小児矯正の第1期治療をやめるとどうなる?メリットとデメリットを解説

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最終更新日 2023年12月12日

患者さん
患者さん

先生、小児矯正の第1期治療をしても永久歯が生えてからまた矯正しないといけないと聞きました。
小児矯正を第1期治療でやめるとどうなるのでしょうか?

歯科医師
歯科医師

小児矯正は、子どものときにやれば永久歯がきれいに生えてくると思い、第1期治療だけでいいと考えてしまう人も多いですよね。

では、実際のところどうなのでしょうか?
今回は、小児矯正の第1期治療をやめるとどうなるのかについて解説します!

小児矯正の第1期治療とは

小児矯正 第1期治療 やめる

小児矯正の第1期治療とは、乳歯から永久歯に生え変わる時期に行う矯正治療のことです。

3〜12歳ごろの子どもが治療対象となり、顎の成長や生え変わりなどに応じて以下のような治療を行います。

  • 出っ歯傾向の子ども→上顎の成長抑制、下顎の成長促進
  • 受け口傾向の子ども→上顎の成長促進、下顎の成長抑制
  • 舌癖による口呼吸の改善 など

これにより永久歯の歯並びや噛み合わせを乱す要因を早期に排除、子供の上下の顎の理想的な成長を促すことができるのが特徴です。

小児矯正には、第1期治療に対して12歳以降の永久歯が生えそろったタイミングで行う「第2期治療」というものもあります。

第2期治療は、これから一生使うことになる永久歯の歯並びと噛み合わせを整えるための仕上げの矯正治療です。

基本的には永久歯の歯並びと噛み合わせを整える大人の矯正と同じ治療を行います。

しかし、第1期治療で永久歯を並べるためのベースを骨格レベルで作っているため、大人の矯正と比べて歯並びや噛み合わせの異常が軽度であることが多く、

  • 大人の矯正よりも治療期間が短くなる可能性がある
  • 抜歯や顎の骨を切る処置を避けられる可能性がある

という点で矯正治療に望む子どもの負担を少なくできるというメリットがあります。

第1期治療だけでは、顎の中に埋まっている永久歯はコントロールできません。

そのため、小児矯正では第1期治療を行ったら第2期治療まで行うのが望ましいとされています。

小児矯正の第1期治療をやめるとどうなるのか?

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小児矯正を第1期治療でやめてしまうと、永久歯の歯並びや噛み合わせが整わない可能性があります。

第1期治療だけでは永久歯が並ばない可能性がある

第1期治療を行うと顎の骨の中にある永久歯がきれいに生えてくると思う人もいます。

しかし、実際は第1期治療だけでは永久歯がきれいに生えてこない場合が多いです。

顎の中で待機している永久歯がバラけて歯並びの乱れが軽減されるケースはありますが、第1期治療の段階で顎の中に埋まっている永久歯がきれいに生えるようにコントロールすることはできません。

永久歯が顎の中で曲がっていたり位置異常を起こしたりしている永久歯がある場合は、第1期治療だけで永久歯の歯並びがきれいになる可能性は低いでしょう。

第1期治療を終えただけでは永久歯の歯並びは乱れている可能性が高く、きれいに整えるには第2期治療が必要となります。

顎の成長によって噛み合わせが乱れる可能性がある

上下の顎の成長は、

  • 上顎→10歳前後がピーク
  • 下顎→女性15歳前後、男性18歳前後がピーク

です。そのため、第1期治療が終わったあとも顎の成長による噛み合わせの悪化というリスクが残ることになります。

第1期治療が終わった段階で上下の顎のバランスと噛み合わせが整っていたとしても、顎の成長によって再び上下顎のバランスや噛み合わせが乱れる可能性があるのです。

顎の成長は遺伝的な要因が関係していることが多いです。

特に遺伝的に出っ歯や受け口になりやすいと予想される場合は、第1期治療だけでは十分に噛み合わせの問題を解決できない可能性があるので注意しましょう。

小児矯正の第1期治療をやめる場合の注意点

小児矯正 第1期治療 やめる

小児矯正を第1期治療だけでやめる場合は、永久歯の歯並びや噛み合わせが整わないリスクがあることに注意しましょう。

第1期治療で永久歯を並べるための顎のベースを作っても、確実に顎の中にある永久歯がきれいに生えてきて噛み合わせが整うわけではありません。

永久歯の歯並びがきれいだったとしても、噛み合わせが整っていない場合は噛む力で歯並びが乱れることが多いです。

小児矯正は、

  • 第1期治療で永久歯を並べるためのベースを作る
  • 第2期治療で永久歯の傾きや位置を整える

という2ステップで治療を行うのが基本です。

小児矯正をする場合は、第2期治療まで行うことを前提に行うのが望ましいです。

まとめ

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小児矯正の第1期治療とは、乳歯がある段階で行う予防的な矯正治療です。

子どもの成長期を利用して顎の発育をサポートし、将来的に起こる可能性のある出っ歯や受け口などの悪化を防ぐことを目標に治療を行います。

第1期治療をしておくことで、第2期治療で永久歯の矯正治療をする際に大人の矯正と比べて永久歯の矯正にかかる治療期間が短縮できる可能性があり、抜歯や顎の骨を切る手術をするリスクも軽減できる可能性があります。

「子どもに矯正治療を受けさせたい」とお考えの方は、永久歯が生え揃ってからではなく、第1期治療から矯正治療を検討するのがおすすめです。

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長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務

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臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター

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