歯磨き粉に含まれているフッ素の効果とは?危険ってほんと?
歯磨き粉に含まれているものの中に、フッ素が含まれているところを見た人も多いのではないでしょうか?
なんとなくフッ素入りの歯磨き粉を使用してるけれど
実はフッ素にどんな効果があるのかよく分かっていないんです。
そうですよね。ではフッ素にはどんな効果があるのか危険はないのか、
フッ素入りのおすすめの歯磨き粉についてご説明しましょう。
フッ素とは
そもそもフッ素とはどんなものなんですか?
フッ素とは魚介類や肉、牛乳、塩などを初めとするほとんどの食品に含まれている成分であり、毎日摂取する必要性があるほどの栄養素でもあります。
フッ素は普段からナトリウムやカルシウムと結合してフッ化ナトリウムやフッ化カルシウムとなっているため、常日頃からこれらの栄養素を摂取していることになります。
歯磨き粉に含まれるフッ素の効果
フッ素って意外と身近なものなんですね。知りませんでした。
フッ素についてわかったところで、
次に歯磨き粉に含まれるフッ素の効果について解説しますね。
エナメル質の修復を促進してくれる
歯の一番外側のエナメル質は、歯垢や細菌などから発生する酸によって溶け出してしまいます。エナメル質はカルシウムやリンでできていますが、それらが溶け出すことで虫歯菌が入り込む隙間ができてしまい、虫歯が進行しやすくなります。
しかし、フッ素は歯から溶け出したカルシウムやリンを補って、歯の再石灰化(エナメル質の修復)を促進してくれます。
再石灰化が促進されることで、虫歯菌が侵入するが無くなるため、虫歯予防になります。
歯質を強化してくれる
エナメル質は虫歯菌などの菌から歯を守る役割がありますが、お口の中が磨き残しなどで不衛生だと虫歯菌が繁殖しやすく、歯垢が溜まることで歯を溶かす酸を発生させてしまいます。
エナメル質は口内環境が不衛生であるほど溶け出しやすくなりますが、フッ素を使用することでエナメル質を酸に解けにくい強い歯質にしてくれます。
酸に溶けにくい歯質になることで、虫歯への抵抗力も高まります。
虫歯菌などの働きを弱める
虫歯菌は歯垢をエサに酸を発生させて歯を溶かしていきます。口内環境が不衛生な人ほど虫歯菌や酸が発生しやすくなりますが、フッ素は虫歯菌の力を弱めてくれるので歯を溶かす酸が作られるのを防いでくれます。
もちろん普段から歯磨きを習慣づけている人は歯垢も虫歯菌も少ない傾向にありますが、毎日のフッ素を使った歯磨きだけでは落としきれない歯垢もあります。
定期的に歯医者でプロによる歯のクリーニングやフッ素塗布を行うこともおすすめします。
フッ素に危険性はない?
フッ素は危ないって聞いたことがあるんですが…
フッ素の使用は適量であれば問題はありません。
フッ素を過剰摂取した場合は急性中毒か慢性中毒を引き起こす可能性があります。急性中毒の場合は下痢や嘔吐、悪心などの症状が一般的で、慢性中毒の場合はエナメル質の形成障害による歯の色や形の異常が発生する歯のフッ素症を引き起こす可能性があるでしょう。
ただし、フッ素によって中毒を引き起こす可能性があるのは、フッ素を過剰に体内に取り込んだ時です。フッ素入りの歯磨き粉はあくまで歯の表面にフッ素を作用させているだけなので、副作用が発生することはありません。多めに口の中に残しても体内に取り込まれる量はほんのわずか。
間違えて多めに歯磨き粉を飲んでしまった、お子さんが間違えて飲んでしまったという方も、基本的には歯ブラシに乗る程度の1〜2回分であれば特に心配いりませんので安心して下さいね☺️
フッ素は虫歯予防に関するエビデンスが高いため、虫歯予防としてフッ素入りの歯磨き粉を毎日使っても問題ありませんのでご安心ください。
フッ素濃度で何か違いはある?
歯磨き粉をよく見るとフッ素の数値が色々違うのですが?
いいところに気付きましたね!
フッ素濃度は高くなるほど虫歯予防効果が高くなります。
フッ素入りの歯磨き粉のフッ素濃度は基本的に500ppm~1500ppmとなっており、濃度が低いほど虫歯予防効果が低くなります。
なお、年齢によっておすすめの濃度、使用量が違うので注意しましょう。
- 3~5歳:500〜1000ppm 5㎜以下
- 6~14歳:1000ppm 1㎝程度
- 15歳以上:1000〜1450ppm 1~2㎝
以上の量を守って使用しましょう。
フッ素配合のおすすめの歯磨き粉3選
フッ素は虫歯予防になりますが、毎日コツコツ使用することで効果が発揮されます。
歯のエナメル質が溶ける脱灰と再石灰化は1日中めまぐるしく繰り返されているので、油断しているとすぐに虫歯になりやすいお口の環境になってしまいます。
初期の虫歯の場合、フッ素を使ったケアを行うことで再石灰化が行われ、虫歯の進行が止められる可能性があります。しかし、初期虫歯が修復されるには長期間必要とされているため、日頃からフッ素配合の歯磨き粉で、コツコツ歯磨きを続けることが重要です。
ライオン クリニカアドバンテージNEXTSTAGE歯磨き
こちらの歯磨き粉はジェル状になっており、歯と歯茎を優しく磨ける上にフッ素濃度も1450ppmと高いです。
虫歯予防はもちろん歯周病予防効果が期待できるだけでなく、硝酸カリウムが配合されているので知覚過敏の人も安心して使用できます。
シュミテクト シュミテクト歯周病ケア
こちらの歯磨き粉は高濃度のフッ素濃度1450ppmを配合しており、歯が染みるのを防いで歯周病予防ができるのが特徴です。
グリチルリチン酸やイソプロピルメチルフェノールといった薬用成分が配合されていて歯周病ケアに特化しており、さらに高濃度のフッ素によって虫歯予防もできます。
NONIO プラス ホワイトニング
こちらの歯磨き粉も1450ppmの高濃度フッ素が配合されており、同時にホワイトニング効果がある成分が配合されています。イオンクレンジング処方によって歯の表面に特石されたステインを浮かせて落としやすくします。
ステインを落とした後に酸化アルミニウムのシャイニーパウダーで、歯のミクロレベルの凹凸まで入り込んだ落としにくいステインまで除去してくれるのがポイントです。これによって輝く白い歯へ導いてくれるでしょう。
まとめ
フッ素はほとんどの食品に含まれている栄養素の一つであり、フッ素が配合されている歯磨き粉は虫歯予防に非常に役立ちます。
フッ素濃度が高いと何か危険性なのかと思ってたけれど、フッ素入り歯磨き粉を使い続けて大丈夫なんですね!
はい、虫歯は気付かないうちに進行しているので、普段のケアが大切。
清潔な口内環境を保つためにもフッ素入りの歯磨き粉で歯磨きを習慣化するのがおすすめです。
監修 歯科医師/Naomi
臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター
インビザラインドクター
365dentist総監修 歯科医師/勝屋友紀子
長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務