大人の歯列矯正やめたほうがいいって本当?
先生、大人の歯列矯正はやめたほうがいいと聞きました。
私も今から矯正したいと思っているのですが…
今回は、大人の歯列矯正はやめたほうがいいのか、大人の矯正のメリットとデメリットなどを踏まえてお話しします!
大人は歯列矯正をやめたほうがいい?
「大人は歯列矯正をやめたほうがいい」と言われるのは、歯列矯正にデメリットとリスクが伴うからです。
歯列矯正のデメリットやリスクは、どの年齢層でも起こりうる問題です。
ただし、大人の歯列矯正は比較的若い年齢層の人の歯列矯正と比べて
- 加齢変化による歯肉退縮、骨の硬化、口周りの筋力低下が起こりやすい
- 彼せ物やインプラントが多い傾向がある
- 年齢とともに歯周病リスクが高くなる傾向がある
ことによって歯列矯正のデメリットやリスクが起こる確率が高くなり、歯列矯正の仕上がりや顔貌に影響を与えることがあります。
しかし、歯列矯正をすることで得られるメリットは多く、年齢や口の状態に応じた対策を講じることでカバーできるデメリットやリスクもあります。
デメリットとリスクだけに注目して「大人になってからの歯列矯正はやめたほうがいい」と考えるのではなく、メリットも考慮して検討するといいでしょう。
大人の歯列矯正のデメリットとリスク
大人の歯列矯正には、以下のようなデメリットやリスクがあります。
- 矯正装置による違和感や不便が生じることが多い
- 歯列矯正による副作用が起こる可能性がある
- 歯医者へ定期的に通院する時間の確保が必要
矯正装置による違和感や不便が生じることが多い
ワイヤー矯正にしてもマウスピース矯正にしても、歯を動かすためには矯正装置を歯に着ける必要があります。
歯に小さな食べかすが挟まっているだけでも気になるほど口の中は敏感です。
そのため、矯正装置を着けるだけで大きな違和感が生じることになり、食事や発音などに少なからず不便を感じることが多いです。
基本的に時間が経てば慣れますが、矯正装置が着いていないときと同じように過ごせる訳ではないので、ある程度の違和感や不便には折り合いをつける必要があります。
歯列矯正による副作用が起こる可能性がある
歯列矯正では以下のような副作用が起こるリスクがあります。
- 歯が動く痛み
- 矯正装置が口に当たる痛み
- 歯肉退縮
- 歯根吸収
- 歯髄壊死
- ほうれい線が目立つようになる
- ワイヤー矯正による金属アレルギーの発症
- 顎関節症の発症
- 不定愁訴(ふていしゅうそ)の発現
- 人工歯の作り直しやインプラントのやり直しが必要になる など
大人の歯列矯正に限らず、すべての年代で起こりうることですが、年齢が高くなるほど新陳代謝が緩やかになるのでリスクは高くなります。
歯列矯正で起こりうるトラブルやリスクは、しっかりと理解してから始めるようにしましょう。
歯医者へ定期的に通院する時間の確保が必要
歯列矯正には1〜3年ほどの時間がかかるため、定期的に歯医者に通うための時間を作る必要があります。
歯科医師の指示通りに歯医者に通えないと治療が進まないため、治療期間が伸びる可能性があります。
大人の歯列矯正のメリット
大人の歯列矯正には、以下のようなメリットがあります。
- セルフケアがしやすくなる
- 噛み合わせによる歯のダメージを軽減できる
- 全身の健康に繋がる
- 第一印象アップに繋がる
セルフケアがしやすくなる
歯が重なって生えていると、歯磨きなどのセルフケアが難しいです。
歯並びがいいと歯の凹凸部分が少なくなるので歯磨きがしやすくなり、歯垢や歯石が溜まりにくくなることで虫歯や歯周病のリスクが下がります。
噛み合わせによる歯のダメージを軽減できる
噛み合わせがいい状態というのは、すべての歯が噛んだときの負担を適切に受け止められる状態です。
噛み合わせが悪いと一部の歯にだけ負担がかかるため、歯髄炎や外傷性咬合によって歯の寿命が短くなる可能性があります。
そのため、歯列矯正で噛み合わせを整えることで、歯にかかる負担を軽減することができます。
全身の健康に繋がる
自分の歯で噛むことは、脳の活性化やスムーズな消化を助けます。
歯列矯正でセルフケアのしやすい口内環境を整えることや噛み合わせによる歯のダメージを軽減させることは、自分の歯を守ることに繋がります。
自分の歯を守ることは、さらに全身の健康に繋がるのです。
第一印象アップに繋がる
歯並びが整うと笑顔が素敵に見えるので、第一印象の向上に繋がります。
海外では歯並びがいいことが当たり前だという考えを持つ人も多く、グローバル化が進んだ日本でもこの考え方が広まっています。
昨今日本では60歳以降で矯正を始める人も多く、歯並びへの意識が変わってきているようです。
大人の歯列矯正にかかる費用
大人の歯列矯正にかかる費用は、
- 全体矯正で70〜150万円ほど
- 部分矯正で10〜50万円ほど
が相場です。
これに加えて、以下の費用がかかることがあります。
- 初診料(カウンセリング料)→無料~5,000円ほど
- 検査・診断料→3〜5万ほど
- 調整料(処置料)→3,000〜6,000円ほど
- 保定装置代(リテーナー代)→10,000〜60,000円ほど
- 保定観察料→2,000〜5,000円ほど
歯列矯正の費用は、使用する矯正装置、歯並びの状態、部分矯正が全体矯正かによって費用が異なります。
また、歯列矯正は自費診療となるため、歯科医院ごとに自由に費用を設定できます。
費用相場はありますが、同じ症例でも立地、治療計画、使用する矯正装置、調整料(処置料)やカウンセリング料の有無などで費用が変わるのが一般的です。
大人の歯列矯正にかかる期間
大人の歯列矯正にかかる期間は、
- 全体矯正で2〜3年ほど
- 部分矯正で半年〜1年ほど
が一般的です。
歯を動かす量が少ない軽度症例であれば治療期間は短くなり、歯を動かす量の多い重度症例になるほど治療期間は長くなる傾向があります。
大人の歯列矯正の痛み
歯列矯正では、歯が動く痛みや矯正装置が口に当たる痛みなどが出ることが多いです。
痛みのピークや痛みの対処法について、事前に確認しておきましょう。
大人の歯列矯正で失敗・後悔するパターン
大人の歯列矯正では以下のような理由で「失敗した」「後悔している」という声を聞くことがあります。
- 噛み合わせが悪化した
- 虫歯や歯周病になった
- ブサイクになった など
基本的には、治療計画の不備、セルフケアを怠ったこと、歯列矯正のデメリットやリスクを理解していないことなどが原因になることが多いようです。
失敗や後悔をしないために歯医者選びは慎重に行い、歯列矯正のデメリットやリスクをしっかり理解しましょう。
大人の歯列矯正で後悔しないための方法
大人の歯列矯正を成功させるためには、どのような矯正歯科を選ぶかが重要です。
以下のポイントを抑えて、自分に合った矯正歯科を選びましょう。
- さまざまな治療方法を提案してくれる
- メリット・デメリットの両方を説明してくれる
- 通いやすい場所にある
- 予約が取りやすい
- 医師・スタッフ・院内の雰囲気やフィーリングが合う
まとめ
「大人の歯列矯正はやめたほうがいい」と言われるのは、歯列矯正起こりうるデメリットやリスクを取りたくないと考える人がいるからです。
歯列矯正のデメリットやリスクは、年齢や口の状態に応じた対策を講じることでカバーできることもあります。
デメリットとリスクだけに注目して「大人になってからの歯列矯正はやめたほうがいい」と考えるのではなく、歯列矯正のメリットも考慮して検討するといいでしょう。
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365dentist総監修 歯科医師/ゆきこ
長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務
監修 歯科医師/Naomi
臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター