乳歯が抜けないのに永久歯が生えてきても大丈夫?

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患者さん
患者さん

うちの子ども、乳歯が抜けないのに永久歯が生えてきました。
なんだか歯列が二重になっているんですが、大丈夫でしょうか?

歯科医師
歯科医師

乳歯が抜けないのに永久歯が生えてくる問題は、幼稚園の年長〜小学校低学年くらいで起こりやすい問題です。
歯列が二重になる以外に、永久歯が斜めに生えたり、歯列が凸凹になったりする場合があります。
今回は、乳歯が抜けないのに永久歯が生えてきたらどうしたらいいのか、乳歯が抜けないまま永久歯が生えるとどんな問題が起こるのかを解説します!

乳歯が抜ける仕組み

乳歯が抜けないのに永久歯

乳歯は、歯茎の中で作られた永久歯に乳臼歯の根が溶かされて抜けるようになっています。

永久歯の成長とともに乳歯の根が短くなるため乳歯を支えることができなくなり、永久歯が生えてくるタイミングで自然に抜け落ちる仕組みです。

基本的には1本の乳歯の真下に1本の永久歯が作られ、乳歯が抜けたあとに永久歯が生えます。

乳歯は6歳くらいに下の前歯から生え変わり、中学生になるころまでに永久歯の歯列が完成するのが一般的です。

しかし、何らかの原因で乳歯が抜けないのに永久歯が生えてくるケースは意外とあります。

幼稚園の年長くらい〜小学校低学年くらいの子供の下の前歯に見られることが多いケースです。

乳歯が抜けないのに永久歯が生えてきたらどうしたらいいの?

乳歯が抜けないのに永久歯

乳歯が抜けていないのに永久歯が生えてきたら、乳歯が揺れているか確認して様子をみましょう。

2週間以上経っても乳歯が生える気配がなければ、歯医者に行って相談するのがおすすめです。

まずは乳歯がグラグラしているか確認する

永久歯の頭が少し見えたくらいのときに乳歯が残っているようなら、乳歯を触ってみてグラグラと揺れているか確認しましょう。

乳歯が揺れているようなら、乳歯が抜ける準備が始まっているサインです。

永久歯が生えてくる過程で少しずつ乳歯のグラつきが大きくなり、自然に抜ける可能性があるので、2週間くらい様子を見ましょう。

2週間後に乳歯が抜けていなくても、グラつきが大きくなっているようならもう少し待つと自然に抜ける可能性が高いです。

ただし、乳歯が揺れているものの食べ物を噛んだときに痛いような場合は、早めに抜歯してあげたほうがいいケースもあります。

このような場合は、歯医者で診てもらうのがおすすめです。

歯医者に相談する

  • 永久歯が生えてきたときに乳歯のグラつきがない
  • 永久歯が生えてきたのに乳歯のグラつきが小さく、2週間以上経ってもグラつきが大きくならない
  • 永久歯が生えてきて、乳歯が抜けそうなのに抜けず痛みがある

このような場合は、歯茎の中にある永久歯の位置がおかしいなど、何らかの原因で乳歯の根が溶けていない可能性があります。

自然に乳歯が抜ける可能性は低いため、歯医者で相談してみましょう。

「乳歯の晩期残存」=「乳歯が適切なタイミングで抜けていない」と判断された場合は、抜歯することが多いです。

乳歯が抜けないのに永久歯が生えることの問題

乳歯が抜けないのに永久歯

乳歯が抜けないのに永久歯が生えると、以下のような問題が起こる可能性があります。

  • 虫歯・歯周病のリスクが高くなる
  • 歯並びが悪くなる可能性がある

虫歯・歯周病のリスクが高くなる

乳歯と永久歯が2枚歯の状態になると、二重になった歯の間に汚れが溜まり虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。

2つの歯の間は歯磨きがしにくく、ケアも大変です。加えて、生えたばかりの永久歯の表面はまだ柔らかいため、虫歯になりやすいので注意が必要です。

乳歯を早めに抜歯して、永久歯のケアをきちんとできるようにしておいた方がいいケースがあります。

永久歯が生えてきたのに乳歯のグラつきがなくて抜ける気配がない場合は、永久歯を守るためにも早めに歯医者で相談しましょう。

歯並びが悪くなる可能性がある

永久歯が乳歯を避けるように生えてきた場合、将来的な歯並びが悪くなる可能性があります。

歯並びは、舌の位置や唇の圧などの影響を受けて変化します。そのため、生え始めたばかりの永久歯であれば、邪魔な乳歯がなくなれば自然と正しい位置に戻る可能性があります。

しかし、これはあくまで生え始めたばかりの永久歯の場合です。永久歯が生えきってから乳歯を抜いても、乱れた歯並びは基本的に正しい位置には戻りません。

乱れた歯並びを整えたい場合は、矯正治療で歯を動かす治療をする必要があるので注意しましょう。

まとめ

乳歯が抜けないのに永久歯

乳歯が抜けていないのに永久歯が生えるのは、歯茎の中の永久歯の位置がおかしいなどの理由で乳歯の根が溶けないからです。

乳歯が抜けていないのに永久歯が生えてきた場合は、まずは乳歯を触ってみてグラグラと揺れているか確認しましょう。

  • 永久歯が生えてきたときに乳歯のグラつきがない
  • 永久歯が生えてきたのに乳歯のグラつきが小さく、2週間以上経ってもグラつきが大きくならない
  • 永久歯が生えてきて、乳歯が抜けそうなのに抜けず痛みがある

このような場合は、自然に乳歯が抜ける可能性は低いため、歯医者で相談しましょう。

放置すると永久歯が虫歯や歯周病になるリスクが高く、歯並びも悪くなる可能性があります。

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長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務

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臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター

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