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MFT(口腔筋機能療法)とは?
小児歯科

MFT(口腔筋機能療法)とは?

生涯にわたって美しい歯並びでいたい。これは、多くの方に共通する願いでしょう。

その希望を叶える方法として「MFT(口腔筋機能療法)」という機能訓練があります。こちらの記事では、「MFT(口腔筋機能療法)」のメリット、デメリットなどについて解説します。

チェックリストもありますので、ぜひ試してみてください。

MFTとは

「MFT」とは、口腔筋機能療法のことです。「無くて七癖」ということわざがありますが、この癖や生活習慣が、乱れた歯並びやさまざまなトラブルの原因になることがあります。「MFT(口腔筋機能療法)」は、口元の機能訓練を通して、それらの原因を取り除き正常な発育や発達を促します。

いくつあてはまりますか?

MFTとは

歯並びが悪くなったり、口元の成長が阻害される生活習慣や症状について、いくつ当てはまるかチェックしてみましょう!

▪️口元の状態チェック

・唇が荒れやすい

・いつもポカ〜ンと口を開いている

・唇にギュッと力が入っていることが多い

・舌の先がいつも前歯の隙間に触れている

・歯にものが詰まったときにいつも舌で触れてしまう

▪️お食事の習慣チェック

・硬い食べ物が苦手

・柔らかい食べ物が好き

・あまり噛まずに食物を飲み込む

・水分を摂らないと食事ができない

・食物を口に運ぶとき舌で食べ物を誘い込む

・水を飲み込むときに口の周りに力が入ってしまう

・食事をする時にクチャクチャと音を立てて食べる

▪️身体の状態チェック

・猫背

・口呼吸

・風邪をひきやすい

・口の中が渇きやすい

▪️生活習慣のチェック

・頬杖をつく

・横向きで眠る

・唇を噛む癖がある

・爪を噛む習慣がある

・前屈みの姿勢が多い

・指しゃぶりの習慣が抜けない

・足が着地しないイスで食事をしている

いくつ当てはまりましたか?当てはまる項目が多いほど、将来的に歯並びを悪くしてしまったり、身体の成長を阻害したりする危険性があります。次の項目では、原因と影響について解説します。

歯並びが悪くなる2つの原因

歯並びが悪くなる要因には、さまざまな理由があります。その中でも、大きく分けて2つの原因があるとされています。それは「遺伝的要因」と「環境要因」です。

▪️遺伝的要因

「遺伝的要因」とは、生まれ持った資質的な要因のことです。骨格的に通常よりも顎のサイズが小さい場合や顎に対して歯牙が大きすぎる場合などがあてはまります。こういったケースでは、歯科矯正治療を用いて歯並びを改善するのが一般的です。

▪️環境要因

「環境要因」とは、生活習慣の中で身についた悪習慣のことです。前項のチェックリストで確認した項目がこれにあたります。これらが原因で歯並びや体への影響が懸念される場合には、一般的な歯科矯正では改善しません。こういった場合は、「MFT(口腔筋機能療法)」が有効です。

悪習慣の影響

MFT

悪習慣を続けた場合、口腔筋機能異常や機能不全の危険性があります。こちらでは主な悪習慣と影響を解説します。

・口呼吸

通常、呼吸は鼻でします。そうすることで、鼻毛が外部からのウィルスなどをキャッチし感染の抑制をしてくれるからです。ところが、口呼吸だと細菌が粘膜へダイレクトに付着してしまいます。そのことにより、雑菌が身体に侵入しやすくなります。それによって風邪をひきやすくなったり、さまざまな感染系の疾患にかかりやすくなったりする危険性が高まります。

・ポカン口

常にポカ〜ンと口を開いている状態だと、口腔内が乾燥します。それにより、歯肉などの口腔粘膜に炎症がおきます。口の中は、唾液が巡ることで自浄作用が働きます。

自浄作用とは、唾液が豊かに出ることで、口の中を清潔に保つ身体機能のことです。ポカン口で口腔内が乾燥することで、この力がうまく機能しなくなります。それによって、虫歯や全身疾患の罹患率が高くなるのです。ポカン口は、唾液の減少により口腔内粘膜の炎症や虫歯など口元の炎症を引き起こし、さらには唾液の減少による全身への影響も大きい悪癖です。

・舌の悪癖

歯並びの乱れをおこす代表的な悪癖です。舌が常に特殊な動きをしていると、歯列が徐々に乱れていきます。さらには、美しい歯並びを取り戻したいという思いから歯科矯正治療をしたいと思った時に、舌の悪癖が思わぬ阻害になることがあります。

歯科矯正で歯並びが整った後も、人の身体は元に戻ろうとする力が働くからです。その際に舌の悪癖があると、より一層「後戻り」を促進してしまう可能性があります。舌の悪癖がある場合には、多くの費用や時間を使って行った歯科矯正治療を台無しにしてしまわないように「MFT(口腔筋機能療法)」で悪癖を取り除いてから歯並びの治療にのぞむとよいでしょう。

・指しゃぶり

指しゃぶりやおしゃぶりは、出っ歯の原因となります。これにより、前歯がうまく閉じられなくなり発音が不明瞭となります。発音が不明瞭となることで話すことが億劫になったり、ひいては出っ歯がいじめの対象になったりする可能性があります。口元の正常な発達は、社会生活への円滑な取り組みへ大きな影響があります。

・頬杖

頬杖は骨の位置を歪ませて骨格異常を引き起こす危険性があります。それにより、顔面骨の変形にとどまらず、全身への影響も懸念されます。

・猫背

猫背は常に内臓が圧迫された状態です。そのことにより、内臓への負担が大きくなります。また、猫背は骨格の位置が正常のものとは異なるため、身体の機能が万全ではありません。それらが、ポカン口や舌の悪癖につながり全身の不調へつながる原因となります。

悪習慣は、口元だけにとどまらず、身体にまで大きな影響を及ぼします。正しい治療を受けることは、美しい歯並びと将来的な健康につながります。

MFTのメリット

MFT

・呼吸の正常化

正しい呼吸法を習得することができます。これにより口腔内粘膜の保護や細菌感染の防御を期待できます。

・虫歯の抑制

口元の筋肉の正常な発達を促すことで、唾液の分泌が促進されます。それにより、口腔内の自浄作用が高まり虫歯の抑制につながります。また、口元が正しい筋肉の動きをすることで歯並びの乱れを防げるため、口腔ケアが容易になります。そのことにより、虫歯のリスクを軽減できます。

・口臭抑制

鼻呼吸をし、唾液の分泌を促すことで口腔内が清潔に保たれます。それにより口臭の抑制につながります。

・粘膜の保護

口をしっかりと閉じた状態で、正しい鼻呼吸ができると唾液が分泌されやすくなります。それにより、口腔粘膜を守り乾燥を防ぎます。

・睡眠改善

鼻呼吸ができるようになると、睡眠の質が高まります。そのことにより、日中のパフォーマンスが上がります。それにより、学習能力や身体能力の向上を期待できるでしょう。

・お子さまのやる気が必要

「MFT(口腔筋機能療法)」は、金属の装置を装着して行う歯科矯正治療のように、歯科医師に任せっぱなしという治療とは異なります。患者さまご自身がやる気を持ってのぞむことが必須となります。また、親御さまの協力も必要です。

・時間と費用がかかる

これは、どのような治療にもいえることですが、いずれの場合も時間と費用がかかります。とりわけ、削って詰めて終了といった一般的な保険治療とは違い、「MFT(口腔筋機能療法)」は、保険適用外の自由診療のため時間と費用が必要です。歯科医院によって価格がさまざまであり、思いのほか高額な治療費がかかる場合があります。

・技術者の力量に差がある

「MFT(口腔筋機能療法)」を行う歯科医院は、多数あります。そのため、技術者によって指導力が異なります。それにより、得られる結果にも差異が出てしまうことは否めません。

・近隣に施設がない

地域によっては、「MFT(口腔筋機能療法)」を受けられる歯科医院が近隣にはないといったことがあるでしょう。「MFT(口腔筋機能療法)」は、継続することで効果を得られるという特徴があります。そのため、長期の通院が可能かどうかを検討してから治療にのぞむことが必要です。

・思ったような効果が得られない

治療計画と実際の行動にズレがあると、思ったような変化が得られないといったことがあります。そのような場合、治療計画の見直しや治療のやり直しが必要なケースがあります。

MFTのデメリット

・お子さまのやる気が必要

「MFT(口腔筋機能療法)」は、金属の装置を装着して行う歯科矯正治療のように、歯科医師に任せっぱなしという治療とは異なります。患者さまご自身がやる気を持ってのぞむことが必須となります。また、親御さまの協力も必要です。

・時間と費用がかかる

これは、どのような治療にもいえることですが、いずれの場合も時間と費用がかかります。とりわけ、削って詰めて終了といった一般的な保険治療とは違い、「MFT(口腔筋機能療法)」は、保険適用外の自由診療のため時間と費用が必要です。歯科医院によって価格がさまざまであり、思いのほか高額な治療費がかかる場合があります。

・技術者の力量に差がある

「MFT(口腔筋機能療法)」を行う歯科医院は、多数あります。そのため、技術者によって指導力が異なります。それにより、得られる結果にも差異が出てしまうことは否めません。

・近隣にMFTができる歯科医院がない

地域によっては、「MFT(口腔筋機能療法)」を受けられる歯科医院が近隣にはないといったことがあるでしょう。「MFT(口腔筋機能療法)」は、継続することで効果を得られるという特徴があります。そのため、長期の通院が可能かどうかを検討してから治療にのぞむことが必要です。

・思ったような効果が得られない

治療計画と実際の行動にズレがあると、思ったような変化が得られないといったことがあります。そのような場合、治療計画の見直しや治療のやり直しが必要なケースがあります。

MFTの訓練方法

MFT

「MFT(口腔筋機能療法)」には、主に次の4つの方法があります。

・スポットポジション

木のヘラなどを使用して舌の正しい位置を記憶させます。

・ポッピング

舌を持ち上げる練習をします。

・スラープ&スワロー  

物を飲み込む練習です。

・ポスチャー

日常的に舌を上顎につけておけるよう習慣づけます。

まとめ

「MFT(口腔筋機能療法)」とは、口元の筋肉の正しい成長を促進する機能訓練のことです。MFTを行うことで、さまざまな悪癖が改善され、美しい歯並びの実現や健康的な身体の発育をうながせます。それにより、将来的にかかる治療費の節約や健康リスクの軽減も叶うでしょう。

MFTは、現在の生活のみならず未来の健康や幸せにつながる治療と言っても過言ではないかもしれません。お子さまの悪癖が気になる親御さまは、ぜひ「MFT(口腔筋機能療法)」を検討してみてください。

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長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務G6Dc5b5CyKyqCn4eYEnKf mYWxfR2P6Ywisk9By ZRHHc7GH9QT05t12wGtgCrJIdb3TKWMn36 sk7pCwTXbiCrZ9JPLvEUdkN4Bt LQy0NZf5THG0NKZJSjLWEOinz7sUkQhRMV8g 9JHIK ZlMhw監修 歯科医師/Naomi

臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター