指しゃぶりは歯並びに関係する?
眠たい時や口が寂しい時、気付いたら子どもが指しゃぶりをしていることってありますよね。
指しゃぶりが続くと、歯並びが悪くなるんじゃないの!?
と心配に親御さんも多いかと思います。
今回は指しゃぶりがどのように歯並びに影響するか、やめさせ方や時期など、詳しく解説します。
小さな子どもが指しゃぶりをするのには、ちゃんと理由があります。
指しゃぶりはいつ辞めさせる?
乳児期
乳児の指しゃぶりは、吸啜反射といってお母さんのお乳を飲むために必要な機能です。
お母さんのお腹の中にいる頃から、指しゃぶりをして練習しています。
生きていくために必要な機能ですし、もちろん歯並びに影響はないのでこの時期に辞めさせたりする必要はありません。
その他にも、おもちゃ代わりだったり、自分の指を口に運ぶ練習だったりと、発達の過程で必要な動作なのです。口元の満足=安心感、というものが育つのもこの時期です。
2~3歳頃
2歳半をすぎる頃には乳歯が生え揃います。その頃に指しゃぶりを続けていると、上の前歯が前に出て、下の前歯が奥に引っ込むような『出っ歯(上顎前突)』もしくは上の前歯と下の前歯が噛み合わせようとしても隙間ができる『開咬』になる可能性があります。
しかし、この頃はまだそこまで気にする必要はありませんので温かく見守ってもよいでしょう。
心配していたのですが、もう少し見守ってても良いのですね。
幼児期
幼児期に入るころには、指しゃぶり以外の楽しい遊びが増えてきますので、自然と指しゃぶりの時間は減ってきます。しかし、新しい刺激が増える分、ストレスも感じやすいため、眠る時や安心したいとき、あるいは暇な時などに指しゃぶりがみられるようになります。
3歳頃からは、お家の人だけでなく、お友達と遊んだりすることで、指しゃぶりの時間はぐっと減っていきます。眠る時の癖などで少し指しゃぶりをすることはあっても、起きている時はほとんどしなくなります。そして5歳になる頃には、ほとんどの子が指しゃぶりから卒業します。
出来れば4歳、遅くても6歳までには指しゃぶりは辞めさせておきたいですね。
指しゃぶりのやめさせ方
子どもの指しゃぶりをやめさせるには、いくつか方法があります。
指しゃぶり以外に興味を持たせる
まずは、他に興味を逸らす方法です。積み木やパズルなどの指を使う遊びを積極的に取り入れて集中させたり、外でしっかり体を動かす運動遊びを取り入れて、ストレスを発散させましょう!
指しゃぶりをする暇を与えない、といった感じでたくさん遊ばせることがポイントです。
いっぱい遊ばせて、指しゃぶりもしないでぐっすり寝てくれると嬉しいな
眠い時の指しゃぶり対策
しかし眠る時どうしても口寂しくて指しゃぶりが辞められない場合
・眠れるまで絵本を読んであげる
・添い寝
・手を繋ぐ
など指しゃぶりなしでも安心して眠れる環境を作ってあげるのも効果的です。
安心して眠って自然にやめてくれるようになれば嬉しいですよね。
指しゃぶりできなくする
物理的な方法になりますが、指しゃぶりをできなくしてしまう方法です。
・手袋をして指を隠してしまう
・絆創膏を貼って違和感を与える
など身近なももで簡単にできる方法もあります。
好きなキャラクターの絆創膏はってみようかな!
指しゃぶり防止グッズ
指しゃぶりをやめさせるためのグッズも販売されています。いくつかご紹介していきますね。
指しゃぶり防止マニキュア
マニキュアのように爪に塗っておくと、指しゃぶりをしたときに独特の苦味成分がおくちの中に拡がるようになっています。苦味といっても、お子さんに害がないように作られているので、安心して使用できます。
矯正器具
指に装着して、吸い付きづらくする矯正器具もあります。指しゃぶりをしたくても、空気が抜けて吸った感覚がないため自然と興味をなくす、という仕掛けのものになります。お子さんに嫌な気持ちを与えず辞めさせたい方にはおすすめです。
絵本
指しゃぶりが怖くなるような内容の絵本もあります。作者の方は指しゃぶりを辞めさせようと作ったわけではないようですが、お子さんによってはかなり恐怖を感じる作品のようです。
この絵本、効果があるお子さんも多いようなので、結局は本人に辞めようという気持ちが生まれることが大事なんでしょうね。
「たこゆび」っていう絵本ママ友におすすめされたことあるわ!
子供の矯正はいつから?
小児矯正は、基本的には6歳頃(乳歯から永久歯に生え変わる頃)から始めることが多いですが、3歳児の歯科検診などで不正咬合(受け口など)が認められた場合などは、早めに始めたほうが良いこともあります。
気になったら何歳でもご相談ください!矯正する必要のない時期のご相談であれば、適切な時期になるまで一緒に経過を見ていきましょう。
乳歯から生え変わる頃の矯正は、1~4年ほどかかるとされており、永久歯の生えてくるスペースを確保したり、歯の位置を整えたりします。お子さんの矯正にはマウスピースタイプや床矯正装置、顎の成長を促す装置など、さまざまな装置を使い分けて行います。装置を装着していないと矯正されないので、先生に言われたとおりの時間は必ずはめる癖をつけましょう!
指しゃぶりによる歯並びの悪さは大人でも矯正できる?
子供の頃に指しゃぶりをしていて歯並びが悪くなってしまって…
大人になった今、歯並びを矯正したいです。
どんな歯並びでも基本的には矯正が可能ですが、
矯正方法は歯並びの状況によって変わってきます。
などがあります。歯並びが悪くなる原因はさまざまですが、指しゃぶりによる出っ歯(上顎前突)や開咬は、歯列の矯正だけでなく指しゃぶりを辞めるといった生活習慣の見直しも必要となってきます。
いくら装置をつけて歯並びを綺麗にしても、指しゃぶりや爪噛み・舌を歯に押し付ける癖などがあると元に戻ってしまうことがあります。
歯科医院で指導されるとは思いますが、意識して気をつけるようにしましょう。
指しゃぶりは本来自然とやめられるもの
指しゃぶりは、幼い頃にしていたとしても6歳頃には自然とほぼしなくなるものです。
ずっとやめられない場合には、なにか原因があるかもしれませんので、まずはその原因を探ることが大事です。
本当に指しゃぶり辞められるのかしら…
親御さんだけで抱え込まずに、お気軽に歯科医院で相談してくださいね!
監修 歯科医師/Naomi
臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター
インビザラインドクター
365dentist総監修 歯科医師/勝屋友紀子
長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務