口呼吸から鼻呼吸に切り替えた結果、顔も変わるって本当?
先生、口呼吸から鼻呼吸に切り替えると結果的に顔が変わると聞きました。
これって本当ですか?
そうですね。状態によって異なりますが、可能性がないわけでもありません。
今回は、口呼吸から鼻呼吸に切り替えた結果、顔が変わるのか?についてお話しします!
口呼吸から鼻呼吸に切り替えた結果、顔は変わる?
人間の呼吸法には、鼻から酸素を取り込む「鼻呼吸」と口から酸素を取り込む「口呼吸」があります。
人間は基本的に鼻呼吸をメインで行い、何らかの理由で鼻だけで酸素を十分に取り込めないときに口呼吸を行います。
呼吸法と歯並びや口周りの筋肉の形には関係があり、お互いに影響を与えます。
そのため、口呼吸から鼻呼吸に切り替えると歯並びや口周りの筋肉が変化して、顔が変わる可能性があります。
ただし、口呼吸から鼻呼吸に切り替えた結果、顔が変わる可能性があるかどうかは、子どもと大人で変わります。
成長期の子どものうちに口呼吸から鼻呼吸に切り替えると顔が変わる可能性がある
成長期にある子どものうちに鼻呼吸をメインに行うようにすると、将来的な顔つきが変わる可能性があります。
一般的に口呼吸で唇が閉じない子どもは、歯を内側に押し込む力と舌で内側から歯を押し出す力のバランスが乱れて、将来的に出っ歯や口ゴボ、受け口などを引き起こす可能性があります。
それぞれの歯並びには、
- 出っ歯→鳥やウサギのような顔つき
- 口ゴボ→口元が盛り上がった顔つき
- 受け口→鼻が凹み、しゃくれた顔つき
のような独特な顔つきがあり、重症化するほど顔つきの変化がはっきりと現れます。
成長期にある子どもは、小児矯正で上下顎の発育をサポートするとともに、口呼吸から鼻呼吸へ切り替えるための訓練を行うことで、歯並び悪化による将来的な顔の変形を予防できる可能性があります。
成長が終わった大人は口呼吸から鼻呼吸に切り替えても顔が変わる可能性はほぼない
成長期が終わった大人は、すでに歯並びの乱れにより顔つきが変化して、顔の骨の形が固定されています。
そのため、口呼吸から鼻呼吸に切り替えても顔が変わることはほとんどありません。
顔つきを改善したい場合は、矯正治療や美容整形を行うことになります。
あなたは口呼吸?チェックリスト
口呼吸かどうかをチェックしましょう。
ひとつ当てはまれば、口呼吸をメインで行っている可能性があります。
- ふと気づくと口が開いている
- 口が閉じられない
- 口を閉じると下顎の先(オトガイ)にシワができて固くなる
- 口や唇が乾燥しやすい
- 朝起きたときに口が乾燥して喉が痛いことがある
- 口臭が起こりやすい
- イビキをかいている
- 食べ物をクチャクチャ噛んでしまう
- 話すときに唾が飛びやすい
- 鼻が詰まりやすい
- 風邪を引きやすい
口呼吸のデメリット
口呼吸には、以下のようなデメリットがあります。
- 歯並びが変化して顔つきが変わる
- 病気に罹りやすくなる
歯並びが悪化して顔つきが変わる
口呼吸を行うと、口周りの筋肉と舌の力のバランスが乱れて、歯並びが悪化することがあります。
歯並びは顔つきやフェイスラインにも影響を与えるため、歯並びの悪化とともに顔つきも変わっていきます。
病気に罹りやすくなる
口呼吸は、口から直接空気を吸い込むことになるため、ダイレクトに細菌やウイルス、空気中の汚れなどを身体の中に取り込んでしまいます。
そのため、風邪やウイルス性の病気に罹りやすいです。
また、口が常に開いているため、口の中が乾燥しやすいのも問題です。
口の乾燥は、口内細菌の活発化を招きます。
そのため、
- 虫歯
- 歯周病
- 口臭
- 口内炎
などの口の病気のリスクが高くなります。
口呼吸から鼻呼吸に切り替える方法、鼻呼吸のやり方
口呼吸は、身体にも口にも悪い影響を与えるため、鼻呼吸に切り替えるのが望ましいです。
鼻呼吸に切り替える方法には、以下のような方法があります。
- 鼻呼吸をするように意識する
- 矯正治療を行う
- 舌の訓練を行う
- 口周りの筋肉を鍛える
- 市販の口呼吸改善グッズを使用する
鼻呼吸をするように意識する
口呼吸は無意識に行われていることがほとんどです。
難しいことですが、口が開いているときは閉じるようにして、鼻呼吸を意識的に行うようにしましょう。
矯正治療を行う
歯並びや上下の顎の大きさが原因で口呼吸になっている場合は、矯正治療を行うことで鼻呼吸に切り替えやすい歯並びにすることができます。
舌の訓練を行う
舌の訓練を行い、舌が正しい位置にくるようにすると、口呼吸から鼻呼吸に切り替えやすくなります。
口呼吸は、舌が正しい位置にない場合にも起こります。
舌は、口を閉じたときに上顎に付いているのが正しい位置です。
「あいうべ体操」を行い、舌の筋肉を鍛えると、舌が正しい位置にきやすくなります。
あいうべ体操
- 大きく口を開けるようにして「あ、い、う」と声に出して発音します。
- 最後に「べ」と発音しながら、大きく舌を下の方に押し出して伸ばします。
この工程を食後に10セット、朝、昼、晩の1日計3回行います。
舌に筋力がつくまで、1ヶ月以上行いましょう。
口周りの筋肉を鍛える
口周りの筋肉が弱いと、唇を閉じられずに口呼吸になることがあります。
ガムを噛むことで、口周りの筋肉が鍛えられて、口呼吸から鼻呼吸へ切り替えやすくなります。
市販の口呼吸改善グッズを使用する
口呼吸を改善するためのグッズが、市販でいくつか販売されています。
鼻呼吸に切り替えるためのサポートとして、歯科医師に相談のうえ使用してみるのもいいでしょう。
口呼吸を改善するグッズは、以下のようなものが代表的です。
- 寝ている間に口が開かないように唇を抑えるテープ
- 舌の位置を誘導するマウスピース
- 口が開かないように顎を抑えるサポーター
ただし、使い方によっては呼吸ができなくなったり、顎の関節や噛み合わせに悪い影響が出る場合があります。
使用する場合は、使い方をよく理解し、歯科医師に相談してから使うのが望ましいです。
口呼吸から鼻呼吸に切り替えた結果、確実に顔が変わるとはいえない
口呼吸の人が鼻呼吸に切り替えても、既に顔つきや歯並びが変わっている場合は、大きな改善が見られることはほとんどありません。
しかし、口呼吸は病気や歯並びの悪化などを招くリスクが高いため、矯正治療、舌・口周りの筋肉のトレーニングなどを行い、鼻呼吸に切り替える方がいいでしょう。
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365dentist総監修 歯科医師/ゆきこ
長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務
監修 歯科医師/Naomi
臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター