歯列矯正で使う青ゴムとは?痛いって本当?
ワイヤー矯正で使われる「青ゴム」というのを聞いたことはありますか?
矯正で使われる青ゴムとは「セパレーティングもジュール」とも呼ばれる小さなゴムです。
ゴム製で青い色をしていることが多いですが、違う色をしていたり、真鍮製やスチール製だったりするものもあります。
今回は、青ゴムの役割と効果、付け方、青ゴムで感じる痛みの原因と対策についてお話しします!
矯正の青ゴムとは|役割と効果
矯正で使われる青ゴムの役割は、金属バンドを奥歯に付ける前の下準備をすることです。
ワイヤー矯正では、第一大臼歯(6歳臼歯)に「金属バンド」と呼ばれる金属の輪っかを付けることが多いです。
金属バンドは厚みがあるので、基本的には歯と歯の間に隙間を作らないと入れることができません。
そのため、はじめに歯と歯の間を押し広げ、奥歯に金属バンドを取り付けるスペースを作る必要があります。
青ゴムには歯と歯の間を押し広げて隙間を作る効果があるため、ワイヤー矯正で金属バンドを用いる場合は、下準備として青ゴムが使われることが多いでしょう。
ちなみに、マウスピース矯正では金属バンドを用いることがないため、青ゴムも使いません。
矯正の青ゴムの取り付け方
矯正の青ゴムは歯医者で装着し、歯磨きや食事のときに青ゴムが外れてしまった場合は、予備の青ゴムを自分で付け直すように指示されることが多いです。
歯医者で青ゴムを付ける方法、自分で青ゴムを付ける方法を解説します。
歯医者で青ゴムを付ける方法
歯科医院では、専用の器具かフロスを使って青ゴムを引き伸ばし、フロスをするときと同じ要領で歯と歯の間に青ゴムを挿入します。
処置は、1ヶ所につき数十秒で終わることが多いです。
自分で青ゴムを付ける方法
自宅で青ゴムが外れてしまったときは、フロスを2本使って自分で青ゴムを装着します。
青ゴムにフロスを2本通して左右に引っ張り、青ゴムを薄く引き伸ばしたら、ノコギリを引くようにしてゆっくりと歯と歯の間に挿入します。
青ゴムは完全に歯と歯の間に押し込まず、上半分が噛む面から少し出ているくらいに留めます。
詳しいやり方や青ゴムを付ける部位は、はじめに歯医者で青ゴムを付けるときに教えてもらえます。
青ゴムは、食べ物を噛んだときや歯ブラシをしたときに外れたりちぎれたりすることが多いです。
心配な場合は無理に自分で装着しようとせずに、速やかに歯医者に連絡しましょう。
放置すると歯と歯の間の隙間が埋まってしまい、予定通りに金属バンドを付けることができなくなってしまいます。
矯正の青ゴムを使うときの痛みの原因
青ゴムを歯と歯の間に入れると歯が動くため、痛みや違和感が出ます。
何もしていなくても数日〜7日くらいは圧迫感や痛みが気になりやすいでしょう。
矯正治療中の痛みの感じ方には個人差がありますが、青ゴムを入れたときは特に痛みが出やすいと言われています。
理由は、通常のワイヤー矯正では1ヶ月ほどかけてゆっくり動かす歯の量を、青ゴムによって約1週間という短期間で動かすことになるからです。
通常よりかなり早いスピードで歯を動かすと、歯を動かす痛みを強く感じることが多いです。
しかし、青ゴムは金属バンドを取り付けるために必要な処置なので、対策を練って少しだけ頑張りましょう。
矯正の青ゴムの痛みを軽減する方法
矯正の青ゴムの痛みを軽減するには、以下のような対策が効果的です。
・痛み止めを服用する
・優しく歯磨きをする
・固い食べ物は避ける
・粘着質な食べ物は避ける
矯正の青ゴムの痛み対策①|痛み止めを服用する
青ゴムの痛みのピークは、装着から2〜3日くらいまでです。
痛みが強い場合は、痛み止めを服用しましょう。
痛み止めは歯医者から処方してもらえる場合と、市販の痛み止めを使用していいと言われる場合があります。
痛みが心配な方は、青ゴムを装着するときに痛み止めを処方してもらえるか、市販の痛み止めなら何を使えばいいか確認しておくと安心です。
規定の量の痛み止めを飲んでも効果がない場合は、何らか問題が起きている可能性があるので、歯医者に連絡しましょう。
食事や歯磨きのときに青ゴムが押し込まれすぎてしまい、歯茎に食い込んで炎症を起こしている可能性もあります。
矯正の青ゴムの痛み対策②|優しく歯磨きする
歯ブラシなどで動かしている歯を強く擦ると、その刺激で痛む場合があります。
優しく歯ブラシを当てて擦るようにしてなるべく歯に圧力をかけないようにしましょう。
歯ブラシでゴシゴシ擦ると青ゴムが千切れることもあるので、その予防にも効果的です。
矯正の青ゴムの痛み対策③|固い食べ物は避ける
歯が動いているときに固い食べ物を噛むと、その刺激で痛みが強くなります。
痛みが気になる場合は、柔らかい食べ物を選ぶようにしましょう。
煮込み料理、柔らかく煮たうどん、おかゆなどがおすすめです。
矯正の青ゴムの痛み対策④|粘着質な食べ物は避ける
青ゴムを装着している間は、ガムやキャラメルのような粘着性の高い食べ物も避けるようにしましょう。
青ゴムのまわりについた食べ物を取るのが大変ですし、まとわりついた食べ物を取るために歯ブラシなどで強く擦ると痛みが出やすくなります。
また、粘着質な食べ物が青ゴムにくっついて歯と歯の間から抜けてしまう可能性もあるので、注意しましょう。
まとめ
矯正で使われる青ゴムは、奥歯に金属バンドを取り付けるための下準備として使うものです。
青い色の小さなゴム製のリングが一般的ですが、真鍮製やスチール製の素材のものもあります。
青ゴムを付けると歯が動くので痛みを感じることが多いですが、最大7日くらいで収まります。痛み止めを飲むなどして対策を取りましょう。
青ゴムが外れた場合は、基本的に付け直しが必要です。歯医者に連絡するか、予備の青ゴムを渡されている場合は自分で付け直すようにしましょう。
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365dentist総監修 歯科医師/ゆきこ
長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務監修 歯科医師/Naomi
臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター