてご紹介します!
すきっ歯とは
歯と歯の間に隙間が空いている状態です。
専門用語では「空隙歯列(くうげきしれつ)」と呼ばれ、1ヶ所だけに隙間がある場合や、全体的に隙間ができている場合などがあります。
なかでも、上の前歯の間に隙間が空いている状態を「正中離開(せちゅうりかい)」と呼びます。
歯と歯の間の隙間が大きくて目立つような場合は、見た目にコンプレックスを抱えることが多い歯並びです。
また、出っ歯や過蓋咬合など、ほかの不正咬合とともに現れることもあります。
かわいい?イケメン?すきっ歯を矯正しない人の印象
すきっ歯に抱く印象は、国の文化や考え方によって異なります。
日本や中国、アメリカでは、すきっ歯に対してあまり良い印象がない傾向がありますが、フランスでは「幸運の歯」として好まれる場合があります。
日本
歯の隙間から幸せが逃げていくというイメージがあり、すきっ歯を治したいと思う人が多いようです。
中国
中国でも、歯の隙間から幸せが逃げていくという考え方があり、すきっ歯の印象があまり良くありません。
アメリカ
アメリカには、身だしなみのひとつとして歯並びを整えておく文化があります。
「子どものうちに歯並びは治すものである」という意識も強く、大人になってもすきっ歯の場合は、相手から良い印象を持たれにくいです。
フランス
ほかの国とは反対に、歯の隙間から幸せが舞い込んでくるといわれており、すきっ歯のイメージは良いようです。
自然な美しさを重視する価値観を持つ人が多く、モデルや俳優などの芸能人にもすきっ歯を治さない人がいます。
すきっ歯を矯正した方がいい理由
すきっ歯の場合は、以下のような問題が懸念されることから、矯正するのがおすすめです。
- 見た目がコンプレックスになりやすい
- 前歯で食べ物が噛み切りにくい
- 食べ物が歯と歯の間に挟まったり詰まったりしやすい
- 空気が漏れるような発音になることがある
- 顎関節症などの問題を起こす可能性がある
見た目がコンプレックスになりやすい
日本や中国、アメリカなどではすきっ歯の印象があまり良くありません。
そのため、人と話すときに口元を隠してしまうなど、コンプレックスを抱く方も多いです。
前歯で食べ物が噛み切りにくい
前歯には、食べ物を噛み切る役割があります。
前歯がすきっ歯になっていると、隙間の部分は食べ物が噛み切れないことがあります。
食べ物が歯と歯の間に挟まったり詰まったりしやすい
隙間の大きさにもよりますが、食べ物が歯と歯の間に挟まったり詰まったりしやすいです。
食事中に口を開けたら食べ物が詰まっていて汚く見えてしまったり、挟まったままの食べ物が原因で口の中が不衛生になり、歯茎の炎症や虫歯を引き起こしたりすることもあります。
空気が漏れるような発音になることがある
歯には、舌や唇の形とともに発音を作る機能があります。
とくに「さしすせそ」は、唇を開けたまま上下の歯を閉じて発音するため、すきっ歯で歯と歯の間から空気が漏れて「スーッ」という空気が漏れるような音が混ざることがあります。
顎関節症などの問題を起こす可能性がある
すきっ歯は、出っ歯や過蓋咬合などの噛み合わせの悪い歯並びとともに現れることがあります。
噛み合わせが悪いと顎の関節に負担が掛かるため、顎関節症になる恐れがあります。
また、強く接触する歯だけ削れてしまうなど、歯の寿命に関わるトラブルを引き起こす可能性もあります。
すきっ歯の原因
すきっ歯には、以下のようなさまざまな原因があります。
- 顎の大きさと比べて歯が小さい
- 歯の本数の過不足
- 上唇のヒダが大きい
- 歯ぎしり・食いしばり
- 舌の癖
- 指しゃぶりの癖
- 歯周病
- 矯正後の後戻り
顎の大きさと比べて歯が小さい
顎の大きさと比べて歯が小さい場合は、歯が生えるスペースが余り、すきっ歯になることがあります。
全部の歯が小さい場合もありますが、矮小歯(わいしょうし)のように、特定の歯だけが小さい場合もあります。
歯の本数の過不足
歯の本数が多いか少ないことで、すきっ歯になる場合があります。
歯の本数が多い場合
人間の歯は、親知らず以外に全部で28本の歯があります。
通常よりも歯の本数が多いことを過剰歯(かじょうし)といい、過剰歯によって通常の歯が生える位置がずれて、すきっ歯になることがあります。
歯の本数が少ない場合
生まれつき歯の本数が少ない場合、歯の数が足りない分、顎のスペースが余ってすきっ歯になることがあります。
上唇のヒダが大きい
上唇の真ん中には「上唇小帯(じょうしんしょうたい)」という、唇と歯茎を繋ぐヒダがあります。
上唇小帯の先が上の前歯の間に割り込むくらい大きい場合は、すきっ歯の原因になると考えられています。
歯ぎしり・食いしばり
歯並びや噛み合わせによっては、歯ぎしりや食いしばりによって力が加わり、歯が動いてしまうことがあります。
歯の動き方によっては、すきっ歯を誘発する可能性もあります。
舌の癖
舌を歯に押し当てて前に突き出すなどの癖があると、歯に力が加わってすきっ歯になることがありす。
指しゃぶりの癖
3歳ころまでの指しゃぶりは、正常なため問題ありません。
しかし、それ以降も指しゃぶりが続いて癖になっている場合は、歯に変な力がかかってすきっ歯になることがあります。
歯周病
歯周病は、歯を支える骨や歯茎が溶けてなくなる病気です。
歯周病で支えを失った歯は動きやすく、噛む力や歯ぎしり・食いしばりなどの力ですきっ歯になってしまうことがあります。
矯正後の後戻り
矯正後に歯並びが元の位置に戻ることで、抜歯などで作ったスペースが余り、すきっ歯になることがあります。
矯正だけじゃないすきっ歯の治し方
すきっ歯を治すには、以下のふたつの方法があります。
- 矯正で歯を動かして隙間をなくす方法
- 補綴治療で隙間をごまかす方法
矯正で歯を動かして隙間をなくす方法
ワイヤー矯正やマウスピース矯正を行い、自分の歯を動かしてすきっ歯を治します。
メリット
自分の歯をそのまま活かして、きれいな歯並びに整えることが可能です。
また、矯正治療を行うことで、前歯の角度や噛み合わせの高さなども治せるため、出っ歯や受け口、過蓋咬合などの不正咬合も治療できます。
デメリット
歯を動かすには時間がかかるため、治療期間が長いです。
また、歯の形は変えられないため、矮小歯を大きくしたり、大きな歯を小さくしたりすることはできません。
補綴治療で隙間をごまかす方法
- 歯科用レジン(CR)
- ラミネートベニア
- 被せ物
これらの材料や人工の歯を使って、歯の形を変えてすきっ歯を治す方法です。
歯は動かさないため、すきっ歯が目立たないようにごまかす治療となります。
メリット
歯科用レジンや被せ物を装着するだけなので、数回の通院ですきっ歯が改善します。
そのため、歯を動かす矯正治療と比べて、圧倒的に治療期間が短いです。
デメリット
人工物を使用するため、以下のようなデメリットが生じます。
- ラミネートベニアや被せ物にする場合は、健康な歯を削る必要がある
- 変色や破損があれば再治療が必要
- 適応範囲が限られる
ラミネートベニアや被せ物にする場合は、健康な歯を削る必要がある
ラミネートベニアや被せ物の厚みの分だけ、健康な歯を削る必要があります。
歯を削る量によっては歯の神経を抜くこともあり、削っていない歯と比べると歯が脆くなります。
変色や破損があれば再治療が必要
一般的に、歯科用レジン(CR)は1年前後で変色し始める可能性があり、耐久年数は約5年です。
ラミネートベニアや被せ物の場合は、セラミックであれば10年以上の耐久性があり、変色も少ないです。
ただし、歯肉退縮などが原因でもっと早い段階で歯茎と被せ物の境目が合わなくなり、作り直しが必要になる場合があります。
メンテナンスを適切に行わない場合は、耐久年数はもっと短くなります。
ラミネートベニアや被せ物にする場合は、健康な歯を削る必要がある
ラミネートベニアや被せ物の厚みの分だけ、健康な歯を削る必要があります。
歯を削る量によっては歯の神経を抜くこともあり、削っていない歯と比べると歯が脆くなります。
適応範囲が限られる
噛み合わせが深すぎて被せ物がすぐ壊れてしまう可能性がある、隙間が大き過ぎて歯科用レジンや被せ物ではカバーできないなどの理由で、矯正をしないとすきっ歯を治せないことがあります。
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365dentist総監修 歯科医師/勝屋友紀子
長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務
監修 歯科医師/Naomi
臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター