出っ歯はマウスピース矯正で治せるの?

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最終更新日 2021年8月26日

「上の前歯が突き出ている」

「出っ歯のせいで口元が閉じない」

不正咬合で多いお悩みのひとつに出っ歯があります。出っ歯は従来のブラケット矯正であれば治療可能ですが、マウスピース矯正で出っ歯は治せるのでしょうか?

今回は「出っ歯はマウスピース矯正で治療可能?」についてご説明します。

出っ歯はマウスピース矯正で治せる?治せない?

マウスピース矯正で出っ歯は治せます

マウスピース矯正で出っ歯は治せるのか?治せないか?気になりますよね。

結論から言うと、マウスピース矯正でも出っ歯治療は可能です。

ただし、マウスピースの種類によっては治せない出っ歯もあったり、ドクターの技術が追いついていない場合は出来ないこともあります。

今回はドクターのスキルは抜きにして、装置面で、出っ歯の矯正に適用できるマウスピース、できないマウスピースについてご紹介します。

インビザラインは重度の出っ歯にも適用できる

マウスピース矯正で出っ歯を治す場合、重度の出っ歯を治すことができるのはマウスピース矯正の中でもインビザラインだけです。このようなことを書くと「インビザラインの関係者なのでは?」と疑われてしまいますが、そういうわけではありません。

現在公式サイトが掲げる適応症例、歴史、これまでの蓄積された症例などから考えて、実際今のところはインビザライン以上に幅広い症例に対応できるマウスピース矯正はありません。

昔は、インビザラインですら重度の出っ歯は治せませんでした。しかし、多くの症例を経て、インビザラインは独自のデータ蓄積により現在では重度の出っ歯にも適用できるようになっています。ただし、あまりにも出っ歯の程度が重い(突き出し方が大きい)場合にはインビザラインでは治療不可能なケースもあります。

軽度~中程度であればインビザライン以外のマウスピース矯正もOK

出っ歯の症状が軽度~中程度であれば、インビザライン以外のマウスピース矯正でも治療可能なケースもあります。

マウスピース矯正の種類によっては中程度の出っ歯にも適用できるものもあるほか、全顎矯正にも対応しているものもあります。そのようなマウスピースであれば、軽度~中程度という制限はつきますが、マウスピース矯正で出っ歯の治療は可能です。

重度、中等度、軽度の診断は難しいですが、抜歯して全体を引っ込めるケースは重度、非抜歯でも全体的な調整が必要なケースは中等度、非抜歯でただ傾きを調整するだけで良いケースなどは比較的軽度と思って頂いて良いかと思います。

出っ歯を改善することで生まれるメリット

Eラインが整い、顔の美的印象UPにつながる

出っ歯や口ゴボなどの不正咬合は口元が前に突き出しているため、見た目の悪さを気にする人も多いです。

マウスピース矯正によって出っ歯を改善すると、Eライン(鼻の先端とあごの先端を結んだライン)の内側に上唇と下唇が移動します。個人差はありますが、Eラインのちょっと内側(2mm程度)に上下の唇がひっこむことにより、顔の美的印象をUPする効果を期待できます。

食べ物をしっかり噛み切れるようになる

出っ歯の場合、上の前歯が前に突き出しすぎていることできちんと食べ物が噛み切れないケースが多いです。マウスピース矯正で出っ歯を治すことで前歯が正常な位置に戻り、食べ物をしっかり噛み切れるようになります。

発音(発声)が良くなる

上の前歯は発音(発声)ととても深く関係しています。出っ歯の人は特に「サ行(さ・し・す・せ・そ)」の発音が不明瞭になりがちです。マウスピース矯正で出っ歯を治すと、本来あるべき位置に上の前歯が戻り、発音の改善につながります。

コンプレックスが解消される

出っ歯のせいで見た目を気にしてしまい、コンプレックスを持ってしまう人は少なくありません。マウスピース矯正で出っ歯を治すことで見た目が改善されコンプレックスの解消につながるほか、出っ歯のときに感じていた精神的ストレスも解消されます。

ちなみに出っ歯と口ごぼの違いはこちらの記事を参考にして下さい。

マウスピース矯正で出っ歯を治すときは歯を抜く?抜かない?

抜歯が必要なケースについて

マウスピース矯正、従来のブラケット矯正にかぎらず、出っ歯を治すときは抜歯が必要なケースがあります。特に、重度の出っ歯の場合は抜歯が必要になることが多いです。

出っ歯の治療は突き出ている上の前歯を奥側に移動させる治療です。抜歯によって歯が移動するスペースを確保することで治療が成功する確率が高くなります。

抜歯しないで治せるケースもあります

軽度の出っ歯であれば、マウスピース矯正で抜歯をせずに治せるケースもあります。(=非抜歯のマウスピース矯正)

出っ歯の治療で歯を抜かずに治す場合は、上の奥歯を奥に移動することですき間を作ります。すき間が足りないときにはIPRという方法を使って歯と歯の隣接面を削り、すき間を作って歯を動かしていきます。

出っ歯でマウスピース矯正を治すときの注意点

1.きちんと通院して歯並びを治す

現在は「自宅で治療可能」「通院は最初の1回だけ」のような「自宅型」マウスピース矯正が増えています。しかし、このような自宅型マウスピース矯正はあくまでも軽度の不正咬合にのみ適用可能です。

出っ歯はごく軽いものであれば、自宅型のマウスピース矯正でも治せるケースもありますし、インビザラインでもほとんど通院させずに治す先生もいらっしゃいますが、まれです。大きく動かす場合は通院して定期チェックを受けた方が安心かと思います。

2.抜歯が必要なときは抜歯した方が成功しやすい

出っ歯の矯正で抜歯が必要なのに歯を抜かずに治療をすると、「ゴリラ顔になる」「歯並びが改善されない」などのトラブルが発生することがあります。重度の出っ歯では歯を動かす距離(移動距離)が長くなるため、歯を抜いた方が良いケースが多いです。

結局、どのマウスピース矯正なら出っ歯を治せるの?

マウスピース矯正で出っ歯を確実に治したい場合、第一候補に挙がるのはやはりインビザラインです。インビザラインはそのほかのマウスピース矯正とは異なり、重度の出っ歯など、これまでマウスピース矯正では不可能とされてきた症例にも適用できます。

部分矯正で治せる出っ歯は軽度のみ

インビザライン以外のマウスピース矯正は部分矯正しかできないものがほとんどです。

出っ歯はごく軽度であればマウスピースを使った部分矯正で治せることもあります。しかし、中程度~重度の出っ歯の場合はインビザラインをおすすめします。どちらにせよ、どのマウスピース矯正で矯正を行うか、行えるかに関しては歯科医師へ相談が必要です。

【まとめ】

「出っ歯はマウスピース矯正で治せるの?」についてご説明しました。

・出っ歯はマウスピース矯正で治療可能

・ただし、重度の出っ歯に適用できるのは基本的にインビザラインのみ

・部分矯正では軽度の出っ歯しか治せない

・抜歯が必要か非抜歯かは歯科医師の判断をあおぐこと

出っ歯をマウスピース矯正で治したい方は、上記のポイントをご参考にして歯科医院を選ぶことをおすすめします。

インビザラインの治療の流れはこちら

マウスピース矯正は従来のブラケット治療より歴史が浅く、まだ発展途上の段階であるため、矯正専門の先生はブラケット治療をお勧めすることも多いです。インビザラインなどのマウスピース矯正をうまく使いこなせる先生も増えてきてはいますが、まだ全症例単独治療適応とは言い切れません。

見えづらい、食事が楽、などのメリットも多い治療ですが、装置で選ぶのではなく、ちゃんと診断できる先生を見極めた後に話し合って決めていきましょう。

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長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務

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臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は非常勤歯科医師/歯科ライター

日本歯科審美学会会員/インビザドクター

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